魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~   作:天都ダム∈(・ω・)∋

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13-7.星降る祭典(スターダスト)

 ざわ、と観客に動揺が広がる。横を見れば、月組も星組も、私とメア以外の全員が、驚愕に目を見開いている。

 

「お察しの通り、わたしの《リズムを操る魔法(レイヴン・マジック)》は一定の周期(リズム)を持つ物を操る事ができます……例えば、心臓とかね」

 

 自分と同じ色の《魔力(エーテル)》を取り込んで、心身の回復の為に回す。すぐに傷が塞がるわけじゃないけど、痛みは多少なりとも軽くなるし、立ち上がる力ぐらいは、湧いてくる。

 

「けど、目に見えてないだけで……本当はそこら辺に、もっともっと沢山、リズムが溢れかえってるんですよ。いや、目には見えてる(、、、、)んですけどね。何だと思います?」

 

 ほとんど答え合わせのようなものだ、シャクティーバはその問いに、静かに答えた。

 

「……光か(、、)

「大正解!」

「ちっ」

 

 レイがつい、とタッチペンを振るうと同時、シャクティーバは距離を取った。

 レイが何を言っているのか、理解したんだろう。

 

「スフィアの色は魔法少女によって違いますし、それによって生まれる《魔力光(エーテルライト)》も人それぞれ……けど、その色を決めているのは、そのスフィアが持つ固有振動数(、、、、、)です」

 

 振動、震え、つまり……リズム(、、、)

 

「色っていうのは光の波長の長短で決まります。厳密には物が色を持ってるわけじゃなくて、色んな要素が組み合わさって〝目に入ってくる色〟を私たちが勝手に見ているだけですが……」

 

 それは科学的な物理現象で、魔法には当てはまらないのか? といえば、そうじゃないのだと。レイはこの技を編み出した時、得意げに語ってくれた。

 

「《魔力光(エーテルライト)》は遅い光(、、、)ですが、基本的には同じです。スフィアが持つ固有振動数を読み解いて、生じた《魔力光(エーテルライト)》の波長を変えれば、色彩(いろ)もそれに合わせて変わる」

 

 

 

 つまり、レイヴン・グレイヴは――――。

 魔法少女の力の根幹――《魔力光(エーテルライト)》の色彩そのものに干渉できる魔法少女なのだ。

 

 

 

「〝白〟なんかやりやすくていいですよねえ!」

 

 魔法少女は同じか近い色の《魔力光(エーテルライト)》を取り込むことが出来る、逆に、反対の色なら取り込むのに時間が掛かるし、身体に叩き込まれれば大きなダメージを受ける。

 

 レイはそれを、自由自在に操る。相手の攻撃を全て取り込み、自分の攻撃を致命打に出来る。

 

 そして――――。

 

「『心音天使(カデンツ)』!」

 

 僅かにでもレイの《魔力(エーテル)》を取り込んでしまえば、心臓への干渉をより強く出来る。

 シャクティーバが体内に巡らせる以上の《魔力(エーテル)》を叩き込んで、強引にコントロールを奪い取れれば、《魔弾》が通じなくても――――――。

 

 

 

「御高説ありがとう。感動したよ」

 

 

 

 再びシャクティーバが指を鳴らし――合計七十二本、レイの『色彩変遷(カラーチェンジ)』によってライムグリーンに変じた光線が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「――――ぇあ?」

 

 攻撃に転じる為に防御を薄くしていたレイは、その攻撃をもろに受けた。

 

「たしかに驚異的な能力だ。魔法少女史上、類を見ない才能だろう。一芸と侮ったことは謝罪しよう――しかしだ」

 

 何の動揺も。何の困惑もなかった。ただ粛々と、事実だけを、シャクティーバは告げた。

 

「物覚えが悪いのか? 私はキミが色を変えた光そのもの(、、、、、)を支配しているんだ」

 

 ぱちんと弾いた指の先で、光が圧縮されていく。

 

「例え色を変えられようと、取り込まれぬよう、より強固に支配する(、、、、、、、)――ただ、それだけでいいのだよ」

 

 指ぐらいの太さの光が、レイの肩と手足を、重ねて貫いた。

 

「っ、あああああああああああ!」

「浅はかな切り札、実力の盲信――――ああ、素晴らしい大道芸だった。人を驚かせる才能というのなら、キミは立派な道化(ピエロ)になれる」

 

 遂に動けなくなったレイの頭を掴んで、シャクティーバば無造作に持ち上げた。

 僅かに震え、まだ動こうとする腕を、更に光線で貫いて――とうとう、ずっと握って離さなかった、タッチペンが転げ落ちた。

 

 

 

「――――――愚かしい」

 

 

 

 もう逆転の目なんて無いのに、勝負はまだついてないから。

 

「貴様のどこに正しさがある。貴様のどこに覚悟がある。誤った魔法少女から生じた誤った価値観を刷り込まれ、愚かしくも星降る祭典(スターダスト)で勝利の御旗を飾れると勘違いした蒙昧が! 貴様が踏みにじった魔法少女の気高き意思に比べ、なんと浅はかなことか!」

 

 ――――――は?

 

「キミの前に対峙した魔法少女と、一度でも正面から向き合ったか!? その思いを受け止めようと励んだか!? 何も受け継がず、何も背負わず、底意地の悪い笑みを浮かべて、踏みにじってきたのだろう! だから貴様は間違っているのだ!」

 

 ――――――待てよ。

 

「今ここに宣言する、我が光は魔法少女の未来を照らすと! 快くお互いを尊重し、高らかに誇れる戦いをもたらすと! 決してこのような過ちを生み出すまいと! その為なら私は礎となろう! 新たな時代の先頭に私は立つ!」

 

 ――――ふざけるな。

 湧き上がる大歓声、響く拍手。

 そんなの、言ったもの勝ちだろ。

 正しそうな(、、、、、)奴が自信たっぷりに言い放つから、それが良いことの様に聞こえるだけだろ。

 

「――――その新しい世界に、キミは不要だ」

「~~~~~~~~~っ!」

 

 レイの身体が、より大きな光に貫かれた。

 胸の中心に空洞を作られて、それ以上戦える訳が無い。

 

『――そこまで! シャクティーバ選手の勝利です!』

 

 安全装置(フェイルセイフ)が起動し、すぐさま、シャクティーバの勝利が宣言された。

 誰もがその勝利を讃え、誰もがその勝利を喜んだ。

 

 もう誰も敗者のことなど、覚えていなかった。

 

 




記念すべき100話目は主人公の幼馴染がボコボコにされて体に穴を空けられて終了!
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