主人公恐怖症、主人公に付け狙われる。【ガラル編完結】 作:ドンカラス好き
「お兄さん、前に何でも言うこと聞いてくれるって言ったの覚えてます?」
今日も今日とて四人でやけに贅沢な朝食を食べていると、唐突にそんなことを言われる。
最近は前と違って三食しっかり食べてるから健康になっちゃうわね。
「……覚えてるけど、その、あんまり酷いのはお兄さん嫌かな〜……って……」
「なに、アンタそんな約束してたの?」
「お兄さん私を何だと思ってるんですか?」
ダブルで怒るのやめてくれない? 怖いな。ヒカリは今更だとして、ユウリさんも威圧感が増したよね。具体的には俺が死にかけた時から増したよね。……あれ? 俺のせい?
「その軽々しすぎる口が悪いんですよ。反省も兼ねて酷いことぐらいされなさい」
「だから酷いことなんてしないって!」
「どうだか」
ユウリさんとビートがやり合っているなか、俺は絶賛ヒカリに説教をされています。
「アンタさ、何でそんな迂闊なことを口走るのが好きなの? 口を縫い付けられたいの?」
「縫い付けられたくはないです。……別にヒカリに同じこと言われててもOKしたよ?」
「だからそれが……!」
もう和解したからね。和解っつーかほぼ俺のせいなんだけど。究極超絶鬼怖いヒカリだけど優しいのは知ってるから。
「とりあえず話を本題に戻していいですか?」
「おっ、ようやくソニアさんの気持ちが分かりました? あなたも一緒に反省した方が良いですよ」
「ビートうるさい」
本題は?
「あのですね、まずちょっと質問なんですが……お兄さん寝てます? 寝てなくないですか? なんで深夜に部屋入ってもいつも起きてるんですか?」
「ああ、それね。……いや深夜に突然来るのやめてよ! びっくりするんだよいつも!」
「夜這いの自白ですか?」
「やだビート、夜這いだなんてはしたない。私は寝顔撮りたかっただけだよ」
「変わらないですよ」
いや寝顔くらい別にいいんだけど無理だよ多分。
「あたしも気になってたんだけど、もしかしてアンタ、寝ることも出来ないの?」
ヒカリがいつもと違う、心配した顔で質問してくる。あぁ、この前戦った時の話か……
「あれは違うよ。ふみんのドンカラスだって普段は寝てるし。寝なくても大丈夫なだけ」
疲れたら寝るよ。疲労回復に手っ取り早いから。限界になると気絶しちゃうんだよね。
別に疲労さえなきゃ眠らなくても大丈夫っていえば大丈夫だし、催眠系は効かないけど。
「じゃあここに来てからは寝てないんですか?」
「寝てる時もあるけど単純に人が近づいたら起きるよ。普通そうでしょ?」
アカギも俺と同じだったよ? ほぼ寝てなかったし、たまに寝てても俺が近づいたらすぐ起きるし。
なんなら前の世界でも俺は割とこんなんだったし。
「う〜ん……なるほどっ、分かりました! じゃあお願いなんですけど、今晩一緒に添い寝してくれませんか?」
「え〜? ごめんビート、俺この世界の常識に詳しくないんだけど、これ普通?」
「異常」
「やっぱり?」
「話は最後まで聞いてください!」
聞くけどさぁ〜。ヒカリが凄え目で見てるけど大丈夫? この場合俺が大丈夫なの?
「この私がですね、包容力あふれる魅力を持ってしてお兄さんを寝かしつけてあげようかと思いまして!」
「えー、うーん、まぁ、別に良いのかな……? 逆にユウリさんのお願いなのにそれでいいの?」
「騙されないでください、100%自分の欲望です」
「じゃああたしも一緒に……」
「ヒカリは絶対やだ!」
「なんですって!?」
ヒィッ、怒らないでっ。
「だってヒカリ寝相悪すぎるんだもん! 痛いのは嫌だ!」
「なんで寝相知ってるんですか?」
「ギンガ団のアジトで寝てたらしいんだよこいつ。寝相で壁ぶっ壊したって報告入ってたの」
「敵地で寝るのもやばいですし寝相で壁壊すのもやばいですね」
あれ以来ヒカリが余計に怖くてさぁ。どんだけ力強えんだよって。ポケモンはともかくフィジカルも強すぎるのはズルすぎない? 馬鹿力。バカ。
「そんな寝相悪くないわよあたし」
「どの口が!? サタちん泣いてたよ!?」
「誰よその女ァ〜!」
「女じゃないよ! 幹部のサターン! 男!」
「……?」
なんで分かんないの!? 戦ってたじゃん一回!
あいつしょうがないから結局ポケモンが壊したってことにして処理してたんだよ。かわいそう。
「ほら、あの変な髪型の!」
「あ〜、あの変な髪型の」
「それで伝わるんですか!? どれだけ変な髪型なんです……?」
ツノって感じ。
まぁサタちんの髪型については置いといて。
「分かった! じゃあこうしよう。四人で川の字になって寝る」
「え? ぼくもですか?」
「ビートは盾だよ。よくもこの前俺を見捨ててくれたね」
「ここで来ましたか。でも何も分かってないみたいですね。ぼくは良いですよ」
訳わかんないこと言いやがって、ヒカリの怪力に怯えろ。あほめ。
「二人きりが良かったですけど、まぁ私も良いですよ。お泊まり会みたいでわくわくしますね!」
「そうね、締め落としてでも寝かさないと心配だし、カトレアもうるさいしね」
ちゃんと寝るから締め落とさないでぇ〜?
あとね、ちょっと恥ずかしいから絶対言わないけど、川の字で寝るのやってみたかったの。
で、夜です。
今の俺の状態はというと、眠るヒカリとユウリさんに羽交い締めにされております。
「ぐぎぎ……」
「だから分かってないって言ったんですよ。どうせぼくじゃなくて標的はサキナなんですから。ばかめ」
ぼそぼそ煽ってくるビートが無性にむかつく! 覚えてろよ……!
ヒカリが特にやばい。ぎしぎしいってる。ホントは起きてて復讐されてるんじゃないかと思うぐらいに強く抱きしめられてる。
いや、ユウリさんも力強いな! もしかして俺が軟弱すぎるのか……!?
「あとさビート、女の子二人にこんな抱きしめられてるとちょっとドキドキしてきちゃったんだけど、どうしよう」
「あなたにそういう感情があったことに感無量ですが、それはまだ封印しとかないとダメですね。ちょっと相性悪すぎます」
何の話か分かんねーよ。難しいこと言いやがって。やばいんだよ。
女の子ってもちもちふわふわしてるんだよ。良い匂いもするんだよ。安請け合いするべきではなかったのか。俺は変態だったのか……?
「深く考えると修羅場になりますからやめてくださいね。あなたそこら辺の精神年齢子供より幼いんですから。寝てくださいもう」
あれでも確かに? 今までにない安心感があるかもしれない。一人だと寝付くのに時間かかって寝るの諦めるのが多いけど……
安心感が違う。なるほど、主人公は敵だと怖いけど味方だとこんなに頼り甲斐があるのか!
よく寝れそう……ぐう……
「うわ〜、初めてこんなにたっぷり寝た〜。すごい。世界ってこんなに明瞭だったのか」
「やっぱり疲れたまってたんじゃないですか」
「ああっ、お兄さん堪能するのに夢中で寝顔撮り忘れた!」
「確かにベッドのヘッドボードが欠けてる……あたし寝相悪かったのね。サキナを壊さなくて良かったわ」
凄え恐ろしい新事実発覚したんだけど! いつの間にぶっ壊してたの!? 怖すぎる!
でもずっと捕まってたのにヒカリに骨をぶち折られてないということは、無意識に手加減されていたのか。……いや、好意的に解釈しすぎだな。ヒカリめ、寝相直せ。
「ユウリ、これ渡しておきます」
「えっ、ビート、寝顔撮っといてくれたの?」
「サキナも楽しかったみたいですし、眠る癖を付けるのは良いことですから。特別です」
「なんかそのお兄さんの保護者ヅラが死ぬほどむかつくけどありがとう。無茶苦茶むかつくけど」
勝手に取引されてるけどまぁ良いよ。女装写真より百万倍マシだから。あれ消してくれる? ダメ? そこをなんとか。
あと後日談一回やったら次の章行きたいと思ってます。
今考えてるのは四つです。あらすじ一覧↓
どれが見たいか良ければアンケートで回答お願いします。一位になった地方を絶対やるわけでもなければこのあらすじ通りとも限らないですが、参考にさせてください。
イッシュ地方へたどり着いたサキナ! そこで出会ったのは女優としてパートナーを欲しがっていたメイだった! 狙われるサキナ! 追うメイ! はぐれたビート! そこに助けに入った姉御肌なトウコを慕い、サキナは舎弟になってしまう! そしてなぜか、メイの方はビートを従えていた! トウコ&サキナVSメイ&ビート! イッシュ編!
パルデア地方にやってきたサキナ! 来て早々ネモを主人公と勘違いしてしまうという痛恨のミスを犯してしまう! 油断したところをアオイ&ハルトの双子に懐かれ、狙われてしまった! 無邪気な子供二人に追いかけられ、半泣きで逃げるサキナ! それを配信するナンジャモ! そんな折、セレビィの目撃情報はパルデアではなくキタカミであったと連絡が入る! パルデア(キタカミ)編!
ミアレにやってきたサキナは、勘違いでついうっかりサビ組を事務所ごと半壊させてしまった! 多額の借金返済のため、ZAロワイヤルに参戦するサキナ! だがしかし、これまたうっかり女装した写真をセイカに見られたことで、着せ替え人形にさせられそうになる! ムクと友達になり昼はジャスティス、夜はロワイヤル、そんな生活の中、果たしてセイカに捕まるまでに借金を返し終わり、セレビィを見つけることが出来るのか! ミアレ編!
過去編! シンオウ編!
の四つです。ZAが面白かったので多分ミアレ編かも。
どの地方が見たいですか?
-
イッシュ編
-
パルデア編
-
ミアレ編
-
シンオウ編