「信じられない……明らかに巨大生物の数が減っている」
「ベガスを出てから二時間、群れからはぐれたような奴しか出てこない。いったい何があったんだ?」
大型武装キャリアーの銃座で警戒態勢を取りながら、斥候役の兵士が呟く。その足元でマガジンの弾数チェックに勤しむ同僚もいぶかしんでいた。
旧西暦のネバダ州はアメリカで二番目に山が多い上に、砂漠だらけで農業が発展しない。ゴールドラッシュによるバブルも終わり、カジノ産業に転換してもほとんどは観光客相手のビジネスが基本である。街の人口そのものが伸びにくい状況にあった。
人が少なく、山がちで、監視の目が届かない。巨大生物の繁殖しやすい環境が整ってしまっていたのが、ネバダの不運だった。
ラスベガスから外に出ることは、死と隣り合わせになるのと同義である。特に旧西暦時代から核実験場として厳重に隔離されてきた北部エリアは、もっともリスクのある、誰も行きたがらない任務先とされている。今回の派遣もそうだった。
どこか慌てたような上層部の強権発動により、貧乏くじを引かされた形となって任務についた彼らだが、予想していた巨大生物の襲撃がほとんどない。安堵していいのか、罠ではないかと警戒すべきなのか、まるで判断がつかないのだ。
強化防弾ガラスに覆われた助手席をちらりと見る。
「なぁ、お偉いさんの恰好を見たか? まるで余所行きのスーツだぞ」
「どっかの会合にでも出席するつもりで間違えたんじゃねぇか?」
「特別手当が出るんだから文句はねぇけどよ。何なのかねぇ、今回の仕事は」
出発から4時間。ある程度まとまった敵の襲撃を受けながらも、これまでと比べればはるかに安全な道行きだった。いよいよ不安を抑えきれなくなった頃、一行はついに遭遇する。
「おい、あれは……!」
「四足歩行型タレット……自動式だと!? いったい誰が設置したというのだ!?」
先頭車両が急ブレーキで静止するのにあわせて、全台が緊急態勢に入った。それぞれが武器を構える前で、謎の自動ロボットがレンズらしき機材を展開して彼らを認識していく。
(……先手必勝だ、やるか?)
「その必要はありません」
不気味さに耐えかねた兵士が銃口を向けようとするのを、後方から女の声が止めた。
途端、タレットの蓋がゆっくりと開いていき、中から液晶モニターが現れる。映し出されたのはプロフェッサーである。普段12004達に見せるよりも落ち着いた、いわゆる外向きのビジュアルだった。
『冷静な判断に感謝する。こちらは元EDF先進技術研究所分室の主任であり、現責任者にあたる者だ。当機セントリーガンの前に引かれたラインから北が分室に与えられたテリトリーであることは、崩壊前の統一国家データベースに記載されている。異議があれば参照されたし』
理路整然とした権利主張に、兵士達からどよめきが起こる。確かに彼らが生まれるよりも前、旧時代にはラスベガスの北部にそのような名前の施設があったと聞いた覚えはある。だがしかし、いまだに稼働しているとは到底信じられなかった。
動揺する部下達を抑えるように、ひとりの女が前に出た。ラスベガスを出立してからここまでに土埃を浴びてはいるが、入念な手入れの施された茶髪である。キャリアウーマンさながらのスーツに耐毒性のロングコートをなびかせる姿は、鉄火場を知る戦士の色をしていた。
「承知しています。こちらはラスベガス・スペースノイド・ユニオン。先日来からの巨大生物群の異変を受けて、当ユニオンのプレジデントよりメッセージを持参しました。お伺いしても?」
『その前に確認したい。君とプレジデントのフルネームは?』
女が一礼とともに告げる。
「私はナナイ・ミゲル。ミネバ・ラオ・ザビに仕える者です」
531:12004
「信じられない……まるで、大佐の生き写しのよう……!」
突然やってきた初対面の女性が私の顔を見るなり泣き始めたのだが?
532:転生すれば名無し
あー、訴えられたら負けのケースですね
冤罪として弁護士に相談してください
533:転生すれば名無し
自分を卑下するのはよくないで
534:転生すれば名無し
ちげーから! そういうのじゃねーから!!
535:転生すれば名無し
どっかで見た気がしたと思ったら、この人あれやん
逆シャアのナナイ・ミゲル
536:転生すれば名無し
あー……誰?
537:転生すれば名無し
シャアの愛人
声がハマーンと一緒
クェスに「おばさん」扱いされた
538:転生すれば名無し
並べると悪口に見えるような、そうでもないような……
539:転生すれば名無し
ガンダムキャラって作品別に設定が変わるからごっちゃになるんよなぁ
たしか元ティターンズのオーガスタ研→ネオジオンのニタ研→所長就任って流れ
540:転生すれば名無し
職歴がやたら濃くない? ティターンズからジオン系に行けるもんなの?
541:転生すれば名無し
逆よりはマシよ
542:転生すれば名無し
宇宙人絶殺マン「一般将校は黙っていろ! ティターンズではやり方が違う!」
543:転生すれば名無し
こいつの下にいるくらいならって考えるのもまぁわかる
544:転生すれば名無し
誰なのかはわかったけど、重力波襲来から数十年経ってるよな?
何で生きてておまけに若いままなんや?
545:12004
「ジオンに亡命した私は、ハマーン様の指示を受けてミネバ様を地上へとお連れしたのです。
バルマー戦役後もティターンズやOZから追われる中、ラスベガスの同胞を頼りました。
我々は数十年間をコールドスリープで過ごし、数年前から活動を開始しています」
だそうだ。私のようなクローンではないらしいな
546:転生すれば名無し
そんな長い間眠っててよく無事やったな
547:転生すれば名無し
プロフェッサーがいってたな、ベガスはドーム型シールドで覆われてるとか
548:転生すれば名無し
無人機であの数の暴力を倒せるもんか……?
549:12004
「あれだけの数、固定型の無人機では実弾リロードの隙を突かれないか?」
「大型のビーム砲で薙ぎ払うだけですから。わざわざ実弾を用いる必要もありません」
「えっ」
「えっ」
その発想はなかった
550:転生すれば名無し
あ、あったまい~~~~~~!
551:転生すれば名無し
そうだよ! 普通はそうなんだよ!
イッチが無駄に強すぎて歩兵ソロ縛りで無双してたから!!
552:転生すれば名無し
じ、状況がそれを許さなかったから……(目を逸らしつつ)
553:転生すれば名無し
そもそもプル・オルタのウィングダイバーがビーム兵装だし
554:転生すれば名無し
じゃあなんすか
12004君が自分で自分の首を絞めてたってオチですか
555:転生すれば名無し
はい……
556:12004
「え、こいつ生身で万単位の巨大生物駆除してたの?」
「バケモノだ……」
「人間じゃねぇ……」
「うちのチームに来てくれねぇかな」
後ろに待機中の兵隊の目が気になってかなわん
557:転生すれば名無し
そらそうよ
558:転生すれば名無し
できるからって毎日やることじゃないからね普通は
559:転生すれば名無し
プル・オルタちゃんまでイッチの影響受けちゃったんやぞ
おかげであんなに可愛かった子がクイーンアントにヘッショ決めてニッコリや
どうしてくれんの健やかな子供の未来
560:転生すれば名無し
わりと前からそうやろがい!
561:転生すれば名無し
少なくとも五日目ぐらいからメガ粒子砲とかの極太ビーム兵装を作るべきやったか
562:転生すれば名無し
地球防衛軍でもカッパー砲とかあるもんな
すっかり忘れてたわ
563:12004
「プロフェッサー? 彼らはあなた方に託した大佐達の遺伝子が大元ですよね?
けして超人を作るためではなかったはずですが?」
『人間、やろうと思えばここまで強くなれるという証明だね』
「私の目を見て同じことがいえますか?」
『はっはっは』
あのプロフェッサーと互角にやり合えるとは、なかなかのやり手だな
564:転生すれば名無し
誰も予想できんわこんな事態
565:転生すれば名無し
赤い彗星のクローンを作ろうとしたらストーム1が出来ました!
なぜかプルも強くなってます!
ご査証ください!!
566:転生すれば名無し
1+1+1で3倍お得!
567:転生すれば名無し
問題は二度と再現できんやろなって事実や
568:転生すれば名無し
(シャアの細胞は)あります!!
569:12004
「……わかりました。結果はともかく、過程がわからないということだけは理解しました」
来た時よりも疲れた顔をしている……
570:転生すれば名無し
でしょうね、としか
571:12004
「先ほどお伝えしたように、ミネバ様はあなた達との面会を希望しています。
『ラスベガスの中央、ユニオンにて待っています』とのメッセージです。
……あなたが赤い彗星の再来として生きるにせよ、12004として生きるにせよ、
その前に一度ミネバ様と会うべきです。それでは、また後日」
お帰りらしい。見送ってくるとしよう
572:転生すれば名無し
いてら
573:転生すれば名無し
お?
574:転生すれば名無し
んん?
575:転生すれば名無し
なんかナナイ、エスコートされるの喜んでる?
576:12004
「おっと、気をつけるといい。なにぶん建物が古くてね、足元が危ない」
「……また大佐の右腕に抱かれるなんて、思ってもみなかったわ」
泣くことはないと思うのだが……ここにはハンカチもないのだぞ
577:転生すれば名無し
……おい
578:転生すれば名無し
まさか
579:転生すれば名無し
そうかもしれんとは思ってた
思ってたんやけど、これは
580:転生すれば名無し
シャア(本物)、ナナイに手を出してた?
581:転生すれば名無し
バルマー戦役からα外伝ってそんなに期間空いてないよな?
手が早過ぎんかあいつ
582:転生すれば名無し
待って、ちょい待ってくれ
この世界のαがどのルートを辿ったのかもわからんけど
ハマーンが仲間になってるとしたら?
583:転生すれば名無し
584:転生すれば名無し
585:転生すれば名無し
正 妻 バ ト ル 待 っ た な し
586:転生すれば名無し
イッチが手を出したわけじゃないのにひどすぎんか
587:転生すれば名無し
かわいそうにイッチ……
これもひとえに面と血筋と才能とキャラが立ちすぎてる本物のせいやが
588:12004
「ゼロヨンのえっちー!!」
「ぐはあ!」
589:転生すれば名無し
プル・オルタのヒップアタック!
590:転生すれば名無し
こ う か は ば つ ぐ ん だ !
591:転生すれば名無し
お、きっちり左手で抱え切った
592:転生すれば名無し
両手に花やな!
593:転生すれば名無し
本物がタイムジャンプしてきたら厄介事全部押し付けても許されるんちゃうか
☆人物・舞台説明
〇12004
目の前で転びそうになった人間を支えるくらいの優しさは持っている……が、そのための手段が相手の男女関係にクリティカルヒットするかまではわからない。ニュータイプ感覚は切っているので。プル・オルタの機嫌が戻るまで丸一日かかった。
〇プル・オルタ
12004が人助けのために動いたのは理解しているが、「このままだとナナイは絶対こじらせて厄介なことになる」とニュータイプ的直観が働いたので実力行使に出た。大正解なので彼女を責めるのは酷。ナナイを責めるのも酷。
〇ナナイ・ミゲル
スーパーロボット大戦αで登場。アクシズに捕らえられたクワトロにサザビーをプレゼントする。第二次αではレウルーラの艦長。
原作では逆シャア時点で24歳。ティターンズのオーガスタ研究所からネオ・ジオンに亡命し、その後はニュータイプ研究所にて所長に就任、ギュネイを強化する。本人も若干のニュータイプ適性があるらしい。
重力波による世界崩壊後、シャア・アズナブルの血を引くカリスマ的存在が必要であると判断し、プリベンター結成よりも先に行動を開始。すでにクローン技術の確立されたプルシリーズもシャアの部下になり得ると考え、ふたりの遺伝子をプロフェッサーの同僚に託した。
……ナナイ的にはあくまでも「必要だから」両者の遺伝子を渡したのだが、受け取った研究者が強火のジオニストだったらしく、
「ダイクン家とザビ家の血をひくふたりが世界を統一するって素敵じゃん!」
のロマン極振りで突っ走ってしまった。結果として生まれたのが12004とプル・オルタである。プロフェッサーに顛末を聞かされたナナイは宇宙猫になった。
おしまい
執筆中に首が痛むようになったので、休みつつ執筆します
身体の方が毎日投稿についてこれなくなるとは思わんかった……