「本当にやるのかよ。」
「逃がさないわよ。」
どーも幽香に喧嘩を売られた聖人だ。今は太陽の畑から離れた平原に来ている。
「ルールはどうするんだ?」
「それはどちらかが倒れるか、降参するまでよ。」
はぁ、一番めんどくさいルールだ。
「行くわよ!!」
そう言い幽香は目で捉えるのが難しいくらいのスピードで殴りかかってきた。それを手で受け止めるが。
バヂィィィン!!
「へぇ、少しはやるみたいね。」
「そりゃどうも!!」
受け止めた瞬間にものすごい衝撃が来て手が痺れちまったよ。折れてないか不安だな。
「ふん、せい!!」
俺は木刀で幽香に斬りかかるが、幽香は日傘を盾にして防いだ。
「その日傘何で出来てるんだよ?」
「レディに秘密は付き物よ。」
その会話の後、俺と幽香は木刀と日傘で斬りあった。俺が木刀で横払いすると、幽香はそれを日傘で防ぎ空いてる手で殴ってくる。それを避けて回し蹴りを叩き込むが、幽香は体を捻らせて避ける。
「きりがないな。」
「きりがないね、あなたは気付かないのかしら?」
幽香は怪しい笑みで言ってくる。
「何が……っておいおい!!」
周りを見渡せば植物に囲まれていた。あの斬りあいの中でこんなことをしてくるとは。
「私は“花を操る程度の能力“を持ってるのよ。」
もっと平和な能力かと思ったがそうではないらしい。周りの植物から妖力を感じるし。
「さて、あなたはこの集中砲火に耐えられるかしら?」
幽香が指を鳴らすと周りの植物から一斉に弾幕が放たれた。
「嘘だろ!?」
俺はそれを必死に避ける、いやほぼ勘を頼りに動き回ってると言った方が正しいかもな。
「さあ、逃げ回りなさい!」
幽香はドSだな、おかげでこっちは袋の中の鼠状態だよまったく。でもいつまでも逃げてるわけにはいかないので。
「剣符 イリュージョンソード!!」
とにかくこの弾幕地帯から脱出するべく俺の前に見えている植物を鎌鼬で切り崩して脱出する。
「ふー、なんとかなったか。」
「フフ、まんまとかかってくれたわね。」
幽香の声がした方向を向くと、日傘を俺に突き付けて先端部分に力を溜めている幽香がいた。
「まずはあの地帯を突破したのは褒めてあげるわ。でも残念だったわね、私が突破された後の事を考えていないとでも思ったのかしら?」
流石は大妖怪と言われてるだけあるな。
「これは……もしかして。」
「そうよ、貴方はここでゲームオーバーよ。」
俺は幽香の前から離れようとするが。
「動けねえ、何でだよ!!」
「話してる時に逃げられないように貴方の足に植物を絡ませておいたわ。」
足元を見れば植物の茎が足に絡まっていた。
「くそっ!!」
「もう遅いわよ。私の力は溜まった、後は放つだけ。」
そう言い幽香は俺に近付いて来た。
「どうして近付いてくんだよ?」
「それは貴方が恐怖で怯えてる姿を近くで見たいからよ。」
やべぇよこの人、ドSを通り越してるよ。俺は必死に逃げようとするが中々に厳重に絡みついていている。
「大丈夫よ、そんなに怖がらなくても。」
そう言いスペルカードを持って。
「花達の肥料にしてあげるから。元祖 マスタースパーク!!」
幽香の日傘の先端から太いビームが放たれた。俺は咄嗟に魔力と霊力で体を守るが。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
予想外の衝撃が来て、足に絡まってた植物も焼かれて吹き飛ばされた。魔理沙の何倍の衝撃じゃねえかよ。
「うぐっ。」
吹き飛ばされた後、地面を何回がバウンドして止まった。
「マジかよ……。」
体のあちこちに火傷をしてるし、切り傷や擦り傷も多かった。
「あら、まだ死んでなかったのね。」
幽香は日傘をくるくる回しながらこっちに来た。
「威力は抑えた方だけど人間で生きていたのは貴方が初めてね。」
「冗談……だろ!?」
これで威力を抑えた方だなんて、力ありすぎだろ!
「でも次は手加減しないわよ。」
幽香は再び日傘をこっちに向けた。
「ここに来たことを後悔しなさい。」
そう言うとさっきのビームが放たれた。ここで俺の人生は終わってしまった。
「って勝手に死ねるかっての!!」
まだやることはたくさん残ってんだよ!こんなところで死ねるか!
「でもこれを乗り切る方法は……出来れば使いたくなかったけど、仕方ないか。リミッター全解放!!」
俺は四つ目のリミッターを解放し、木刀に緑色のオーラを漂わせて盾にして、ビームを防ぐ。
「……終わったわね、にしてももうちょっとやると思ってたのにつまらないわ。」
幽香が放ったビームが当たったところから煙が出てるのを気にしない様子で幽香は言った。
「まあ、お疲れさん。向こうで自分の行動を嘆きなさい。」
「そうかい、それは無理だな。」
「!!!」
俺は木刀で煙を払って幽香を見る。幽香は俺が生きていることに驚いているようだった。
「どうして生きてるのよ!?私の最大のパワーで放ったのよ!!」
「教えると思うか!?」
俺は幽香に真正面から突っ込む。幽香は急いでスペルカードを持ち。
「真正面から突っ込むなんて、貴方はバカね。今度こそやられなさい!!花符 幻想郷の開花!!」
幽香から大量の弾幕が現れた。なるほど、幽香のこのスペルの弾幕は花を参考にした弾幕なんだな。だから開花か。
「でも俺は何も考えてないで突っ込むとは限らないぞ?」
俺は避けながら幽香に話しかける。避けてる間にも傷口から血が出るがそれを無視する。
「ハッタリね、今は避けられてるけど、これならどうかしらね!?」
幽香は密度が濃すぎる弾幕を目の前で放ってきた。
「これで終わりよ!!」
まあ、普通なら諦めるよな。でもこっちにはとっておきがあるからな。
「終わるのは幽香の方だ。幻符イマジネーションブレード!!」
俺はビームを防いだ時みたいに木刀に緑色のオーラを漂わせて大量の弾幕を走りながら弾く。弾いた弾幕は全部粉々になった。
「嘘でしょ!!?」
幽香は目をぱちぱちさせながら驚いていた。その隙に幽香の首もとに木刀をつけた。
「終わりだな。」
「まだ終わりじゃないわよ!!」
そう言い幽香は弾幕を放とうとするが。
「どうして弾幕が出せないのよ!!」
「それはこのスペルの効果さ。」
今は言えないけど、このスペルで幽香の弾幕を出せないようにしている。
「だったら!!」
次に日傘で殴りかかろうとするが。
「それも推測済みだ!!」
俺は急いでスペルカードを取り出して。
「相符 デュアルスパーク!!」
幽香の日傘に向けてスペカを放った。幽香の日傘は吹き飛ばされ、遠くに飛んでいった。
「っ!!!なら!!」
幽香は俺に向かって拳で殴ろうとしたが。
「だから推測済みだって。」
俺は左手で幽香に向かって雷を放つ。
「きゃああ!!!」
幽香は体を震わせた後、へなへなと座り込んだ。
「どうして!!力が……入らない。」
「それはさっきの雷で筋肉を麻痺させたからだ。」
原理はよくわからん。でも何故か出来る。
「さて、まだやるのか?」
「……私の負けでいいわよ。」
幽香は膨れっ面になりながら言った。
「さて、疲れたからそろそろ帰るかな。」
「ちょっと待ってよ!!力が入らないのよ!」
「もう治ってるよ。」
「本当だわ。」
幽香はすっと立ち上がるとそっぽ向いて。
「……また暇な時来なさい。今度はお茶用意して待ってるから。」
「わかったよ。」
そう言い俺は立ち去ろうとしたが。
「ちょっと待って、どうして聖人は植物を木刀の鎌鼬で切ったのよ?てっきりもう片方の刀で斬ってくると思ってた のに。」
「まあ、そっちの方がてっとり早いんだけど、植物も生きてるだろ?それを斬るのはちょっとな。鎌鼬ならすぐに再生出来るようにしておけるから。」
鎌鼬で斬った後、植物は元に戻しておいたからな。もし刀で斬ったとなれば治すところが増えて面倒くさくなるし。
「そう、聖人は植物や花も生きてると思ってるのね」
「当たり前だ。もう失いたくないしな。」
これ以上会話するのは精神的に無理だな。さっさと休める場所を探すか。
「じゃあな。」
「またね。ふふ、貴方の言ってた事も満更でもなかったようね紫。」
「全く、見ていてヒヤヒヤしたわ。いくら手加減していたとは言えやり過ぎよ。」
「それはごめんなさいね。でも人間の割に中々やってくれたわ。」
「貴方がそんなこと言うなんて、彼が気に入ったのかしら?」
「そうよ♪また来てくれないかしら♪」