東方外遠記   作:宗也

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第43話

「さて、あとはてめぇだけだ!!」

 

「くぁ~、よく寝たな。」

 

「覚悟はいいんですね?」

 

「覚悟?そゆことね。安心しな、これ以上は何もしねえよ。」

 

……はっ?こいつは何を言ってるんだ?

 

「幻想郷を自分の物にしたいとか、あれ嘘だから。」

 

「「「「はあぁぁぁぁ!?」」」」

 

「1度は悪役っぽい台詞を言ってみたかったんだよな。満足満足。」

 

「じゃあ霊夢達を操ったのは?」

 

「その方が雰囲気的にボスバトルみたいな感じがすんたろ?」

 

マジで迷惑な奴。他所でやれっての。

 

「いや、他所でやりたかったんだが、組織の上からの命令でな。ここを乗っ取らなければならなかったのさ。でも昔の雰囲気があって、ここに住んでみたいと思ったからさ。」

 

「つまり、乗っ取る気はさらさらないってことだね~?」

 

「そゆこと、すまんな。」

 

「だとさ、どうする霊夢?」

 

「ふん、許してあげなくもないわ。その代わり、これから宴会をやる予定だから材料から料理とか用意して貰うわよ!!」

 

「おっ!それはいい考えだぜ!!」

 

「俺料理とか出来ねえんだけどなぁ。」

 

出来ねえのかよ。まあ、これで解決だな。

 

「と思っていたのか!!」

 

「誰だ!?」

 

「っち、出てきやがったか。」

 

「仰木彰、お前には見損なったぞ。」

 

「見損なえよ、こいつらに見損なわれるよりはましだ。」

 

「誰だ!?姿を表せ!!」

 

声しか聞こえねえ、どっかにレコーダーとかあんのか?

 

「誰か、そんなこと聞いてどうする?お前はまとめて死ぬのだからな!!」

 

ん?地面からタイマーの音が聞こえてくる、まさか!

 

「自爆スイッチか何か押しやがったな!?」

 

「そうだ、幻想郷は破壊できなくとも、半分くらいは消滅させるくらいの規模だ。」

 

声の主は笑いながら言ってくる。いつ仕掛けた?

 

「やばいですよ!!」

 

「彰は見逃してやろうと思ったが、お前はもういらん。死ね。」

 

「ちぃ、どうする聖人?並大抵の結界とかじゃ抑えきれねえぞ?」

 

「どうしましょう!?」

 

「ちなみにその爆弾は俺の最大の霊力でつくった爆弾だからな、防ごうとは思わないことだな!フハハハ!!」

 

とんだはた迷惑なやつ。要らなくなった部下は殺すってことか。

 

「解除方法はないのか!?」

 

「ねえな、一時間くらいあれば解除できるかも知れねぇがな。」

 

「……時間は残り3分か。」

 

「そうだ、残り3分だ!!せいぜいあの世に行く心構えでもしてな!」

 

「どうするのよ!!!」

 

「私が魔法でなんとかするぜ!!」

 

「無理よ魔理沙!!」

 

「けど!!じゃあどうしろって言うんだぜ!?」

 

「こうなったら私が!!」

 

皆なんとかしたいと思っているんだな。それほどこの世界が好きなのか。

 

「いいねえいいねえ、焦ってるねえ。最高だよ!」

 

「黙ってろ外道が!!」

 

「しゃあない、上司がしてしまった事だ。部下の俺がなんとかしてやる。」

 

「けど、彰一人じゃ無理だろ。俺もやるよ。」

 

「聖人ができるわけ……あっ!」

 

霊夢は気が付いたみたいだな。勘が鋭いことで。

 

「俺の能力を使えばなんとかなるかも知れない。」

 

「兄さん!!それは!!」

 

「……死ぬ気なのか?」

 

「……ああ。」

 

もう、これしか方法がない。時間があれば別の方法もあったかもしれないが。

 

「ちょっと待ってくださいよ!!」

 

「快、言いたいことはわかる。でも俺もこの規模の爆発を止めるにはこうするしかないんだよ。この爆弾の規模はかなり広いんだよ。」

 

「くっ……。」

 

「一つ聞きたい。」

 

「どうした絢斗?」

 

「必ず、生きて帰ってこい!!」

 

「ああ!!」

 

けど悪いな絢斗、それは無理なんだよ。

 

「俺は先に行ってる。」

 

「彰、お前も生きて帰ってこい。聞きたい事があるからな。」

 

「へーへー。」

 

そう言い彰はアラームのなっている爆弾の方へ向かった。

 

「どうなってるんですか?」

 

「急いでここから離れるぞ!!」

 

「そんな!!聖人は!!?」

 

早苗は俺の事を心配してくれてるのか。嬉しいけど、未練が残るからやめてくれ。

 

「行きましょう早苗さん。」

 

「嫌!!」

 

「早苗、わかってくれ。」

 

「絶対嫌!!」

 

「早苗、行くわよ。」

 

「嫌ですよ!!やっと会えたのにまた離れるなんて嫌ですよ!!」

 

「諦めなさい、早苗。」

 

「!!!」

 

早苗の隣に紫が来たか。好都合、皆連れていってくれるかな?

 

「紫!!いつの間に!?」

 

「私のスキマで皆を連れていくわ。それでいいわね聖人!?」

 

「ああ。」

 

紫、サンキューな。

 

「わかったわ。皆!!」

 

霊夢は説明し、皆をスキマに入れた。一人一人スキマに入るとき、俺を見たがすぐに入っていった。決心が早くて助かるな。

 

「…………。」

 

けど、早苗はその場から動こうとはしなかった。

 

「早苗……。」

 

「私も残ります。」

 

「駄目だ早苗!!」

 

「けど、もう離れたくない!!」

 

「………………。」

 

良太は早苗を担いだ。恐らくこれ以上時間を掛けられないのと、良太も早苗と同じ気持ちだからかな?

 

「ちょっと、離してくださいよ!!」

 

「悪いけどそれは出来ません。」

 

「殴りますよ、蹴りますよ!!」

 

「……好きにしてください。」

 

そう言い良太は俺の方を向いた。それにしても、大きくなりやがったな。

 

「兄さん……。悔いはないんですね?」

 

悔いはありまくりだ。けど、もういいや。

 

「良太、絢斗、快、このあとは任せたぞ。」

 

「わかった。」

 

「兄さん、わかりました。俺が、俺達がなんとかします!!」

 

「じゃあな聖人。」

 

そう言いスキマの中に入った。

 

早苗は最後に俺を見た。その顔はとても悲しみに溢れていた。けど、こっちは笑顔で別れを告げよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、元気でな。

 

 

俺は笑顔でそう言った。そのあとスキマが閉じた。

 

「いやああああああああ!!!!!」

 

スキマの中で早苗の叫び声が響いた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あと30秒か。」

 

今までいろんなことがあったな。いきなりこの世界に飛ばされて、いろんな異変に巻き込まれて、楽しいことばかりではなかったし、死にかけた事も多々あった。傷つき悲しませたこともあったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界はあの世界よりは凄く楽しかった。あの世界では学べなかったことをたくさん学べた。人の暖かさを感じれた。

 

「(けど、やっぱりまだ皆を避けているな。)」

 

俺は苦笑いをした。もし、戻ってこれたら性格を変えようかな。

 

「この世界は腐ってる!!邪魔すんな!!」

 

「いいや、邪魔してやる!!腐ってると思ってるのはてめえが勝手に思ってるだけだ!!」

 

確かにこの世界は腐ってる。罪のない人を殺したり利益の為に争いをするけどな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな結果で終わらなくてもいいはずなんだよ!!

 

 

3……2……1……

 

 

爆弾は爆発した。

 

「おおおおおおおおおおおお!!!!」

 

俺は巨大な爆風に吹き飛ばされないように、踏ん張りながら爆発が広がるのを抑える。

 

「消させるかよ!!これ以上、罪は作りたくないんだよ!!」

 

そう思い、必死に抑える。けど、だんだん目が閉じてくる。それと同時に爆発も小さくなってくる。霊力等を使い、過ぎた。

 

「抑えることは出来たけど、戻るのは無理そうだ。早苗、元気にやっていくんだぞ。」

 

ははっ、こんな、結果で、終わる、なんて、な。情け……ねえや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるところ

 

 

「ちい、使えないやつだ!!」

 

「まあまあ、聖人を殺せただけよしとしましょうよ。」

 

「それもそうだな。 しかし残りはどうする?」

 

「それは時間を掛けて殺す作戦を考えましょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから半年後

 

あのあと霊夢達は博麗神社に飛ばされた。皆スキマから出たときに聖人のいたところが爆発した。しかし、爆発音がしただけで爆風は来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあと宴会が開かれたが、皆笑顔だったが、楽しんでる者は少なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、人里に墓が建てられた。

 

それは幻想郷を救った英雄、泊谷 聖人ここに眠る。その墓の前に立っている人がいた。

 

「あれから半年がたったんですね。」

 

早苗は墓に向かって話しかけていた。

 

あのあと爆発したところは白玉桜ではなく、普通の森だった。爆発跡を調べたところ、聖人が使っていたグローブが発見された。彰の遺体は発見されなかった。そのグローブは今、早苗がつけている。

 

「聖人のお陰でここは平和ですよ。」

 

早苗はそう呟いた。あのあと異変もなく、皆平和に暮らしていた。

 

「早く、早く戻ってきてくださいね。」

 

そう言い早苗は墓をあとにした。早苗が去った後、墓に添えてあった花が何処かに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一部 完




小説家になろうで出している方と部の終わりは変えています。
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