EDF先進技術研究所・分室。
かつて旧西暦のアメリカ合衆国ネバダ州にて一千回以上の核実験が行われたネバダ核実験場をベースとして、新西暦には地下ロケット発射場となり、パルマー戦役では秘密裏にシェルター機能が追加された地下巨大施設である。
地上面積は約3,496㎢。徒歩では到底把握しきれないため、転生して初日の12004は発射口近辺のみをテリトリーとした。翌日早朝に入口のロックを開けた瞬間巨大蟻のダイレクトエントリーをくらったことで思いを改め、10㎢まで領域を拡大。バイクを足にしてからはさらに広げていった。
そして現在。プロフェッサーのアドバイスを受けながら防衛施設のオートメーション化を進めたことで、拠点の地上部は自動識別カメラを搭載した四足歩行型タレット、通称セントリーガンが複数巡回し、巨大生物を発見次第に動きが止まるまで射撃するようになった。
文句ひとついわず健気に働くセントリーガン達のおかげで12004にかかる負担は大幅に改善され、涙も流さんばかりの勢いで一体ずつメンテナンスするほど喜んだのだが、問題は向こうからやってきた。
どうやら巨大生物にも知恵のまわる個体がいるようで、大幅に下っ端の数を減らした地域があると警戒してか、押し寄せてくる数が倍化。しまいには襲撃のたびにキング・クイーン級が見張りにやってくる始末である。
終わらない労働の果てに、12004はキレた。
『仕事の時間だよ、12004』
『君が向かうのはインディアン・スプリングス。付近には旧西暦時代クリーク空軍基地と呼ばれた飛行場施設がある、小さな町だ』
『一年戦争からパルマー戦役にかけて、連邦軍の物資集積場も兼ねた反攻拠点として使われていた。人口は500人程度だったが……崩壊後には無人となった。原因は言うまでもないだろう?』
『余った資材を活用してドローンを飛ばした結果、巨大生物の群れのひとつはここを巣にしているのがわかった』
『確認できただけでキング・クイーン級が三体。構成は黒蟻・赤蟻・蜘蛛の混成だ』
『……12004。君が目覚めてから十日が経った。これまではテリトリーに侵入してきた敵を迎え撃つディフェンスに徹してきたが、今回は違う。君がオフェンスになる番だ』
『プル・オルタのおかげで分室の防衛は問題ない。存分に暴れてくれ』
『準備は一任するよ』
311:転生すれば名無し
そういえば、イッチの扱いって何?
クローンだけどニュータイプ? それとも強化人間?
312:転生すれば名無し
シャアのクローンでさらに強化されてるからなぁ
全部?
313:転生すれば名無し
α外伝のプルはニュータイプでプルツーは強化人間やった
てことは強化人間が一番近い
314:転生すれば名無し
プルツーって後天的に内臓を増やされたりしてんのよな
モビルスーツ操作時の対G限界を上げる名目で
315:転生すれば名無し
どっかで見たが、F1レーサーが最大速度でコーナリングする時の対G数値が6や
戦闘機よりはマシやけど全身にかかる負担がハンパない
下手したら首の骨がイカれるで
316:転生すれば名無し
そんなもんかぁ
……ところで、いまのイッチって時速いくらで走ってると思う?
317:転生すれば名無し
100は超えてますね……
318:転生すれば名無し
知りたいか?
生身でも60km/hで走るやつが
軽量型リキッドスーツで50%加速した上で
無理矢理アンダーアシストも着込んでさらに100%上乗せや
最低でも150km/hやね(ニッコリ)
319:転生すれば名無し
イッチを生み出した奴は頭がおかしい(確信)
320:転生すれば名無し
逆にいうと、これぐらいやってのけないとソロで無双なんて不可能やねん
ちんたら走ってたら一瞬で360度囲まれてお陀仏よ
じゃけん超高速で走り回って横一面だけ相手にし続けましょうね
321:転生すれば名無し
ライフルを左側面に向けて右腕固定で撃ちながら左腕で射角調整
マガジン交換が終わったら90度方向転換してまた突っ走る
4回繰り返す内に敵は半減しているので幅を狭めてもう一周
322:転生すれば名無し
ね、簡単でしょ?
323:転生すれば名無し
ボクの考えた最強に脳筋な戦法を形にするんじゃねぇ!!
324:転生すれば名無し
これが一番効果的なんですよ
原作でも留まってる暇があったら動けって攻略法だし
325:転生すれば名無し
宇宙世紀の野獣「動け! 機動兵器が動かずして何をするか!!」
326:転生すれば名無し
すいません、そいつ一応は人間のカテゴリーなんです
327:転生すれば名無し
うわっ、地中から巨大蜘蛛が出やがった!!
328:転生すれば名無し
やばいやばいやば
329:転生すれば名無し
『見え透いた敵意だな!』
330:転生すれば名無し
全体重を乗せたシャイニングウィザードがいったぁーーーーー!!
331:転生すれば名無し
さらに蜘蛛君を踏み台にして方向転換!
332:転生すれば名無し
やりたい放題だなこいつ
一匹撃つだけで悲鳴が響く。
十匹殺すたびに憎悪が増す。
百匹斃すほどに怨嗟が轟く。
一寸の虫にも五分の魂が宿るという。ならば人間の数倍にもなる巨大生物の魂はどうなる? 人間と等しいのか、あるいは数倍か。宗教が勢いを止めた新西暦には問いかける者すら絶えて久しい。
だから、己を取り巻く暗黒の思念体の正体は、誰もわかるまい。
『ヤメロ』
『イタイ』
『ヒドイ』
人間のような声帯もないくせに、脳裏へ叩きつけてくる聲だけは明瞭だ。ニュータイプの感応力など、害虫駆除には害でしかない。なまじ理解させられるせいで隙を生む。きっと何人ものニュータイプ候補者達がやられたのだろう。
千匹を数えたあたりで、空一面を覆うほどの悪意が顕在化した。
『シネ』
『コロス』
『クッテヤル』
『オマエヲ』
『シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウクラウ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ喰ッテ』
「寝言は送信料を払ってから伝えるがいい!」
試作型を経て完成した大口径スナイパーライフル・ライサンダーが悪意の核を貫いた瞬間、それまでの悍ましさが嘘のようにひいていく。入れ替わる形で姿を見せた三体のキング・クイーン級に舌打ちしてから、12004は口元を歪ませた。
「相も変わらずやかましい……だが、無視するコツは掴めた。聞きたくもないチャンネルはOFFにしろという教訓だな」
●戦果報告
・インディアン・スプリングス地域を解放。セントリーガンおよび各種センサーを設置の上、地中の巣穴に向けてドローン数機を放つ。
・拠点周辺の巨大生物群が半減。他エリアへの遠征を考慮に入れるべきと判断。
・12004に負傷は無し。巨大蜘蛛への膝蹴りの際、スーツの耐久性に不備を確認。さらなる改良が求められる。
☆人物・舞台説明
〇12004
実は結構メンタルに小さくないダメージが重なっていた。シャア・アズナブル由来のニュータイプ感応に『輪廻転生を経験した者』特有のテレパシーが働いてしまい、駆除した敵の声を聞きやすくなっていた……が、「別にわざわざ聞かなくてもいいじゃん」とチャンネルをOFFにする感覚を掴む。帰還してすぐにプル・オルタにも伝授した。
〇プル・オルタ
12004の適当な教え方でもコツを掴んだ感覚派の少女。戦闘中のボイスを聞いて「そうしんりょうってなーに? じゅしんりょうもあるの?」とボケをボケで返された12004は曖昧に笑ってやり過ごした。
〇プロフェッサー
旧西暦のネタを知っていたので12004を慰めた。
おしまい