Black cat 黒猫 Re:   作:三毛子猫

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本作は、自分への挑戦として始めたリレー形式の小説です。
前半はAIによって生成され、後半は私自身が続きを執筆しています。


第三章-7《最も近い距離》&第三章-8《助けて》

本作は二次創作作品であり、キャラクター設定の一部は以下の作品を参考にしています:

『漫画:矢吹健太朗「BLACK CAT」』、

『ゲーム:Quantic Dream「Detroit: Become Human」』など。

主要な事件の構成は『ネットドラマ「CODE:浮士德遊戲」』に着想を得ています。

 

第三章-7《最も近い距離》

 

「病院へ行くべきだ。」

 

トーレが振り返ると、シオンが壁にもたれながら、なんとか立ち上がっていた。傷口からはまだ血が滲んでいたが、彼は倒れずに耐えていた。

 

「ただの掠り傷さ。今の君には、余計な心配より“もう一つの目”の方が役に立つだろう?」

 

トーレはしばし沈黙した後、無言で頷いた。覚悟を決めた者を止めるつもりはない。

 

「無茶はするな。俺についてこい。」

 

二人はさらに上の階へと続く階段を登っていった。照明はほとんど壊れており、唯一、壁の隅に設置された警告灯だけが微かな赤い光を放っていた。

 

ゼロは下の階に待機させてあり、コナーとはいまだに通信が回復していない。

 

ここは、狩り場の中心だ。

 

階段の突き当たりにある金属扉はわずかに開いていた。扉の端には鋭い何かで引き裂かれたような深い傷跡が残っている——強化鋼板さえも裂けた跡。

 

「ここにいる。」シオンが小声で言った。

 

トーレはベレッタを抜き、左手で扉を押し開けた。二人は一列になって、旅館の最奥にある禁じられたエリアへと足を踏み入れた。

 

そこは半ば空になった会議室のような場所で、床には壊れた家具や電子部品が散乱していた。まるで何かの実験場のようだった。

 

赤い警告灯の届かない暗がりに、人影が立っていた。

 

「かくれんぼ、大好きなんだよ──」

 

イヴの声が静かに響いた。次の瞬間、銀の閃光が空気を裂き、トーレの首元を狙って襲いかかってきた。

 

「来るぞ!」

 

トーレは反射的に身を翻して回避し、同時に銃を構えて反撃の一発を放つ。弾丸はイヴの肩をかすめ、壁に火花を散らした。

 

イヴは雷のような動きで、刀の腕で三度斬りかかってきた。トーレは後退を強いられる。

 

「重心が左に寄ってる──5時方向にはすぐに反応できない!」

シオンが低く叫びながら、負傷した腕をかばいつつなんとか戦況に追いつく。

 

トーレはすぐに体勢を調整し、滑るように死角へと入り込み、足払いでイヴを退かせた。

 

だが、イヴの反応は予想を超えて速かった。体をひねって力を借り、蛇のように刀腕を絡ませてくる。

 

トーレは肘でそれを受け止めたが、激痛が走り、危うく貫かれそうになった。

 

彼は歯を食いしばり、イヴを壁に叩きつけ、銃口を彼女の額に向けた。

 

イヴはその場で動きを止めた。

 

金色の瞳が、空虚なままトーレを見つめていた。

 

「あなたたちは、いつもそう……他人の生死を勝手に決めるの?」

 

その声は穏やかだったが、背筋を凍らせるほど冷たかった。

 

トーレの引き金をかけた指が、かすかに震えた。

 

その時——

 

突然、ひとつの人影が二人の間に飛び込んできた。

 

「やめろ──!」

 

 

 

第三章-8《助けて》

 

シオンが両腕を広げて、イヴとトーレの間に立ちはだかった。

 

「クソッ!」

トーレは思わず罵り声を漏らした。

 

あいつ、頭おかしいのか? 状況が見えてないのか?

自分の行動がどれほど危険か、まるで理解していないんじゃないか?

 

シオンはイヴに向き合い、背中をトーレに向けていた。

 

イヴの鋭い刃が、はっきりと見える。

 

いや、トーレは思考を訂正した。

こいつは本当に頭に穴が空いてるとしか思えない。

じゃなければ、こんな方法で状況を変えようなんて考えるはずがない。

 

「シオン、どけっ!」

 

トーレは銃を強く握り、今にも引き金を引こうとしていた。

 

「俺は言っただろう。どんなことがあっても、彼女を救うって。」

 

シオンの声は決意に満ちていた。一歩も引かない、たとえ命を賭けてでも、彼女に自由を与えると。

 

「……」

 

トーレには、シオンを犠牲にするなんてできなかった。

もし誰かの命を差し出さなきゃならないなら——

 

それは、自分だ。

 

「悪いな。」

 

トーレはシオンの側面に回り込み、左手を手刀の形にして、その喉元に向かって一閃、失神させるつもりだった。

 

壁にもたれ、イヴは自分の目の前に立ちはだかるシオンを見つめていた。

 

手にした刃は、いつでも再び動けるように構えていた。だが——

 

トーレがシオンのそばに飛び込むのを見たとき。

 

彼の左手が伸びた、その瞬間。

 

イヴの瞳孔が細くなった。まるで獲物を狙う猫のように。

 

これまで、誰かを傷つける時に“感情”など感じたことがなかった。

 

でも、この瞬間だけは違った。

 

彼女は、感じたのだ。

 

シオンが——殺される。

 

──「死ぬのって……ダメなことなの?」

 

かつて自分がシオンに問いかけた言葉が、頭をよぎる。

 

──「生きていこう。君を愛してくれる人を悲しませちゃダメだ。」

 

その時のシオンの顔——

悲しみと後悔が滲むような表情だった。

 

──「俺は言っただろう。どんなことがあっても、彼女を救うって。」

 

……助ける。

 

──「助けて! 死にたくない……!」

 

自分に捕まった人たちは、いつもそう叫んでいた。

 

でも誰も、自分以外の誰かを助けようとはしなかった。

 

もし、できるなら——

 

助けて。

 

私を……

 

死なないで──!

 

「やめてっ!!」

 

イヴが叫んだ。

 

トーレの動きが止まった。

 

シオンは、自分の喉元に走った鋭い気配をはっきりと感じていた。

 

「おい……殺す気か?」

 

「失神させるだけだ。命に関わることはない。」

 

トーレは自分の判断に誤りはないと思っていた。

 

「今、本気で殴りたくなってきたよ。」

 

シオンは、トーレが自分の覚悟を信じていなかったことに、腹を立てていた。

 

「手を出してみろ。正当防衛として、お前を気絶させるぞ。」

 

ふたりの間に、殺気が走る。

 

だがそのとき——

 

「やめて! お願い、殺さないで……ううっ!」

 

イヴが悲痛な叫びを上げた。

苦しそうな表情で手を元に戻し、耳を塞いで、床にうずくまる。

 

ふたりはようやく彼女に視線を向けた。

 

「いや……やだ……もうかくれんぼなんてしたくない……イヤだ! もう殺したくない!」

 

イヴはまるで、自分自身に言い聞かせるように、何度も何度も繰り返していた。

 

「助けて……」

 

彼女はシオンを見上げ、涙をたたえた瞳で言った。

 

 

【挿絵表示】

 




この作品を気に入ってくださる方に巡り会えたら嬉しいです。

この事件は、原作でイヴと出会った事件をアレンジしたものです。
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