主人公恐怖症、主人公に付け狙われる。   作:ドンカラス好き

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ガラル編 12

「ラテラルと同じだ……やはり英雄は二人、剣と盾のポケモンなんだよサキナくん」

「そうすね、シンオウでもホウエンでも対の伝説と強力な一って構造だったし、ブラックナイトとやらを二匹で鎮めて眠りについたんでしょうね。……てかステーキハウスなのに頼むのはカレーなのね」

「カレー美味しいですよ! お兄さんはカレー嫌いですか!?」

「好きだけどガラルはカレーに支配されすぎだよ」

「そうですねぇ。……今のうちに慣れておいてくださいねっ」

「ホップ、こっち見ないでもらっていいですか? 食事中くらいは休みますよ。あなたの番です」

「おれじゃ役不足だぞ!」

「それ誤用ですよ」

 

 五人も居ると会話が混線するの。あとユウリさん、今のうちも何ももう旅も終わるからね、慣れても意味ないよ。

 

「というかホップ、きみ、まどろみの森で不思議なポケモンに会ったとか前に言ってませんでしたか?」

「はっ! 確かに! ユウリと一緒に見たぞ! あれが剣と盾のポケモン……?」

「あ〜……ん〜……確かに? でも私悪いけどお兄さんに会うまでの記憶が色褪せてるんだよね。ふふ、セピア色」

「やばいぞこいつ!」

「てか教えてよわたしに! 調べてるの知ってるでしょ!」

 

 あーあー、ホップくんは口悪くなるしユウリさんはやべーしソニアさんは怒るしもう散々です。

 ……まどろみの森ってあのユウリさんとホップくんの住んでたとこの森か。俺も実は夜中こっそりそこには行ってたけど何も居なかったのにな。さすが主人公。

 

 

「お兄さんに出会ってからの日々がとっても光り輝いてるってことですよお。はい、あーん」

「あちっ、あちっ」

「ユウリ、サキナさんは猫舌ですから……」

「なんだとぉ……! 正妻ぶりやがってぇ、普段ふーふー♡とかしてんのかぁ!」

「どこでキレてるんですか」

「本題に入らせてぇ……」

「いったん諦めた方がいいぞ!」

 

 もうさっさと食って店出よう! 迷惑!

 

 

 

「いやー、満腹満腹。美味しかったね!」

「お兄さん、舌大丈ですか? 私のせいで……見せてください」

「ん? んあー、ほら全然大丈夫でしょ? ……今写真撮った?」

 

 撮ったよね? いやてへじゃなくて。まぁかわいいからいいか。

 今まで写真は怖かったけどもう終わりだしな。ユウリさんだしいいや。

 

 結局ソニアさんとは英雄の湯とやらで色々話した。温泉入れるーって思ったけどポケモン限定だった。悲しすぎる。見兼ねたユウリさんが今度ホウエン旅行しましょうって誘ってくれたけど無理。時間ないしハルカ怖いし。ごめん。

 そんでまあソニアさんと別れてキルクスを出発したん、だけど……

 

「これどうするの? ミロカロス冷たすぎてなみのり嫌だって」

「ぼくたちはじてんしゃありますけど」

「俺ないもん! つーかじてんしゃで水走れんのかよ! すげーな今どきって!」

「お兄さん! 私の後ろへどうぞ! 落ちるのが怖いようでしたら抱きついていただいて構いませんよ!?」

「興奮しすぎ、焦りすぎだぞ」

「いやさすがにドンカラスで飛ぶわ」

 

 恥ずかしいもん。誰とのニケツ選んでも恥ずかしい。

 9番道路はなんと氷河でした。おかしいだろ。次のスパイクタウン僻地すぎる。ガラルはなみのりみんな使わないんだよな。何だよアクアモードって。じてんしゃ凄えよ。

 じてんしゃなー、そもそも乗れないんだよな俺。恥ずかしいから言わないけど。ハクタイからスタートしてるのにね。なんかこうゴールドが乗ってたやつみたいなの作ってくれよ誰か。

 

「うおおおお、空中寒ぃ〜」

「だから私を抱きしめてくれればよかったのに」

「私の後ろに乗ってくれればよかったのにだろ! 欲望漏れすぎだぞ!」

「ホップが付いてきてくれるようになってから少し楽になりましたよ」

「ツッコミのことか!? 心外すぎるぞ、ビートとの修行のためなのに……!」

 

 いやホップくんめちゃくちゃ強くなったよね。相性悪そうなさっきのジムも一発でクリアしてたし。もうバッジも残り二個だからなー、ガンガン切磋琢磨していくんだろうな、最後のトーナメントのために。

 ユウリさんはジム以外で一切戦ってる様子を見せないし、ジムもエースバーン一体しか使ってないから何も分からん。完成が近いことだけは分かる。ヒカリやミヅキみたいな……ミヅキって誰だっけ?

 

「そういえばユウリさん用事は大丈夫なの? 最近はどっか行くことが無くなってきたけど」

「はい! ……私といつも一緒は嫌ですか?」

「ううん、嬉しいよ。ユウリさんと居ると楽しいからね」

「はう……!」

「やっぱりサキナさんも悪いと思うんですよ。ねえ、ホップ」

「そうだなビート。ちょっと兄貴に似てるぞ」

 

 なんだあいつら、最近仲良いな。ん?

 

「あれ? シャッター閉まってるよ、スパイクタウン。入れないって何人かが話してる」

「え、まだ結構距離あるはずですけど見えるんですか? というか会話まで聞こえるんですか?」

 

 目良いからね。ついでに耳も良いからね。寒いから入れないのは困るな〜。寒いの苦手なんだよね。テンガン山も地獄だった。……ヒカリはずっとバカみたいな薄着だったな……

 

「ほら〜! 言ったじゃん! 言ったじゃん!」

「うるさいですね、疑ってはなかったじゃないですか」

「さすがです! お兄さん!」

 

 スパイクタウンは完全にシャッターで閉ざされてしまっている。うーん、ばこーんて風穴空けたら怒られるかなあ。

 

「ちょっとちょっと、ユウリ!」

 

 む、茂みから何者かが声を。本当に誰だ? かわいい女の子……やべっ、ユウリさん睨んでる。

 

「あれ、マリィじゃん」

「サキナさん、そろそろ降りたらどうです?」

「そうね。何で俺ずっと飛んでんの?」

「知りませんよ」

 

 手招きされるままにこそこそ付いていく俺たち。誰なのかって思ったけど思い出した。結構強えなって思ってた子だ。チャレンジャーの一人。ユウリさんの友達だったんだ。

 

「あたし、ここの生まれだからちょっとした裏口を知ってるの。あんたも街に入りたかったら案内してあげる。ついでにそこのお連れさん達もね」

「優しい〜、さすが唯一の女友達」

「ただし、ライバルだもの。あたしに勝てたらね!」

「それはやめといた方がいいよ、マリィさん」

 

 人のこと言えないけどユウリさん同姓の友達この子だけなの!? ソニアさんは友達ではないのか……? 

 ぼーっとしてたらなんかバトル始まりそうになってたのであわてて止める。止めたら睨まれた。悲しい。

 

「だれ? あんた……」

「私の彼氏」

「違うよ?」

 

 こういう時ユウリさんが変なこと言うのを止めるのはビートくんでしょ! あ、なんかホップくんと修行してる! 諦めてる!

 

「あたしじゃユウリに勝てないっていうの……!」

「いや、違う! 違う! 誤解! 俺は絶対にそれだけは言わない!」

 

 焦りながら否定する。より強いやつには勝てないから諦めろなんて口が裂けても言わない。言いたくない。存在の否定だろ。俺の。

 

「いやだからそうじゃなくてさ、君のモルペコ? っていうの? この子ケガしてるからやめた方がいいって」

「えっ? モルペコが……?」

「ちょっとだけど足かばってるよ。手当して今日明日は安静にしといてあげた方がいいよ」

 

 バトルはダメだよ。軽いケガだからすぐ治るだろうけど、ユウリさん相手だともっとハードでしょ。悪化しちゃうよ。

 

「さすがでしょ? 私の彼氏」

「違うって言われてたじゃん。アプローチが雑」

「おおっ、今まで誰もいなかったタイプの切り口だぞ!」

「新星あらわるですね」

 

 まぁそこんとこはどうでもいいんだけどさぁ、とりあえずね、とりあえず。

 

「裏口教えて? 寒いの」

「というわけだからバトルはまた今度でいい? お兄さんとあったまらなきゃ!」

「ちょっと語弊があるぞ」

「わざとでしょうね」

 

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