「もうすぐ京都駅に付くはずだ。」
「了解」
「レイヴン!大変です!京都駅にいた友軍は既に全滅した模様です。学徒兵が危ない!」
「だって。隊長どうする?」
「これ以上は速度は上がらん!」
「分かった」
YATAGARASUを突撃飛行形態に変形させる。
「先に行ってるね」
「…そのほうがよさそうだな…すまんすぐ追いつく。」
「任せて?」
レイヴンは最大出力で機体を加速させる。突撃飛行形態である場合マッハ3の速度もあるYATAGARASUであれば一瞬で京都駅に着くことができた。
「さ、始めようか?」
「はい。」
変形後レールガンを展開、掃射する。みるみるうちに敵を掃討する。その後、スキャンを使用し、人を探す…
「レイヴン…その…残念ですが…一人しかいないようです。」
「了解…仕方ないね」
少女が立ち尽くしていた目の前に降り立つ。そしてスピーカーで呼びかける
「話している暇は無いよ。何も考えず乗って。」
「は…はい!」
左手のレールガンを格納し手にその少女を乗せてコックピットを開けて招き入れる。そして申し分程度の座席を展開する。
「ごめんね。ここしか座れないから…」
「いえ…ありがとうございます。」
とりあえず座らせる。
「貴女。誰か教えてくれる?」
「はい…篁唯依少尉です。」
「そう…他の子たちは?」
「……戦死しました…」
「分かった」
「あの!」
「ん?」
「…日本人…ですか?」
申し訳なさそうに聞いてくる。
「分かんない…分かるのは私がC4−621独立傭兵レイヴンであるってことだけ。生まれは分かんない。」
「そう…ですか」
「とりあえず友軍と合流して貴女を引き渡さないとね?エア、日本軍の集団は捉えられる?」
「少しお待ち下さい。」
「レイヴン!俺の生徒は居たか!?」
「うん、いたよ篁唯依って子だけ」
「そうか…すまん…」
通信越しとはいえ落胆と悲しみが伝わってくる。
「教官!」
「おお…無事だったか。よかった…」
「レイヴン!最後の撤退を行おうとしている部隊があります!」
「それは?斯衛軍第十六戦術機甲大隊です。」
「隊長、とりあえずここに合流したいと思うけどいい?」
「そうだな」
「かっ飛ばすよ?舌噛まないように気を付けて?」
「分かりました」
ー一方…第十六戦術機甲大隊ー
「くっ…数が多い…このままだと押し切られる…」
「泣き言を言っている場合ではないぞ?月詠中尉。」
「はっ!申し訳ありません閣下」
「全機鶴翼3陣で突撃せよ!」
「「「「はっ!」」」」
「とはいえ…これは…」
斑鳩中佐はこのままではジリ貧であることを分かっていた。が、この後ろには何万にも及ぶ市民たちがいる為引くことはできない。
多数の瑞鶴の群れは突撃砲や、長刀で敵を殲滅すべく縦横無尽に飛んでいた。
「…………もはやこれまでか?」
「閣下?」
その時である。
火の鳥が如く飛んできたYATAGARASUが突撃飛行形態で突撃し一直線に敵を切り刻んだ。それはアイビスシリーズが突撃するのと同じである。
「なんだ!?」
YATAGARASUが突撃飛行形態を解除、レールガンとレーザードローンを展開、そして遅れてきた真田大尉の不知火が突撃砲で敵を食い破る。
「……素晴らしい!」
斑鳩中佐は飛んできたYATAGARASUに素直な賛辞を述べた。そこで例の機体から通信が入る。
「私はC4−621独立傭兵レイヴン。第十六戦術機甲大隊に告ぐ…ここからは私がどうにかする。撤退を勧める。」
「こちら第十六戦術機甲大隊指揮官、斑鳩中佐である。断る!」
「そう…勝手にして。ま…もう終わるんだけど。」
そう、レイヴンは全てを殲滅し尽くしたのだ。そして…青い瑞鶴の前に着陸する。
「これなら撤退できるでしょ?因みに敵の増援は全て叩き潰したから」
「なんと!?」
これには流石に驚愕した。
「貴様!所属を述べよ!」
月詠中尉が吠えた。
「中尉。落ち着かれよ。」
「ハッ!」
「……さっき言ったじゃん…独立傭兵レイヴンだって…組織に所属してるわけないでしょ。」
「部下が失礼した。独立傭兵レイヴン。単刀直入に言おう。ご同行願えるか?」
「いいよ。そちらの軍人保護してるから返還したいし…」
「なんと!?…それはますますお礼申し上げなくてはならない…」
「気にしないで?ちゃんとついていくから。」
「了解した…ついて来られよ。」