「いてて、ここはどこだ?」
知らない天井だ、って前もあったなこれ。だとすると……。
「おっ、気がついたみたいだな。にしても意外と目覚めが早いんだな。」
「…………。」
顔を覗き込むように魔理沙が俺を見てくる。と言うことは、ここは魔理沙の家になるのか。
「乙女のベットで寝れるなんて嬉しいだろ?」
全然嬉しくねえ、普通の人なら歓喜していただろうな。
「さいな「動くと傷口が広がるわよ。」っ!!」
「ほら、言わんこっちゃない。」
忘れていた、今日の昼頃紅魔館で咲夜と戦った時にできた傷がまだ完治してなかった。まだ傷口が包帯で巻かれてるって事は意外と重傷だったんだな。
「気遣いありがとう。余程のお節介だな。」
「お節介でも何でもいいわ。今日は魔理沙の家に泊まっていきなさい。」
「そうだぜ!!その状態の聖人を外に出すわけにはいかないんだぜ!!」
ふーん、心配はしているんだな。けど、無理矢理人を気絶させて連れ込んだ奴を信用できるかよ。
「てめえらの言うことなんて信じられるかよ。」
ベットから起き上がって歩き出そうとした時に、体中に激痛が走る。これ傷口の痛みじゃねえな?
「……何をしたんだ?正直に答えな。」
「いやー、魔法が効かないって言うから体を麻痺させる薬を大量に打ったんだぜ。」
魔理沙はニカッと笑いながら言ってくる。それ笑顔で言うもんじゃねえだろ。
「はあ、お前はどういう神経してるんだ?下手したら死んだかもしれないんだぞ?」
「まあいいじゃないか、聖人に聞きたい事がたくさんあるからな!!」
っち、この体の状態じゃ逃げることも出来ないし、諦めるか。
「しゃあないな、言ってみろよ。」
「まず、どうして女性が苦手なんだぜ?そんなこと想像出来ないんだぜ。」
「……それは言えない。これだけは言えねえ。」
「人に言ってみれば楽な時もあるわよ。素直になって話してみなさい。」
「それでも言わない。」
かたくなに拒否すると、魔理沙が怒った表情になった。
「何で自分に正直になれないんだよ!?辛かったんだろ!?苦しかったんだろ!?なぜ自分一人で抱え込むんだよ!?」
魔理沙は俺の胸元を掴んで叫んだ。ったく耳元でギャーギャーうるせえな。座らなければよかった。
「それは俺の自由だろ。てめえに指図される筋合いはないね。」
「人に相談すれば気持ちが楽になるかも知れないだろ!?どうして黙るんだよ!?]
「俺の問題だからだ。俺の問題は俺が解決する。」
「そういう問題じゃないだろ!?どうして辛い道へ行くんだよ!!」
「楽な道へ行ったら逃げてるのと同じだろ。」
「そうじゃないだろ!!お前は現に逃げてるじゃないか!?過去が駄目だったら未来を変えればいいだろ!?」
「うるせえな!!黙って聞いていれば好き勝手喋りやがって!!じゃあてめえは変えれたのか!?」
「今は変えれてないけどいつか変わるだろ!!」
ただの理想論かよ、綺麗事言いやがって。
「そんな確証もない事を誰が信じるんだ?」
「それは……。」
「自分を変えれないやつが偉そうに説教すんじゃねえよ。戯れ言は他所で言いな。」
「たとえ自分が変われなくても、気持ちは変わろとしないのかよ!?もっと人を信じてみろよ!!」
「信じても意味ねえだろ。結局人は裏切るんだ。てめえに言っても無駄だろうけどな。」
「そこまでよ、聖人!!」
「うるさいぜ!!聖人に私の不幸がわかるか!?」
知らねえよ、そんなもの。知りたくもねえ。
「知らねえよ、少なくともてめえが考えてる不幸と俺の不幸は全然ちげえよ。不幸面するんじゃねえよ?てめえだけが不幸じゃねんだよ!!」
「聖人いい加減にしなさい!!!」
「う、うわあーーーーーーーーん!!!聖人のバカやろーーーー!!!」
魔理沙は泣いて部屋を飛び出した。本当にうるせえ奴だな。
「聖人言い過ぎよ!!魔理沙の気持ちを考えなさいよ!!」
「じゃあ無理矢理連れてこられた俺の気持ちはどうでもいいのか?自分達だけ良ければいいと思ってるのか?随分と大層な気持ちの持ち主だな!!」
「……ごめんなさい。」
「まあ、ちと言い過ぎたってのも否定はしないがな。何でそこまで俺に関わる?」
「それは、聖人が心配だからよ。知り合いが悩んでるのを黙って見ていられないのよ。」
「俺みたいなクズに心配すんなよ。もっと違う人を心配しろよ。」
「何で自分を悲願的に見るの?どうして自分をけなそうとするのよ!?」
アリスも怒った表情になった。
「……………。」
「過去に何があったかは知らない。けどもっと人を頼ればいいじゃない。」
「頼るくらいなら1人でいた方がいい。もう荷物を背負いたくねえんだよ。」
そう言ったとたんアリスが俺にビンタしてくる。それを手で受け止める。
「なにすんだよ?あぶねえな。」
「うるさい!!そうやって逃げて何が得られるの?」
「ねえよ、そんなことは知っているさ。」
「ひょとしたら私が想像した以上の苦しみを味わったかもしれない。けど!!どうして自分一人で解決しようとしたの!?」
「……皆を巻き込みたくないからだ。巻き込むくらいなら一人で解決した方がいい。」
「そんなことして、誰が納得するの?」
「じゃあ今まで俺が関わったせいで死んだやつをどう説明すればいいんだよ!?俺がいなければ幸せに暮らせたんだ!!けど、俺がそれを壊したんだ!!あいつらにどう詫びればいいんだよ!?」
俺に関わってきた女性は必ず死んでいった。
「俺に関わることで皆死ぬ。じゃあ最初から関わらなければいいじゃないか!!」
「そんなことして死んでいった人達が満足すると思ってるの?」
「満足はしねえだろ。けど、これは俺の罪だ。その人達が満足しようがしなかろうが俺のやり方で罪を償うだけだ。」
「私がその立場だったら絶対に満足しないわ。そんな罪の償い方は違うわ!!」
「死人に口なしって言うだろ。何を思ってるのかもわからねえんだぞ?」
「確かに死人は口を開かないわ。けど、口を開かせる方法はある。」
「嘘じゃねえだろうな?」
「冥界に行きなさい。そこにいけば何かわかるはずよ。」
「……わかった。信じられねえが騙されたつもりで行ってやるよ。」
「勝手にしなさい。私は魔理沙の様子を見てくるわ。」
そう言うとアリスは部屋を後にした。
「まったく、魔理沙にも、アリスにも痛いところつかれたな。」
ズバズバと言いやがって、少しは考えろや。
「さて、行くか……、あれ?冥界って何処だ?」