東方外遠記   作:宗也

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第55話

霊夢side

 

私は確かに見た。早苗があの天人にやられる姿を。

 

「早苗!!」

 

私は遠くから呼び掛けた。けど、反応してくれなかった。

 

「これは不味いんじゃないですか?」

 

「だね~。」

 

「しっかりしなさい早苗!!」

 

しかし私が遠くから呼び掛けても反応はしなかった。そしてあの天人が止めを差そうとしたとき、不意に早苗が光始めた。

 

「何が起きてるの!!?」

 

「わかりませんよ!!」

 

「こいつは、まさか!!」

 

光が収まった時に人が見えた。あの姿は!!

 

「う……そ。」

 

「どうして……?」

 

「こりゃ、たまげた。」

 

死んだはずの聖人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖人side

 

「さて、殺られる準備はいいか?」

 

俺は今早苗を殺そうとした天人と対峙している。早苗はどうしたって?守矢神社に置いてきた。

 

「ただの人間に何が出来るのかしら?あの娘みたいになるわよ?」

 

天人は俺に挑発してきた。恐らく早苗のことだろう。

 

「ふーーーん。」

 

別に挑発に乗ってもいいが、そんなことして力を無駄に消費したくないしな。

 

「今逃げるなら見逃すわ。まあ、あの娘が無事だとは思えないけどね。」

 

この天人は随分と生意気だな、恐らく世間知らずなんだろう。

 

「遺言はそれだけか?」

 

「何を?」

 

あのくそ天人が何かを言いかけようとする前に俺は刀を振るう。

 

「ッ!! いきなり何なのよ!?」

 

天人はギリギリのところで回避しやがった。まあ、当たるとは思っていなかったけどさ。

 

「てめえの戯れ言は聞き飽きた。だから本気で相手してやる。」

 

さて、久しぶりだから出来るかねぇ。とりあえず一本の刀を能力で造り出しとくか。

 

「剣が一本増えたところで!!」

 

天人は俺に向かって石みたいな物を投げつけてきた。俺はそれを右に移動して回避したが、天人の顔は笑っていた。

 

「隙あり!!」

 

俺が回避した直後を狙って剣を振りかざしてきた。見え見えなんだよ、余裕で刀で防げる。

 

「ふーん、やるね。」

 

まあ距離は取っておくか。ん?刀は今にも折れそうだった。4割くらいの霊力でつくったんだがな、あの剣が何かしたか……。

 

「降参する気になったかしら?」

 

まるで自分が最強と思い込んでるみたいだな。まあいい、こういうやつには少しお灸をすえないとな。

 

「降参しないのね、なら!」

 

そう言うと俺に向かって剣を斬りつけてきた。しゃあない、真桜剣を抜き攻撃を捌くか。力はあるようだが、素人の動きだな。出鱈目に剣を振り回してるだけだ。

 

「けど、力勝負になったら勝てる気がしないな。」

 

「防いでばかりじゃ勝てないわよ!」

 

俺がまだ手加減していることにも気付かないのか……相手の力量も測れないのか。なら、そろそろ行きますか。

 

「一本目。」

 

俺は左手に風の剣をつくった。

 

「さて、行きますか。剣符ダブルブレイク!!」

 

俺はその場から跳躍して、天人に向かって2つの刀を振り落とした。解説するとこのスペルは俺の中では珍しい力勝負のスペルだ。単純に上から斬るというスペル。

 

「そんな攻撃避けれ……あれ!?体が動かない!!」

 

そんな上から斬るだけの攻撃なんてしねえよ。上に上がる前に天人の体に拘束用の結界を張ったんだからな。まあ、それを抜け出しても跳躍した後高速で落下しているから、避けるのは難しいと思うがな。もし、避けないで防ごうとするなら、凄まじい力が来るだろう。

俺は力はないが、重力を利用すればこういうこともできる。

 

解説が長くなったな。あの天人は避けないで防ごうとしている。結果は、言うまでもないか。俺に叩きつけられて地面に埋まってるよ。

 

「痛いじゃないの!!」

 

……そう言えば天人は頑丈なんだっけ?見た限り、あまり負傷はしてないようだな。やれやれ、面倒くさい。

 

「こっちだって使うんだから! カナメファンネル!」

 

そう言って、たくさんの要石?みたいなものを投げつけてきた。回避するは出来なくもないが、何にせよ数が多い。避けるのが面倒になってきた。

 

「仕方ない、使いますか。」

 

2本目の刀をつくる。ちなみに雷の剣だ。雷の剣と風の剣を左手の指に挟めて、要石をすべて斬った。

 

「嘘ぉ!?」

 

天人は驚いたようだが、これ以上長く続けたくないので俺は、次に進もう。

 

「三本目!」

 

水の剣をつくり、左手の指に挟めた。さらに真桜剣の刀身を炎が纏うようにした。

 

「なんなのよ!!なんなのよそれは!?」

 

「これが俺の剣のスタイルだ。」

 

「ふん!!いいわよ、こっちも全力でいくわよ。剣技 気炎万丈の剣!!」

 

そう言い天人は剣を振るった。まだまだだな。

 

「さあ覚悟しなさい!!」

 

さっきよりも速度は上がったが、ただ剣を振り回してるだけだな。そう分析しながら4本の刀を使って攻撃を捌く。

 

「……それだけか?」

 

「どうして当たらないのよ!?」

 

そう言って突きをしてきた。それを真桜剣で天人の剣を弾く。まだまだ生温い。

 

「なっ!!」

 

出来た隙を見逃さず、左手の刀で乱舞をする。と言っても、2本使って相手の動きを制限して残りの1本で攻撃してるけどな。

 

「ッ!!」

 

しかし満足にダメージを与えた気がしなかった。

 

「どんだけ堅いんだよ……。」

 

「他の人間と違うのよ。これで止めをさすわよ!! 全人類の緋想天!!」

 

そのとき地面が揺れ始めた。結構大きいな。

 

「とどめ!!」

 

天人は今まで以上のスピードで突進してきた。自分は地震の影響を受けないのか。

 

「そこそこだな。」

 

スピードはそこそこあるな、体勢は崩れたが、4本の刀で突進を受け止める。

 

「嘘!!」

 

天人は突進を止められたことに驚いていた。

 

「そういう技はもっと助走をつけたほうがいいんじゃねえの?」

 

「言われなくても!!」

 

天人は距離をとり、再び突進しようとする。罠だとは知らずにな。

 

「間抜けだな。」

 

さて、とどめのスペルカードを取り出すか。

 

「秘技 烈空波。」

 

刀を全てしまい、居合いの構えをした。天人は突進してきた。自分に突進が当たる直前に刀を前に出し、波動を出す。

 

このスペルは突進系には凄く相性がよく、力さえ負けなければ逆に吹っ飛ばす事が出来るからな。今は霊力を最大にしてあるからあの程度の突進なら負ける気がしない。

 

「え、ちょうだきゃあああ!!」

 

突進を返され天人は空に投げ出され落ちていった。追加として、波動をくらったら少しの間動けなくする効果もある。

 

「……ふう。」

 

霊力にリミッターをかけ直してと。かけ直すのが面倒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえー意外と強いのね。」

 

「!!!」

 

俺の前に見知らぬ女性が立っていた。こいつ、なかなかだ。俺は今までに感じた事のないオーラに後退りした。

 

「はあーい、元気?」

 

「……は?」

 

フレンドリーに話しかけてきたので、思わず変な声が出てしまった。

 

「誰だ?」

 

「私?私はアイリスよ。あんたが思っていたより強そうで安心したわ。」

 

「で、何の用なんだ?」

 

「今日は顔を見に来ただけよ。じゃあねーー!!」

 

そう言いアイリスは去っていった。何しに来たんだ?

 

「考えても仕方ねえか、とりあえずは、ここから離れるか。」

 

8ヶ月振りの幻想郷、皆に会うのが気まずいな。

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