東方外遠記   作:宗也

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第54話

「くっ!!」

 

「どうしたの?私を退治するんじゃなかったの?」

 

今弾幕勝負が始まって10分しか経っていない。けど追い込まれているのは早苗だ。

 

「ここまで強いなんて。」

 

「私達は通常の人と比べて頑丈なのよ。そこを考慮しておくべきだったわね。」

 

「くっ、秘術 グレイソーマタージ!!」

 

早苗から星の形をした弾幕が現れ、天子に向けて放ったが天子は慌てずに。

 

「甘いわね。要石 天空の霊石!!」

 

天子はスペルカードを唱え、早苗の弾幕を相殺した。

 

「そ、そんな!!」

 

「よそ見してる暇はあるのかしら?」

 

「どういう、きゃあ!!」

 

早苗の後ろから要石が降ってきた。

 

「ほらほら、避けないと当たるわよ!!」

 

「くっ!!」

 

早苗は必死に避けている。しばらく避けているとスペルが終わった。早苗は終わった隙を狙っていた。

 

「 奇跡 神の風!!」

 

早苗は今自分が使える中で一番強いスペルを使った。だが天子は。

 

「へぇ!!なかなか濃い弾幕ね。」

 

早苗のスペルは天子に直撃した、そう思ったが、弾幕が天子の持ってる剣に吸い込まれていった。

 

「この”悲想の剣“の前じゃ無駄よ。」

 

そう言い早苗に向かって斬りつける。早苗は残り少ない体力でなんとか避けていたが。

 

「(このままじゃ当たる!!)」

 

「後ろがおろそかよ。」

 

そう言い天子は要石を早苗の後ろから当てようとした。

 

「(これはよけれる!!)」

 

早苗はそう思い、要石をよけた。しかし、避けた先で天子が待ち構えていた。

 

「はい、お疲れ。」

 

「しまっ!!」

 

そう気付いた時には遅く、天子が剣を横に振るった。

 

「きゃあああ!!」

 

早苗の脇腹に当たった。傷は深くはないが、行動を無くすのには充分だった。

 

「はあ、はあ……。」

 

早苗が痛みを堪えてなんとか立ち上がると。

 

「まあ、こんなものよね。」

 

天子が剣を振り回しながら早苗に近づいた。

 

「まだ、終わって、ません!!」

 

「そう? なら。」

 

ザシュ!!

 

「これならどうかしら?」

 

「きゃああああああ!!」

 

天子は早苗の肩を斬った。

 

「はあ、うっ……。」

 

早苗は倒れたが、気絶するのを辛うじてこらえた。

 

「所詮はこんなものよね。」

 

天子は早苗に近づいた。早苗も抵抗しようとするが、力がうまく入らなかった。

 

「バイバイ。」

 

天子は早苗の体目掛けて剣を降り下ろそうとしていた。

 

「(ああ、私、ここで死ぬんだ。そういえばこんな状況前にもあったな。)」

 

早苗は昔のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗が高2だったころ

 

早苗は周りの生徒からいじめられていた。その理由は簡単だった。

 

「あいつきもいよな。」

 

「ほんと、なんで緑色の髪してんだろうな。」

 

「おまけに神様が見えるだって?」

 

「何? 自分は特別だって?アニメの見すぎじゃねえのか!?」

 

「マジうけるんだけど!!」

 

毎日このような悪口を言われていた。確かに私は他の人より変わっていた。髪色は緑色で、私だけ神様が見えていた。たった、それだけなのに。

 

私はいつも通り学校に行き、悪口をいわれ、お金などを盗られたりしていた。

 

その帰り道

 

「ちょっと~早苗?」

 

いつも私をいじめてくる女が話しかけてきた。

 

「お金ちょっと足んなくてさ~。あんたの金ちょうだい。」

 

「嫌です。」

 

「あんたどの口で言ってるの?」

 

そう言い女は私を殴ってきた。これもいつもの事。私は耐えるしかないんです。

 

「っ!!」

 

「痛い目見たくなければ金を寄越しな!!」

 

これもいつも通り。けど、今日はちょっと違った。

 

「それはこっちの台詞だ。痛い目を見たくなければ大人しく去るんだな。」

 

女の後ろにどこかで見たことある男の人がいました。

 

「あ?あんた誰?何様のつもり?」

 

「お前こそ何様?」

 

「っ!!」

 

突然現れた男の人に鋭い目付きで睨まれてました。やっぱり何処かで見たことある。

 

「お、覚えてな!!」

 

そう言い女は逃げていきました。

 

「大丈夫かい?」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

私は謎の生徒にお礼を言った。でもどこかで見たことがある気がする。

 

「そういや名乗ってなかったな。俺は、まあ聖人でいいや。よろしくな。」

 

「本当に聖人くん!?」

 

「そうだよ。ひさしぶりだな。」

 

「どこ行ってたんですか!?」

 

「まあいろいろあったんだよ。」

 

本当に聖人君のようです。夢じゃないですよね?中学に上がるときに突然いなくなったのに。

 

「でも何で助けてくれたんですか?」

 

私は一番そこが気になった。私を助ければいじめグループに目をつけられるのに。

 

「俺はああいうのは嫌いなんだよ。たいして強くもないやつがああやって偉そうにしてるのが。」

 

私はこの考えに驚いた。

 

「でも、それは俺の単なる自己満足なんだよな。」

 

「何か言いましたか?」

 

「いや、なんでもない。とりあえずあいつらは説得しとくよ。あ、ちなみに明日からこの学校にくるからな。」

 

そう言い去っていった。

 

私は胸のどきどきが止まらなかった。もしかしたらこの時点で好きになっていたのかもしれない。

 

「(ひさしぶりにあったけど変わってないね。むしろかっこよくなってる!!)」

 

その翌日、悪口は一切言われなくなった。

 

私は気になったのでクラスの子に聞いてみた。

 

「何で悪口を言わないの?」

 

「それは聖人くんがね。」

 

「人をいじめて何が楽しいんだ?早苗も同じ人間だろ。皆仲良くしようぜ。」

 

「最初は私も耳を傾けてなかったけど、よくよく考えてみると、いじめたのがなんかおかしいと思ったんだよね。」

 

「そんなことが……。」

 

「でも最初は誰も聞いてくれなかった。けど、それでも聖人くんは伝えようとしていたの。それを見て間違っていたんだ、と気付かされたの。」

 

「そうだったんだ。」

 

「早苗顔赤いよ。もしかして、彼のこと好きになったの?」

 

「そそそそそんなわけななないです!!」

 

「おー照れてるね。」

 

「ち、違うって!!」

 

こうして私はしばらくは楽しく過ごしていた。

 

そしてある日の昼休み。

 

「早苗。」

 

いじめグループの女が話しかけてきた。この人はしばらく大人しくしていた。

 

「なんですか?」

 

「早苗さあ、最近調子こいてるよね?放課後廃墟ビルまできな。もし来なかったら聖人とかいうやつをどうしようかな~。」

 

「聖人くんは関係ない!!」

 

「じゃあ来な。」

 

そう言い女は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃墟ビル

 

「来たね。」

 

「ここに呼んで何の用があるんですか!?」

 

「それはね、こうするためさ!!」

 

「きゃあ!!」

 

何かを当てられた。何?体に力が入らない……。

 

「何を、したんですか!?」

 

「それは、教えないわ!!」

 

そう言い殴ってくる。避けたいけど、体に力が入らないから避けられない……。

 

「おらあ!! 調子のりやがって!!」

 

「きゃあ!!」

 

私はいじめられている女に殴られ続けた。助けを呼ぶにも見張りの男が5人くらいいるし、殴られ続けているので声も出なくなってきた。

 

「うっ……。」

 

「まだ足りないよ。おい、お前達!!」

 

そう女は言い、男を3人連れてきた。

 

「こいつを縛りな!!」

 

「へへ、抵抗するなよ。」

 

「やめてよ!! 触らないでよ!!」

 

私は涙声でそう訴えたけど、聞いてくれなかった。

 

「おー泣いてるね。いじめがいがあるもんだ。」

 

「だから触らな「はいはい黙れ」んっ!!」

 

口をタオルで塞がれ、手と足を縛られた。

 

「みっともない姿だこと。ふふふ、間抜けね」

 

「んーーーんーー!!」

 

口を塞がれているため声が出なかった。お願い、誰か来て!!

 

「さて、そろそろメインイベントだよ!!」

 

「やったぜ!!」

 

「こいつにこの世界の厳しさを教えてやれ。」

 

「へへ、悪くおもうなよ。」

 

「!!!」

 

男は私の服を掴み脱がそうとした。じたばたして抵抗したけど、意味なかった。

 

「(ああ、もうだめなんだ。)」

 

私が諦めかけた時、遠くから物音が聞こえてきた。

 

「なんだお前?」

 

「つまみ出、ぎゃあああ!!」

 

「何なの、これからいいところなのに。」

 

見張りの人を吹き飛ばした人が中に入ってくる。あれは、まさか!!

 

「誰だてめえ?」

 

「廃墟ビルってここであってるな?」

 

そこには聖人君がいた。でもどうして?

 

「んーーんーー!!」

 

聖人は私に気付いたのか笑顔で返してくれた。

 

「もうちょっと耐えてくれよ。」

 

そのあとすさまじい殺気を出し、女の所に向かっていった。

 

「覚悟は出来てるんだろうな?てめえらのやってることは犯罪だぞ。」

 

「それはあんたの方だよ。」

 

女が指を鳴らすと30人くらいの武装した男が現れた。

 

「この数でも強がるかい?」

 

「くそったれだな。てめーらは生きる価値ねえよ。」

 

「はっ、お前達やってしまいな!!」

 

一斉に聖人に襲いかかった。

 

しかし、

 

「うわあああ!!」

 

「ぎゃあああ!!」

 

聖人は攻撃をかわし一人一人吹き飛ばした。しかも私のいないところに。けれど人数が多すぎるために反撃も喰らっていた。

 

「おらあ!!」

 

「ぐっ!!」

 

聖人は吹き飛ばされた。って吹き飛ばした人が持ってるのバットじゃないですか!

 

「なかなかやるね。まさかあと5人まで減らされるとはね。」

 

聖人君、大丈夫だよね?

 

「勝手に終わらすんじゃねえよ。」

 

聖人君は血まみれになりながらも瓦礫をよけて立ち上がった。

 

「ちっ、しつこいやつだ。とどめをさしな!!」

 

男が襲いかかったが聖人君は攻撃をくらいながらも倒していった。

 

「なっ、そんな!!」

 

「どうする?続けるか?もう二度と早苗をいじめないというなら見逃してやる。けど、もしいじめたらぶっとばすからな。」

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

女は逃げていった。

 

「さて、止血っと。」

 

聖人君は包帯をまいた。

 

「っと、忘れるところだった。」

 

聖人君は私の口からタオルをはずし、縄をほどいてくれた。

 

「聖人君!!」

 

私は聖人君に抱き付いた。

 

「いたたた!!!急にびっくりするなぁ。」

 

「どうして私がここにいるってわかったんですか?」

 

「何か嫌な予感がしてな。クラスの人に聞いたらここに連れてかれたってきいたからな。慌てて来たんだよ。」

 

「そうだったんですか。」

 

「でも、無事で良かったよ。」

 

そう言い聖人君は倒れた。って大丈夫なんですか!?

 

「大丈夫ですか!!」

 

「ちょっと疲れただけだ。さあ、かえ、るぞ。」

 

そう言い聖人君は気を失った。こんなボロボロになってまで、私のために戦ったんですね。

 

「ありがとうございます。」

 

そう言い私は聖人を抱き締めた。そして唇にキスをした。

 

「大好きですよ。昔と変わらない聖人が大好きですよ。」

 

そう言い私も気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(けど、もう聖人はいない。)」

 

「泣いて許しを願っているのね?残念。 もう遅いわよ。」

 

「(出来ればもう一度聖人に会って私の気持ちを伝えたかった。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やれやれ諦めるのか?)

 

あれ?どこかで聞いたことある声?

 

「(違う、もう眠いんです……。)」

 

(全く、そんなんでいいのか?異変を解決するんじゃなかったのか?)

 

「(無理だよ。私にはどうすることも出来ない。)」

 

(やれやれ、手間のかかるやつだな。でも、今の状況はあの時と同じか。)

 

「(その声、まさか!!)」

 

(でも、よくやったな。よく堪えたな。あとは任せな、俺がなんとかしてやるから。)」

 

「(はい。)」

 

そう聞こえ、私は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目を閉じたのね、諦めがついようね。」

 

そう言い天子が剣を振り下ろそうとすると、いきなり早苗のつけていたグローブが光だした。

 

「な、何よこれ!?」

 

天子は距離をとる。

 

「(まさか、光を使って逃げたのいうの?)」

 

そう天子が考えていると、光から人影が見えてくる。

 

「随分とただの我が儘な箱入り娘が調子に乗ってるみたいだな。」

 

「男の声!?何が起きてるの!?」

 

光がなくなるとそこにはある人物が立っていた。

 

「なっ!!あんたは死んだはず!?」

 

「俺のことを知ってるのか。まあ、あの異変は有名だしな、さてと。」

 

その人物は刀を抜き、冷酷な声で叫ぶ。

 

「随分と調子乗ってるようだな。天人風情が!!」

 

「どうして!?どうして生きてるのよ泊谷聖人!?」

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