「で、何で俺を襲ったんだ?」
「お嬢様に命令されたからよ。」
勝負の後、俺はナイフが刺さったところを咲夜に治療しても らいながら質問している。なぜ治療されてるかだって?自分の能力で治した方が早いんだけどもう能力使うのがしんどくてな。
「よくこんなにナイフが刺さっていたのに動けたのよ?」
「こんなのは慣れているからな、あと咲夜、殺す気なかっただろ?」
「な、なんのことかしらね。」
咲夜は俺から顔を逸らして知らないふりをした。ばればれだけどな。殺す気があるなら時を止めて頭とか心臓とかにナイフを刺すだろう。
「全く、ばればれだからな。」
「ばれてしまったのね。どうしてわかったのかしら?」
「なんとなくだけどな。」
そう言い歩きだそうとするが、咲夜に呼び止められる。
「あなたその状態でお嬢様に会う気かしら?」
「駄目なのか?」
「そのままだと死ぬわよ!!」
あっ、出血していたの忘れてた。
「だから視界がぼやけるわけだ。」
「納得してないでこっち来なさい!」
「治療くらい自分で出来るさ。」
そう言い包帯を巻こうとしたら。咲夜が近付いてくる。
「私がやってあげるから来なさい。」
そう言って咲夜は手招きしたけど俺は行く気はない。つーかこれ以上女性に近付きたくない。
「遠慮する。」
「いいから来なさい!」
「断る。」
「来なさい。」
「嫌だ。」
「き・な・さ・い!!」
咲夜から黒いオーラが漂い始めたよ。怖いねぇ。
「何度も言わせんな。嫌だ。」
そう言いさっさと抜け出そうとするが。
ガシッ!!
「………………(ニコッ!!)」
咲夜に首根っこ掴まれました。しかもものすごい笑顔だし。
「離してくれ。」
「離すとでも?」
「デスヨネー。」
交渉(物理)の結果、仕方無く咲夜に治療させてもらうことになった。
そんなわけで治療してもらってるわけだが、でもこの状況俺にはとてもきつかった。なぜかって? 女性が目の前にいるんだぞ。普通の人は喜ぶかもしれないけど、女性が苦手な俺にとっては辛い顔を我慢するのに精一杯だよ。しかも顔近いし、鼻血が出そうになるし!!
「あなたは強いのね。」
咲夜は傷に包帯を巻きながら聞いてくる。
「いやいや咲夜もなかなかだったよ。」
笑いながらそう返答すると、咲夜は拗ねた表情をする。
「あれ、本気じゃないでしょ。」
ギクリ!!
「ナ、ナンノコトダカサッパリダナァ。」
「何で片言なのよ。」
俺片言になってたのかなぁ?
※なってます。
「なぜ本気で戦わないの?」
「本気で戦う時は余程追い詰められた時と、……な時かな。」
「後半聞こえなかったんだけど。」
「まあ気にしないでくれ。」
聞こえないように言ったからな。
「わかったわ。あと聖人。」
「ん、どうした?」
咲夜の顔を見ると少し悲しそうな顔をしていた。
「なぜ、嫌な顔をするの?」
嫌な顔…………あ、ばれてしまった。
「理由を教えなさい。」
咲夜が今まで以上に近づいてくる。これ以上近付かれたらやばいんですけど!!
「いや、これは、ちょっと!!」
「教えないとナイフを顔に刺すわよ?」
顔は笑ってるが目が笑ってない。咲夜だったらやりかねないな。
「笑わないっていうなら言う。」
「わかったわ。」
「……女性が苦手だからだよ。」
一瞬咲夜はキョトンとした顔になったがすぐにお腹を押さえて笑い始めた。
「笑うなって言ったのに。」
「ごめんなさい。 あまりにも予想外な答えだったから。でもなぜ、女性が苦手なのかしら?」
「……それは言えない。」
そう俺は過去にあの事があったからだ。今でも夢に出てきて思い出してしまう。
「これ以上は追及しないでおくわ。」
「助かるよ。」
治療が終わったのか咲夜は立ち上がる。
「これで大丈夫なはずよ。そろそろお嬢様のところに行きましょう。」
「わかった。」
そう言うと咲夜が歩き始めるので、後についていく。また戦闘だったら嫌だな。