東方外遠記   作:宗也

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第18話

 

 

 

 

翌日

 

「ところで幽々子、一つ聞きたいことがあるけどいいか? 」

 

「何かしら~?もしかして今日のご飯の話~?」

 

「ちげえよ!!幽霊と話せることが出来るか?」

 

「……話せるわよ。なんならその場所に案内する?」

 

「ぜひお願いします。」

 

あの子に会うのは何年振りかな?俺の事を覚えているのだろうか。

 

「聖人さん?幽々子様と何の話をしているのですか?」

 

「まあ、ちょっとな。」

 

妖夢にはこの事を話したくない。

 

「わかりました。」

 

「それじゃあ行きましょう。妖夢、留守番よろしくね~♪ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子に案内されて来た場所は、枯れてる木のところだった。

 

「ここは?」

 

「ここは幽霊が集まりやすいところなの。」

 

確かに幽霊がうようよといる。この中から探すのかよ。

 

「この中にあなたの探している人がいるわよ。」

 

「ありがとな。今度旨いものをご馳走するよ。」

 

と言ってから俺はあの子を探す。しばらく探しているとその子らしい雰囲気の幽霊がいた。

 

「……久しぶりだな。」

 

そう言うと幽霊が女の子になる。そこには10さいくらいの女の子がいた。

 

「やっと来たのね。もう待ちくたびれちゃった。」

 

「本当に久しぶりだな、亜美。」

 

亜美は、俺に関わったばかりに短い人生で幕を閉じた女の子の一人だ。

 

「本当にすまない!!俺のせいで亜美を死なせてしまった!!」

 

「いいのよ、私はこの結果には受け入れてる。聖人兄が謝る事ないよ。」

 

「でも!!もしもっと生きてたらもっと楽しい事があったかもしれない!!幸せな事があったかもしれない!!それなのに、俺のせいで!!」

 

「その気持ちを聞けただけで嬉しいよ!!」

 

「本当にすまなかった。亜美を守れなかった、俺が力不足だったばかりに!!」

 

「でも聖人兄はあの時、必死で私のことを守ってくれたじゃない。」

 

確かに、必死で亜美を守ろうとはしたさ。

 

「それでも、守れなかった。」

 

「だから、女の子を避けているの?」

 

「!!!」

 

「それはただ逃げてるだけよ。他の人にも言われなかった?もっと前を向いて、今度こそ守ってみせればいいじゃない。あの時のように。」

 

「そう……だな。」

 

「わかったなら行動で示してよ!!聖人兄なら出来るはずだよ!!」

 

と言うと亜美の体が薄れてくる。そろそろ別れの時か。

 

「お別れなのか?」

 

「そろそろ時間みたい。聖人兄と最後に話せて嬉しかったよ!!」

 

「もう逝ってしまうんだな。」

 

「長い時間取らせてはくれなかったし、最後にプレゼントをあげる。」

 

そう言うと革の手袋を渡してきた。

 

「いいのか、もらっても?」

 

「貰って欲しいの。今までありがとう聖人兄!!」

 

そう言うと亜美の体は消えた。もう会えないんだな。

 

「こっちこそありがとう。安らかに眠ってくれ。」

 

俺はしばらくあの場で泣いた後、白玉桜へ戻った。

 

「お帰りなさい、何かあったんですか?」

 

「すまない、一人にしてくれ。」

 

そう言い俺は庭に向かう。

 

「行動を示せ、か。そうだもんな。」

 

「一体何があったんですか?」

 

と妖夢が隣に座り言ってきた。

 

「過去の話だよ。思い出したくない過去の話さ。」

 

「その話を聞きたいんですけど、だめですか?」

 

「……いいよ。」

 

「いいんですか!?」

 

「誰かに話した方が楽になりそうだ。」

 

そして俺は今まで目を背けてきた過去を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年前

 

「ねえ!!まってよー!!」

 

「まったく、遅いな亜美は。」

 

「仕方ないでしょ。聖人兄が速いんだもん!!」

 

あのとき俺は中1、亜美は小5だった。そして、今は亜美の家に向かってる。理由は遊ぶためだ。

 

「今日は聖人兄の他に誰が来るの!?」

 

「いつものメンバーだよ。」

 

など雑談していた時。

 

「よう餓鬼ども。何かの帰り道か?」

 

と、声をかけられたらと思ったら暴力団の集団に囲まれてた。

 

「貴方達誰!?」

 

「俺らか?俺らはここら辺で有名な暴力団の団員だ!!」

 

「自分から暴力団って言うのかよ。」

 

「う、うるせぇ!!命が惜しければ金を置いてきな!!」

 

「今はお金ないんだ。また今度にしてくれないか?」

 

「仕方ないな、じゃあ女を貰うぜ!!」

 

そう言ってナイフで切りかかってきた。当時俺は喧嘩には自信があったが、大人を8人相手するのは結構きつかった。それでも5人程を倒した。

 

「なかなかやるじゃねえか!!じゃあこれならどうだ餓鬼?」

 

そう言って男は拳銃を取り出した。

 

「っく!!!」

 

「諦めな、女を渡せば見逃してやる。」

 

「亜美、今のうちに逃げろ。」

 

「どうしてよ!?聖人兄を置いて逃げれないよ!!」

 

「俺が時間を稼ぐから早く!!」

 

「おっと!!そうはさせねえよ!!」

 

男が俺に向かって発砲した。

 

「ぐっ!!!」

 

「ああもう面倒だからこいつ殺すわ。」

 

「止めて!!!」

 

「止めねえよ、じゃあな!!」

 

俺は死を覚悟した。けどいつまでたっても来なかった。目を開けてみると。

 

「大丈夫?」

 

と、肺を打たれた亜美がいた。

 

「おまっ!!何で!!」

 

亜美は俺を庇ったのだ。こんな俺を。

 

「何で庇ったんだよ!?何で逃げなかったんだよ!!」

 

「友達を、見捨てれるわけないじゃない。」

 

そう言って亜美は倒れる。

 

「しっかりしろ!!今助けを呼んでやる!!」

 

「来るわけねえだろ。ここは人通りが少ないんだからな!!」

 

男はまた発砲した。けどそれも亜美が俺の代わりに受けた。

 

「何でだよ!!何でなんだよ!!」

 

「聖人……兄…には………生きてほしかったから。」

 

「だからといって、こんなのありかよ!!」

 

「ありがとう、……好き……だよ。」

 

と、言って亜美は目を閉じた。

 

「あー女が死んだか。折角の金目のもんが。まあいい、お前もすぐに逝かせてやるからな!!」

 

「ふざけるな。」

 

「あーー?なんだって?」

 

「てめえなのがいるからこういう悲劇が起きるんだ。」

 

「だったらどうするよ?」

 

「てめえをぶっ倒す!!」

 

「やれるものならやってみな!!」

 

男は発砲してくるが、その前に銃を切り刻んだ。

 

「ちっ、なんだよこれ!?」

 

「さあ、覚悟はいいか!?」

 

と、言ったときに警察がやって来た。

 

「ずらかるぞ!!」

 

と、男達は逃げていった。亜美はそのあと病院に運ばれたが既に死んでいた。俺は肩を撃たれたが、命に別状はなかった。

 

あれ以来から俺は女性を避けるようになった。別に嫌いではない。それは守れる自信がなかったから。また同じことをするのではないか。だったら突き放した方がいいと思った。

 

暴力団の男はリーダー以外は捕まった。リーダーの名は時弥謙治らしい。今も逃げている。もしあの男にあうと守れる自信がない。そう思い女性を避け続けていた。

 

「以上だ。」

 

「……。」

 

ふと、妖夢の顔をみれば泣いていた。

 

「それは、おじいちゃんにも話したんですか?」

 

「いや、話してない。」

 

「何で話さなかったんですか!!なぜ一人で抱えて来たんですか!?」

 

「これは自分の問題だったからだ。」

 

「関係ありません!!」

 

「関係ある。俺はけじめをつけたかったんだ。俺は臆病者だから話しても無駄だと思ったんだ。」

 

「……何で泣かないで話せるんですか!?」

 

「泣いても意味がないじゃないか。それに泣かないと決めたんだ。」

 

「嘘ついても無駄ですよ。」

 

「……やっぱりばれてしまうか。」

 

「泣いてもいいんですよ。」

 

「いやもう泣いてるから。」

 

「今は泣いた方がいいですよ。」

 

妖夢は後ろから背中をさすってくれた。今度こそは守らないといけない。いや守ってみせる。

 

「ありがとな、妖夢。」

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