転生者の道楽アカデミア   作:原作知識補充中

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0章
No.-1 非合理的な試験


「ハイスタートー!」

 

 そんな試験開始の合図と共に少女は疾走した。

 雄英高校のヒーロー科一般入試実技試験、『模擬市街地演習』、少女は腕を振り抜きながら市街地の中心部へと駆け抜ける。

 

「今年度の雄英体育祭で私が2年生世代であることは確認できているのでな。好き勝手にやらせてもらうぞ」

 

 中心部へとたどり着いた少女は一気に肺へと空気を取り込み、そして……

 

「わぁあああ!!」

 

 それを地面へ向かって叩きつけた。

 

 まるでソナーのように、反響する音から仮想敵(かそうヴィラン)であるロボットの位置を割り出した少女は、いつの間にか両手の指に挟まれていた無数の球体を振り投げた。

 

 振り投げられた球体は跳弾を繰り返し、少女の思い描いた通りの軌跡を辿ってゆく。何度も跳弾を繰り返した後、それぞれがロボットの弱点部位を穿ち、行動不能へと追い込んだ。

 

「これで50か、残りは様子を見ながら稼ぐとしよう」

 

 少女は市街地の中心で仁王立ちをしながらソレが来るのを待った。

 

 

 

 ソレが姿を現したのは、試験時間が残り5分となった時だった。少女のすぐ近くに0P(ポイント)敵が現れる。

 

「来たか」

 

 少女はそれを確認すると、ビルの壁を足場にして駆け上がり、0P(ポイント)敵の頭部へと躍り出る。さらに足の裏から放たれる電磁波でそのコントロールを掌握、直立の状態で行動を停止させた。

 

 しかし、それだけでは少女は止まらない!左足を軸にし、体を回転させながらさらに高く跳躍、そこから6つの球体を振り投げた。

 その後、少女は再び0P(ポイント)敵の頭部へと着地、見える範囲で敵を倒しポイントの調整を行った。

 

 最終的に少女は敵P(ヴィランポイント)71という成績で実技試験、『模擬市街地演習』を終えた。

 

 ♢ ♢ ♢

 

「実技総合成績出ました」

 

 実技試験での救助活動P(レスキューポイント)審査を終えた雄英教師陣がその内容について語り合っていた。

 それぞれが印象深い生徒を振り返り、そして最後にその話題の焦点がとある少女にあてられた。

 

 敵P(ヴィランポイント)71,救助活動P(レスキューポイント)29の合計100ポイントで主席となった少女、その名は神野秘色(かみのひいろ)

 彼女の試験内容は他の受験生と比べても次元が違った。

 

 市街地の中心部に向かっている際に振り抜かれる腕から放たれる弾丸、今もなお映し出されているVTRをスローで再生すればそれが途轍もなく強い弾性を持ったスーパーボールであると判明するだろう。それらがすべて弱点へと吸い込まれていくのは見事というほかないだろう。

 さらに中心部にたどり着いてからの行動も目を見張るものがある。大声によるソナーの疑似再現、そこから得た情報でピッタリ50ポイントになるように攻撃対象を選別し、正確に弱点部位を穿つ。

 

 まさに神業。

 

 そして極めつけはこれだろう。アレ*1が現れてから彼女が放った6つのスーパーボール、それらは彼女がアレの頭部を踏み潰すと同時にほかの6会場で暴れていたアレらの弱点を全く同時に貫き、小さな爆発で行動不能とした。

 

「……なんつーか、とんでもねぇやつが現れたなぁ」

「それだけじゃないのさ」

「根津校長?」

救助活動P(レスキューポイント)の審査をした君たちなら、彼女の行動がその存在を知っている人間のものなのは分かったと思うのさ!」

「ええ、ですのでそれなりにポイントを少なく見積もってはいますが」

「そこなのさ。おそらく彼女は、我々がそう判断することも考慮したうえで、敵P(ヴィランポイント)を71に調整したのさ」

「……つまり、()()()()()()1()0()0()()()()()()()()()()()()ということですか」

「そういうことなのさ。まったく恐ろしい才能なのさ」

*1
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