こちら連邦生徒会特務課です   作:ORC機関

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アリスとネルパイセンが来たので初投稿です。
ミサキちゃんの武装ってよくわからないですよね。
クラスター弾なら射出器はカールグスタフの方が良かったのでは?と考えてしまう今日この頃。


地獄の昼前

「それで先生、今回の事件で発生した被害補填なのだけれど…」

ここは連邦生徒会特務課のオフィスに凛とした声が響く。

私の職場にある応接セットのソファーに腰を下ろして目の前の資料に目を通した。

「これ、あなたがやった事じゃないわよね?」

目の前の彼女からの追及に私は顔を上げた。

短めの青い髪に尖った耳にはイヤリングが付いており、青く澄んだ水色の瞳が私を射抜いている。

返す言葉が思いつかなかった。

「図星かしら…?車の誘爆にしては派手な被害だから調査したの」

彼女は少し呆れたように小さく溜息を吐くと別の資料を差し出した。

「管理記録内の情報ではあなたの持ち出した装備品記録にこの被害に相当する装備はなかった」

私は彼女から渡された資料に視線を向ける。

ご丁寧にその日私が保管庫に上げた申請が詳細に載っていた。

「それで財務室長様、私に何をさせたいのですか?」

わざと敬語を使い視線を彼女に向ける。

連邦生徒会財務室長の扇喜アオイ、リンちゃんの後輩である。

過去の一件から少し苦手な生徒の一人だ。

「そう警戒しないで頂戴…私も傷つくのよ?」

少し悲しげな表情をする彼女、彼女の背後に視線を向ける。

デスクから歯を食いしばり怒っている表情のミツキが拳を振り上げた。

彼女は財務室長を慕ってるため、今のやり取りに怒っているのだろう。

「慣れっこだろうに…それで…?」

「近日、トリニティで会合が開かれるの」

私の言葉に彼女は眉を下げる、ミツキの拳が片手から両手に変化した。

「そこで現場の警戒要員としてあなたに来てほしいのだけれど…」

なるほど、要するに雑用ってワケだ。

「シャーレ先生の方が適任では?」

「その…先方から貴方の指名があったの」

財務室長は気まずそうに視線を逸らした。

トリニティの先方で一人の生徒が思い当たる。

桐藤ナギサ、トリニティ総合学園の生徒会であるティーパーティの一人だ。

補修授業部の再試験時、彼女に私の車を破壊されたため記憶に残っている。

幸い車は彼女が賠償した為、戻ってきたのだが…新しくなって帰ってきた。

長く乗っていた思い出深い車だったのであの時は本気で落ち込んだ。

私が結構ショックを受けていた事に対する申し訳なさなのか不定期でお茶会に招待されることも多々あった。

私は珈琲派なんだけど…

「なるほど、だから逃げられない様にコイツを持ってきたワケだ」

「そんな事しなくたって、予算に関わる室長なら暇だって知ってるだろ?」

私の言葉に彼女は気まずそうな顔をすると背後のミツキが拳銃を握った手を掲げ始める。

「否定はしないわ」

潔く認めると彼女は真剣な目でこちらを見据える。

その瞳に私は観念せざるを得ない、彼女がここに来た時点で詰んでいたのだろう。

「わかったよ、そんで?装備の申請上の制約は?」

私は大人しく任務の規定確認を行う。

任務によっては火器の使用制限や作業従事者の人数制限など様々な取り決めがある。

この間は違法取引現場の検挙および調査業務であったため64式小銃とHK45CTを申請して持ち出した。

「弾薬費に関してはこちら持ち、だからと言って無駄遣いしていい訳じゃないわ」

「了解、他には誰が警護に?」

「正義実現委員会と連邦生徒会からも警備人員を配置するわ」

彼女がバインダーから書類を差し出す。

正義実現委員会の他に連邦生徒会隷下警務部隊一覧が記載されていた。

書類上では私達は本当に予備戦力扱いだ。

いや、忙しくても困るのだが…

書類の詳細スケジュールを見れば会合は1週間後に予定されており、準備を含めて3泊4日ほどトリニティに泊まる事になる。

面倒な事が起きなければ只のトリニティ観光で帰る事になるだろう。

チハヤを手招きして書類を渡す。

チハヤとミツキは二人並んで書類を覗き込んだ。

財務室長が任務書を机に置き署名箇所を指差す、彼女の指示に従って記入していく。

「必要な物品で申請が通らなかったら私に送って、こちらで手配するわ」

対面の彼女の声が頭上から降ってくる。

「私の七星でも?」

「それはダメね、禁煙治療なら考えてあげるわ」

彼女の言葉にやんなっちゃうなと返すと背後のチハヤが小さく笑う。

財務室長が私達の署名と承認印を確認するとブリーフケースにしまった。

「じゃあよろしく頼むわね」

彼女は立ち上がり別れの挨拶を述べると出口へ歩み出す。

ミツキとチハヤは装備申請の書類を作るべくタブレットPCへ視線を落としている。

私は後ろを少し歩いてついていく、見送りではなく喫煙所へ行くためだ。

「あー!先生!また煙草所に行こうとしてますね!」

ミツキのやかましい声に財務室長が驚いた顔で振り返る。

ちょっと間抜けっぽくて面白いなと思った。

「ちげーよ、見送りに行くだけだ」

「絶対嘘ですー!先生がそんな事しない人だって知ってるんだから!」

「俺をなんだと思ってるんだ…」

「ニブチン!不真面目!ヤニカス!」

私の言葉に彼女は声を張り上げる。

クソ、勘の良いヤツ!

「じゃあ、私が見張って置くわ」

財務室長が小さく溜息を吐くと私をひと睨みする。

思わず視線を彼女から逸らした。

すまねぇ、次は上手くやるよ…

「すみません、アオイ先輩」

「いいのよ、彼に話があったから」

ペコペコと頭を下げるチハヤに彼女は笑顔で返した。

ミツキは不満顔だ。

話とはなんだろうか?思い当たる節があり過ぎる。

私は記憶を振り返りながらオフィスから見送る二人に背を向けて彼女と廊下を行く。

「格納庫の屋上だったわよね?喫煙所」

「あ?見張るんじゃなかったのか?」

彼女の言葉に私の口から間抜けな声が溢れた。

困った顔で彼女は笑う。

「私の親切心よ」

「どう言う風の吹き回しだ?追加の依頼?」

「…あなた私をなんだと思っているのかしら?」

「連邦生徒会の財布管理人財務室長」

少し不機嫌そうに聞く彼女に言葉を返せば深い溜息を吐いた。

あの厄日以来久しぶりに会うのだ。

最後の記憶は不信任案提出前夜、リンちゃんからのお願いで動いていた私は彼女と口論になった。

最悪に備えるべく頑張るリンちゃんのため調査に奔走していた私に越権行為である事、余計な事を彼女に伝えない事など嫌味を交えて言う彼女に私は我慢が出来なかった。

連邦生徒会長失踪後、リンちゃんに背負わされた重圧は計り知れない。

それでもなおリンちゃんは出来る限りの事を頑張っている。

最終的にセンサーの故障なら笑い話になるだろう、しかしキヴォトスで起きた様々な事件を考慮すると備えを怠れば大惨事になる可能性は高い。

事が起きてしまえば終わりなのだ。

しかし、万全に整えるには時間が必要。

一応備えはしたが、ここで辞めるには不安要素が多い。

起爆時間のわからない爆弾のような現状、ギリギリ時間が足りない。

私達は最善を尽くしていた。

現場に立つ身として戦闘も知らない金勘定部門に好き勝手に言われるのも合わさってすごく腹立たしかった。

最終的に不信任案と合わせてのカイザーPMCの決起で生徒会運営が麻痺した。

高エネルギー反応がセンサーの故障である事を祈りながら調査をしていた我らシャーレ隷下の先生方もカイザーのシャーレ襲撃で散り散りになってしまい、虚妄のサンクトゥム攻略戦が立案されるまで何一つ備えられなかった。

そうして全て片付いたあと、リンちゃんと彼女は和解できたようだが私と彼女は互いに腹を割って話す機会もなく気がつけば今日に至る。

置いてけぼりを食らった私は何食わぬ顔で居る彼女に困っていた。

「あら?お預けにしてもいいのよ?」

「それは勘弁してください」

私の言葉にご機嫌そうな彼女と並んで歩く。

どうしたものかとやりづらい現状を噛み締めていた。




ヤニカス
財務室長の事よくわかんねぇ…
紅茶よりコーヒー派、レモンティ(そのままの意味)ぐらいなら手をつける。

アオイ
前に派手に喧嘩したから気まずいのでいつも通りの仕事モードで登場。
どうやってこの空気を修復するか困ってる。
煙草に関しては取り締まりが少し甘い。

ナギサ
温泉開発部に試験会場爆破させるべく暗躍したら意図せず先生の車を廃車にしてしまった。
先生とは和解が済んでいるが少し気にしてる。
そのため不定期でお茶会を開いて先生を招いている。

チハヤ
先生とアオイ先輩が喧嘩しないか少しヒヤヒヤしてた。
アオイ先輩とやり取りした先生の気持ちを考えると煙草は許してもいいのでは?と考えてる。

ミツキ
あー!先生また煙草を(以下略)
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