東方外遠記   作:宗也

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今回は三人称視点です。


第31話

「えっ?」

 

最初に声を出したのはフランだった。無理もなかった。何故ならレーヴァテインが聖人の体に当たった瞬間に粉々になったからだ。

 

「どうしてレーヴァテインが消えたの!?一体何をしたのよ!?」

 

「……………。」

 

フランは聖人に聞いたが、聖人は下を向いて黙ったままだった。

 

「「「「どうなってるのよ?」」」」

 

レミリア達が口を揃えて言った時、 聖人が何かを呟き出す。

 

「情けねえ、本当に情けねえ。俺は何時になったら約束を守れるんだ?」

 

「ふ、ふん!!あの玩具の事?あんな簡単に壊れたのが悪いのよ!!」

 

フランは聖人にそう言い放つ。だが、その言葉を言った瞬間に聖人の体から銀色のオーラが溢れ出す。

 

「てめえ今何て言った?あんな簡単に壊れる奴が悪いだと?」

 

「そ、そうよ!!それの何が悪いのよ!?」

 

「ふざけるのも大概にしとけよ?てめえは、てめえは大切な人を失った事があるかぁぁぁぁぁ!!!」

 

聖人がそう叫ぶと、髪の色が銀色になりオーラを激しく点滅しだした。

 

「てめぇが何を考えてるのかは知らねぇ、何を思って人を傷付けているのかも知らねえ。けど、俺の大切な人を殺した。てめぇに生きる権利はねえ。ここでくたばってもらうぞクソ野郎!!!」

 

そう言い聖人は一歩前に踏み出した。

 

「アハハハ、スゴいスゴいヨ!!マダタッタクレル……ンダ…ネ。」

 

この時フランは感じた事のない恐怖に襲われていた。それは聖人からの殺気が凄まじいからだ。周りの空気がビリビリとして、ガラスの窓が揺れていた。

 

「スグニコワシテアゲルヨ!!ギュットシテ……。」

 

「不味い!!聖人避けなさい!!」

 

しかし、聖人は避けようとしなかった。代わりにスペルカードを取り出した。

 

「幻苻 イマジネーションブレード。」

 

聖人がスペルカードを掲げた途端、聖人の刀が緑色に光り始めた。

 

「ドカーン!!」

 

レミリアはこの言葉を聞いた瞬間目を閉じた。何故ならあの技はフランの目に入ったものを右手で握り潰せば粉々になるからだ。レミリアはそうなってしまったと思った。

 

パキィィィィィン!!!

 

「……えっ!?今の音は何!?」

 

「アレ?ナンデバクハツシナイノ?ナラモウイッカイヤルダケヨ!!」

 

フランはもう1回同じことをやった。レミリアは今度は目を閉じずに聖人を見た。フランが右手を握ると同時に聖人は前方の空間を斬った。すると前方の空間が歪み、その後、例えることが出来ない音が聞こえ、聞こえ終わったと同時に歪んだ空間も元に戻った。

 

「な、何なのよ……。」

 

レミリアは呆然とするしかなかった。なぜならフランのあれは絶対に避けれない。なのにどうして聖人は生きているのか?

 

「ナラコレヲツカウマデヨ!!禁忌 レーヴァテイン!!」

 

フランはそれを聖人に向けて振った。しかし、聖人は刀を前に出す。

 

「無駄だ。」

 

レーヴァテインは刀に触れたとたんに粉々になった。

 

「クッ!!コレナラドウ!?禁弾 過去を刻む時計!!」

 

フランの周りから十字の形をした弾幕が現れて聖人に向かって飛んでいった。それと同時にフランも弾幕を放つ。

 

「アハハコンドコソコワレチャエ!!」

 

だが聖人は慌てず、十字の形をした弾幕を刀で斬りつけて粉々にし、他の弾幕もすべて粉々にした。

 

「ドウシテナノヨ!!」

 

その様子を空中で霊夢は見ていた。

 

「嘘!!どういうことなのよ!?」

 

「あれが聖人の三つ目の能力よ。“不可思議な力を無効にする程度の能力”よ。」

 

「どういうことよ?」

 

「霊力とか妖力とかの不思議な力を破壊することが出来るということよ。」

 

「それチートじゃない!!」

 

「確かにあんな能力は初めて見たわよ。」

 

そう霊夢達が会話してる間に、フランは地面に座っていた。

 

「あっ……あっ……。」

 

あのあと何度も攻撃したが、すべて粉々にされ、魔力や妖力も尽き座りこんでしまった。

 

「や、やめて……。」

 

「…………。」

 

だが聖人はフランの言葉を無視して刀を振り上げた。

 

「やめて!!殺さないでよ!!」

 

聖人はフランの言葉を無視して刀を降り下ろそうとした時。

 

「待って聖人!!」

 

レミリアはフランを庇うようにして前に立った。

 

「お姉様?」

 

「フランを殺さないで!!!お願いだから殺さないで!!」

 

レミリアは泣きながらそう言った。聖人の凄まじい殺気に耐えながら。

 

「どうして?私はお姉様を殺しかけたのよ?」

 

「それはフランの姉だからよ。手が非常にかかる妹だけど、フランがいないと悲しいからよ。とにかくフランは殺さないで!!!」

 

「…………。」

 

「私からもお願いしますわ。」

 

「咲夜!?貴方は来る必要はないのよ!?」

 

「いえ、妹様は大切な人です。それをお嬢様だけに守らせる訳には行きません。」

 

「咲夜さんの言う通りです。妹様は私達の大切な家族なんですから!!」

 

「そうよ、レミィ一人だけに守らせる訳にはいかないわ。」

 

「私もパチュリー様と同じです!!」

 

「咲夜、美鈴、パチェ、小悪魔……。」

 

いつの間にか紅魔館の人達がフランの前に立っていた。それを見た霊夢は安心した顔をする。

 

「これで解決かしらね。」

 

霊夢はそう言ったが、紫は聖人の方をじっと見ていた。

 

「…………。」

 

「紫?なしたのよ?」

 

「まだよ。霊夢、構えなさい。」

 

「どういうことよ?」

 

「見ていればわかるわ。」

 

レミリア達を見た聖人は刀を鞘にしまった。

 

「ありがとう、聖人。」

 

「はっ?何を言ってる?悪いがフランはここで斬らせてもらう。」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

聖人はそう言うと刀の鞘でレミリア達を殴り飛ばす。

 

「「「「きゃああああ!!!」」」」

 

レミリア達は突然の事だったので、抵抗出来ずに吹き飛ばされた。

 

「どうしてよ!!どうしてお姉様達を殴り飛ばしたのよ!?」

 

フランは聖人に向けて叫んだが、聖人は無視して鞘から刀を抜く。

 

「悪いな、“お前“はここで斬らせてもらわないといけない。」

 

「嫌!!殺さないで!!」

 

フランは涙を流して震えていた。

 

「そいつは出来ない相談だな。じゃあな。」

 

「いやあああああ!!!お姉様ーーーー!!」

 

聖人はフランに向けて刀を降り下ろした。

 

ドサッ!!

 

フランは血まみれになり倒れた。

 

「聖人、どういうことよ?」

 

「今すぐ答えなさい。」

 

霊夢と紫は聖人に言ったが聖人は気だるそうに刀をしまう。

 

「てめぇらに話すことはねえよ。」

 

「ふざけるのも大概にしなさい!!霊符 夢想封印!!」

 

霊夢は聖人に向けて放った。が、聖人は霊夢を哀れむような目で見る。

 

「てめぇはバカだな。」

 

「何を言って……嘘!!何でよ!?]

 

聖人に向けて放った夢想封印が全部霊夢に向けて飛んできた。

 

「そんなものスキマで「バカだな、下を見ろよ。」!!!」

 

いつの間にか紫の足に刀が刺さっていた。

 

「くっ、避けるしかないわね!!」

 

「無駄だ。」

 

聖人は足で地面を蹴って霊夢が立っている足場を崩した。

 

「やば!!」

 

霊夢はバランスが崩れ飛ぶことが出来なかった。

 

「霊夢!!くそっ!!」

 

紫は霊夢に向かって飛び込み夢想封印をすべて自分で受けた。

 

「紫!!どうしてよ!!」

 

「あなたがいないとこの先不味いからよ。」

 

「どういうことよ!?」

 

「心して聞きなさい。今、何者かによって博麗大結界が一部壊れたわ。」

 

「!!!!!」

 

「頼むわね、霊夢。」

 

「紫はどうするのよ。」

 

紫は自分の足に刺さっている刀を抜きながら、スキマを展開する。

 

「結界を直してくるわ。」

 

と言いスキマに入っていった。

 

「聖人、あんたは許さないわ!!」

 

「勝手に言っとけ。さっさと消えろ。」

 

「舐めた口調ね。私に勝てると思ってるのかしら?」

 

「そっかそっか。予想以上に間抜けな巫女だな。」

 

「何を!!」

 

霊夢は聖人の言葉に激怒したが、聖人はその隙に居合い斬りをした。

 

「今ので1つだな。」

 

聖人は一瞬の隙をついて霊夢の頭についていたリボンを斬った。

 

「!!!」

 

「さて、まだやるか?」

 

「くっ!!」

 

霊夢は聖人の周りに結界を張り、去っていった。

 

「……ふう、嫌われ役はきついな。」

 

そう言い右手に緑色の光を帯びさせて結界を殴り、壊した。

 

「それよりあいつらが来るな。早くここから離れるか。早苗、本当にすまない。」

 

「うぅ、ぐすっ、フラン……。」

 

「すみませんお嬢様、私の力不足なばかりに。」

 

「いえ、咲夜さんはよくやったと思います。私が来るのが遅かったばかりに。」

 

「……。」

 

「何で殺したのよ?」

 

「…………。」

 

「黙るな!! 答えろ!!」

 

レミリアは泣きながらそう言った。

 

「返事をしたほうがいいですよ。」

 

咲夜は激怒した様子だった。

 

「…………。」

 

「うわああああ!!!」

 

レミリアは叫びながらグンクニルを聖人に向けて放った。しかしそこには聖人はいなかった。

 

「逃げられたようです。」

 

「うう、どうしてよ。」

 

「あれれ、何だか辛気くさいねぇ~。もっと楽にしようよ~!!」

 

「誰だ貴様は!?」

 

「俺?よくぞ聞いてくれました!!俺は女の子が大好きな人で~す!!」

 

「ふざけないでください!!」

 

「あらら、怒っちゃった?ごめんねぇ~。」

 

「とっとと失せなさい。殺すわよ。」

 

「おーー恐いねぇ~。」

 

「うるさい!!黙りなさい!!」

 

「黙るのはそっちじゃないか?」

 

「!!!!!」

 

変な男のオーラが急に変わったのでレミリアは黙ってしまった。

 

「な~に安心しなよ。そこの金髪の子どもは死んでないよ~!!」

 

「う、そ!!本当なの!?」

 

「本当だよ~。ただしばらくは起きないね。」

 

「フラン……良かった。」

 

「じゃあ俺はそこの緑の女の子に用があるから、連れていっていい~?」

 

「早苗に何をする気なの?」

 

「それはヒミツだよ~。大丈夫、悪いようにはしないから。ではではさらば~!!」

 

男はすごいスピードで飛んでいった。

 

「まさか!!聖人は初めから殺すつもりは!!」

 

「なかった。と言うことになりますね。」

 

「しかし、わからないわね。なぜ気絶させる必要があったのかしら?」

 

「まあいいわ。とにかくフランを安全なところに運ぶわよ!!」

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