Black cat 黒猫 Re:   作:三毛子猫

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本作は、自分への挑戦として始めたリレー形式の小説です。
前半はAIによって生成され、後半は私自身が続きを執筆しています。


第五章-9《すれ違い》&第五章-10《心が動いた》&第五章-11《開けない写真》

本作は二次創作作品であり、キャラクター設定の一部は以下の作品を参考にしています:

 

『漫画:矢吹健太朗「BLACK CAT」』、

 

『ゲーム:Quantic Dream「Detroit: Become Human」』など。

 

主要な事件の構成は『ネットドラマ「CODE:浮士德遊戲」』に着想を得ています。

 

第五章-9《すれ違い》(AI)

 

トレーが夢から目覚めたとき、窓の隙間から斜めに朝の光が差し込んでいた。

雨上がりのような、澄んだ空気の匂いが漂っている。

 

彼は目を開けたまま、しばらく静かに横になっていた。

何も言わず、何もせず、ただ手を伸ばして目尻を拭う。濡れていた。

 

――ちくしょう。

 

トレーは起き上がり、手慣れた様子で身支度を整えた。

まるでさっきまでの混沌とした夢を、完全に拭い去ろうとするかのように。

 

沙耶(さや)の名前は、一言も口にしなかった。

 

 

正午、トレーとコナーは十三分署へ報告書を提出しに向かった。

駐車場から行政棟のロビーに入ったとき、霧崎恭子の姿がちょうど向かい側に現れた。

 

「えっ、黒さん!」

 

恭子は驚いたように目を見開き、ここでトレーに会うとは思っていなかったらしく、嬉しそうに駆け寄ってきた。

 

「霧崎さん……」

 

トレーは礼儀正しく会釈したが、その視線はどこか泳いでいる。

コナーは隣でいつものように無言で、ただ静かに様子を見ていた。

 

「黒さん、大丈夫ですか?なんだか……すごく疲れてるように見えますけど。」

 

「ああ……うん、まあ、そんなところかな。」

 

トレーは小さな声でそう答え、はっきり否定はしなかった。

 

恭子は周囲を見回しながら、少し近づいて声を潜めた。

 

「昨日の夜中三時、呪い板見に行ったんです。あの『十三項目の告知』……でも何もなかったんですよ、やっぱり十二項目しか出てなくて。」

 

トレーはわずかに眉をひそめる。

 

「時間、間違ってないか?」

 

「目覚ましまでかけて起きましたよ!」

彼女は腕を組み、不満げな表情で続けた。

「しかもスマホじゃなくて、ちゃんとパソコンで確認したのに……何もなし。『願いの池』のリンクも出てきませんでした。」

 

「……あのスクショは?」

 

「残ってます。でも新しい内容は一切なし。十三項目目も未更新のままです。」

 

「わかった。こちらでも確認する。」

 

「お仕事ですか?この分署、最近なんだか賑やかですよね。さっきも記者の団体が通ってましたし。」

 

トレーは首を横に振り、「定例業務だ」とだけ答えた。

 

「……そうなんですね。」

 

恭子は少し黙り込んだ。何か言いたげだったが、結局笑ってみせただけだった。

 

「今日の黒さん……なんだか、いつもと違う感じがします。」

 

トレーは返事をせず、小さく「うん」とだけ言った。

 

恭子はそれ以上は踏み込まず、立ち去ろうと背を向けた――

そのとき、ふと気づいた。

 

さっきのトレーの目が、これまでの冷淡でも拒絶でもなく――

何かを決意した人間が、告白前に見せるような、強くて揺らぎのない光を宿していたことに。

 

それを言葉にはせず、恭子はただ心の中で思った。

 

黒さん、やっぱり今日、いつもと違う――

 

微笑みながら背を向けたその時。

 

「霧崎さん。」

 

背後から、トレーの声が響いた。

 

恭子は立ち止まり、振り返る。「はい?」

 

トレーは少し戸惑いながらも、言葉を続けた。

 

「その……Instagram、使い方教えてもらえる?」

 

「えっ?」

 

恭子は一瞬固まり、頬が赤くなった。

てっきり、自分のアカウントをフォローしたいのかと思ったのだ。

 

「もしかして……私のアカウント、見たいんですか?」

 

トレーは首を横に振り、視線を遠くに向けた。

 

「違う。……m.z.s_83を、見たいんだ。」

 

 

第五章-10《心が動いた》

 

「黒さん、m.z.s_83のこと、好きなんですか?」

 

恭子はトレーの執務室のソファに座りながら、心の中でしっかりメモした。

どうやら黒さんは、ああいうタイプの女の子が好みらしい。

 

好き。

 

……好き?

 

俺が、あの人を……

 

いや、違う。

 

トレーはマウスを操作し、打刻ボタンを押そうとした。だが、数秒間手が止まってしまう。

ようやくカチッとクリックする。

 

「……君が前に、彼女は写真が上手いって言ってただろ?ちょっと見てみようかと思って。」

 

彼は適当な理由を口にした。

 

「m.z.s_83、本当に写真上手なんですよ!自撮りなんか、どれも超キレイで!」

 

恭子はすぐにスマホで m.z.s_83 を検索し、彼女のプロフィールページを開いた。

画面いっぱいに並ぶのは、たくさんの自撮り写真。

 

「これ見てください!この彼氏目線の写真、めっちゃいいでしょ!」

 

恭子はスマホを手に、座ったまま写真を立っていたトレーに見せようと差し出した。

 

その瞬間――

 

トレーの手にあったカップが、カーペットの上に落ちた。

 

彼の身体が、ぴたりと固まる。

 

写真に写る沙耶が、こちらを振り返り微笑む――

その表情が、まるで心臓に拳を叩き込まれたかのような衝撃だった。

 

まるで、あの日に戻ったようだった。

 

 

「ねぇ、トレー。ちょっと両手貸して。」

 

トレーが返事をする間もなく、沙耶は彼の右手にスマホをすっと渡し、自分の右手でスマホの角度を調整し始めた。

 

カメラが起動しているのを見て、トレーはすぐに意図を察する。

 

彼は黙って、そのまま沙耶に任せた。

 

沙耶はスマホをちょうどいい角度に調整すると、彼の前に立ち、背を向ける。

 

そして、ふいに左手を後ろに伸ばした。

 

「……何?」

 

彼女の意図がわからず、トレーは既にシャッターを押してしまった。

 

「違うってば!まだ撮ってないよ。両手って言ったでしょ、左手で私の手を握って。」

 

「ああ……」

 

トレーはめんどくさそうな顔をしつつ、しぶしぶ左手を差し出す。

 

沙耶は彼の指をすぐにぎゅっと握った。

 

「で、もう撮るのか?」

 

トレーがぶっきらぼうに訊く。

 

「まだまだ!もう少し待ってて。私が振り返ってポーズしたら、そこで撮ってね!」

 

「はいはい。」

 

トレーはスタンバイする。

だが沙耶はそのまま背を向け、歩き始めた。

 

そう――これは彼女の独特な撮影スタイルだった。

歩きながら、自然な動きの中で撮る。ゆっくりと、優雅に。

 

やがて、彼女の足が止まった。

 

きた。

 

トレーは指をシャッターボタンにかける。

 

沙耶が振り返る。

 

その瞬間、あの甘く柔らかい微笑みに、トレーは一瞬、息を呑んだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

我に返って、すぐにシャッターを切る。

連写モードで、写真が何枚も保存されていく。

 

「撮れた?」

 

沙耶は右手でスマホを受け取り、片手で写真を確認した。

 

「うん、いい感じ〜」

 

彼女は満足げに微笑んだ。

 

「……なあ」

 

「ん?」

 

沙耶が顔を上げる。

 

「手、そろそろ放してくれないか?」

 

「あっ……」

 

沙耶は、まだ彼の手を握っていたことをすっかり忘れていた。

 

「ケチー。あと数秒くらい、握らせてくれてもいいでしょ。減るもんじゃないし。」

 

笑いながら、沙耶は手を離した。

 

 

「黒さん?」

 

恭子の声が、現実にトレーを引き戻す。

 

トレーは落としたカップの存在をようやく思い出す。

 

「……ああ、布巾取ってくる。」

 

平静を装いながら、執務室を出ていく。

 

だが、その鼓動は、すでに嘘をつけないほど乱れていた。

 

あの写真をもう一度見る勇気なんて、あるはずもなかった。

 

……布巾をどこで取るかなんて、考えてすらいなかった。

 

コナーが一度目をやる。

給水機の横のテーブルに、布巾が一枚、置かれていた。

 

 

第五章-11《開けない写真》(AI)

 

オフィスの中は柔らかな灯りに包まれ、午後の日差しが書類の山に差し込んでいた。

壁の時計の音だけが静かに響いている。

 

トレーは席に戻ったあとも、まだ手にあのスマホを握っていた。

先ほど恭子から渡されたものだ。

 

画面はまだ、あの写真のままだ。

沙耶が振り返り、手をつないだあの瞬間を――

 

親指が画面の上に浮かび、指の関節には少し力が入っている。

今にもプロフィールページをタップしそうだった。

 

……だが、しなかった。

 

ただ、黙って見つめていた。

 

一分。二分。

 

写真の中の沙耶は、とても自然に笑っていた。

まるで今も彼の目の前に立ち、手を引いているかのように。

 

トレーは深く息を吸い、スマホを裏返して伏せた。

 

「……ったく。」

 

彼は椅子の背にもたれ、天井を見上げた。

眉をひそめ、まるで自分を責めているようでもあり、あるいは力尽きたようでもあった。

 

もう見ないって、思ってたじゃないか。

もう考えないって、決めたはずだろ。

 

――とっくに終わったことだろ。

そうじゃないのか?

 

なのに、どうしてたった一枚の写真で、こんなにも心が揺れるんだ。

 

拳を握る。

掌は汗で濡れていた。

 

しばらくして、彼は小さく呟いた。

 

「……くそっ……どうすりゃ、本当に忘れられるんだよ。」

 

その時だった。

傍らに立っていたコナーが、静かに声をかける。

 

「ハートネット先生、」

 

いつもの冷静な口調で、

 

「目の炎症を防ぐためにも、同じ写真を長時間見続けるのは避けた方がいいかと。」

 

トレーは一瞬きょとんとしたあと、コナーを睨んだ。

 

「……いつからそこにいた?」

 

「先生が戻られてから、3分42秒です。」

 

「見なかったフリくらい、できないのかよ……」

 

「可能です。」

コナーはあっさり頷く。

 

「しかし、そうすると人間の感情変化を観察する任務が遂行できなくなります。」

 

トレーは何も返さず、スマホを引き出しにしまい、低くため息をついた。

 

画面はまだ光っている。

「m.z.s_83」のページを開くのを、待ち続けていた。

 

だが、トレーの指は動かなかった。

 

目を閉じた。

逃げるように。抑えるように。

その感情を再び心の奥底へ封じ込める。

 

コナーは何も言わず、その場に立ったまま、手元の端末に何かを記録する。

 

システム画面に、以下の備考が表示された:

 

 

---

 

【観察レポート】

感情変化の判定:

 

対象「ハートネット・トレー」、人物「水無月沙耶」の写真を視認した際、以下の反応を示す:

 

1. 呼吸数が0.7倍増加。

 

 

2. 心拍数が15秒以内に72→93へ上昇。

 

 

3. 指先に微細な震えあり。視線の固定時間が180秒を超過。

 

 

4. 逃避的言語の繰り返し:「忘れろ」「考えるな」「くそっ」。

 

---

 

【結論】:

感情検出モデルに基づき、現在の感情状態は「動揺(instability)」と推定。

 

定義:「動揺」とは、内面の矛盾した信念の衝突、

記憶による感情刺激が理性の防御を突破する現象。

反射的な否定や行動回避を伴う。

人間の深い感情依存において、よく見られる非合理的・高感受性反応。

 

備考:これは人間の感情成長における一般的な兆候である。

引き続き観察を継続すること。

 

 

---

 

第五章、完。

 

 




私の原稿が消えませんように。彼らの物語は、まだまだたくさん伝えたいんです。
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