この世界はスーパーロボット大戦α外伝に似た世界である。
あくまでも似た世界であって、同じ世界ではない。
そもそも原作にEDFは存在せず、巨大生物による蹂躙はなかったし、空一面が円盤で埋め尽くされる事態もなかった。イージス計画は不完全に終わり、地球圏を襲う重力波が星々を破壊し尽くした結果、九割九分九厘の人類は滅ぶのである。
ところが12004の転生した世界では事情が違う。プレーヤー側勢力であるプリベンターとエネミー勢力にあたるティターンズが派手にドンパチやらかした後に未来世界へワープ後、残された戦力がイージス計画の発動に向けて動き出したところで、フォーリナーが全戦力でもって来襲したのだ。地球側がろくに抵抗できない瞬間をとらえた最悪のタイミングである。
結果、フォーリナーが重力波の7割強を肩代わりすることになった。
彼らの不幸は転送装置からの出現先と時間指定のチョンボだった。よりによって今まさに重力波がやってくる地球のはるか上空を埋め尽くすという、最悪のタイミングで外宇宙からこんにちはしてしまった彼らの運命はどこまでも悲惨である。迫り来る熱波と乱気流と放射線ダメージを一手に引き受ける羽目になり、それでも混乱の中で展開した電磁バリアーは優秀だった。
あるいは優秀過ぎたのかもしれない。
『&%$#&%#!?』
『!$?~~~!!!!』
宇宙船および円盤下部のハッチから巨大生物その他殺戮兵器を投下しながら上部でバリアーを最大出力という、フォーリナーもかつて経験しなかったであろうてんやわんや状態は時間にして12分を計測。本来なら一瞬で地表を焼き尽くすはずだったのを考慮すれば、奇跡のような時間を彼らは稼いでくれた。ありがとうフォーリナー! 地球の未来はまだ残されている!!
『~~~~~~~~~~#!』
13隻が確認されたマザーベースの内1隻が爆発四散したのを皮切りに、隣接する戦艦もまた大破炎上、それに巻き込まれる形で高速艇も搭乗する兵士ごと燃え尽きる。なお与太話ではあるが、フォーリナー出現からわずか一時間の内に、一年戦争で発生した数を上回るスペースデブリが誕生したという。
「……いったい何だったんだろうね、彼らは?」
最後のマザーベースが宇宙に散るのを見届けた地球圏統一国家大統領ブライアン・ミッドクリッドは、首をかしげながら対応を急がせるのだった。
結論からいえば、文明は崩壊した。
フォーリナー全艦隊の展開した多重電磁バリアーをもってしても重力波すべては防ぎきれず(そもそもバリアー展開自体が偶然なのだが)、地球の被った損害は甚大を超えて回復までに数世紀を要する。シェルター等に収容された人々を除いた人類は壊滅し、世紀末とはまさにこれだといわんばかりの景色が広がった。
重力波襲来の直前に投下された謎の巨大生物群……虫等に酷似したそれらも異常な耐久性によって生存し、無数の群れを形成して地球全土に繁殖。いっさいの交渉が成立しない、まさに人類共通の敵となった。
なお、こいつらが地下に巣を作る習性のせいでゲッターロボの爬虫人類達は絶滅の危機に陥り、原作よりも早期退場が確定である。あまりにも運がなさすぎた。
……パルマー戦役にて地球を守った戦士達の大半は未来世界へとワープしたために存在せず、残された人々は限られた戦力でもってフォーリナーの残存戦力と交戦。いつ終わるともしれない争いが、数十年の長きに渡って続けられている。
未来は暗い。
だが、それでも。
人類は今日も生きている。
283:12004
『防衛設備セントリーガンの配備率20%。稼働チェック終了済』
『オートマタによる食料生産工場は実現の目途が立っています』
『中長期物資管理バランスに0.25%の相違が見られます』
『プル・オルタがおねむの時間です。寝かしつけてください』
『本日のディナーは合成チキンバーガーにバニラプリン。食材チェックをお忘れなく』
『弾薬生産過程にエラー発生。プロフェッサーが対応中』
『南部エリアにセンサー感。ただちに駆除へ向かってください』
おかしい……オートメーション化したのに仕事が増えている……
私は人手不足を解消するつもりでタスクを増やしたのか?
284:転生すれば名無し
科学が発展したら使いこなす人間の負担も比例するっていうし
285:転生すれば名無し
着実にブラック社畜の道を歩んでるな
286:転生すれば名無し
原作のシャア自体が何でもこなす奴だからなぁ……
287:転生すれば名無し
問題なのは増やした仕事量じゃなくて全部こなすイッチ自身やぞ
潰れる前にプロフェッサーと相談して調整かけろマジで
マルチタスクを全部全力でこなしてどうするんや
288:転生すれば名無し
さては前回のハイテンションのままスケジュール組んだなこいつ
☆人物・舞台説明
〇12004
このあとぐっすり休んだ。
〇プル・オルタ
一日8時間の睡眠と2時間のお昼寝が成長に繋がるというプロフェッサーの教育に従っている。
〇ブライアン・ミッドクリッド
スーパーロボット大戦OGから出張。地球兼統一国家大統領という重職に似合わない身軽なフットワークと軽妙なトークで登場人物達を煙に巻きながら職務を果たす。さすがの彼も出オチで退場する敵の組織には初めて遭遇した模様。
おしまい