【コミカライズ化】魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~ 作:天都ダム∈(・ω・)∋
◆
で、その日の夜。学生寮の一室、イチゴさんの部屋にて。
「うし、セッティングおわったっぺー。サーバー強化しといたから多分大丈夫やと思うけんど、設定がちょいと初期化されてるところもあっかも知んねっから確認しといてなー」
「わぁーん、ありがとーアイミちゃーん!」
「どってことねっぺよー、そいじゃおら、適当な時間に戻ってくっからー。語辺さんも頑張ってなぁー」
厳密に言うと寮は二人一部屋なので、どうするんだろ? と思っていたら、ルームメイトである所のアイミさんは私と入れ違いに葉っぱ型の《
「アイミさん、パソコン弄れるんだ」
「意外なことに……っていうとアイミさんに失礼かもしれないけど、腕利きのエンジニアなのです。《箒》の改造とかもしてるみたい」
「あれ、アイミさんの《箒》って天然物の植物じゃなかったっけ」
「愛用のはそう。だけどスポンサー都合でメーカー品を使わないといけないこともあるし、組み立てをお願いされることもあるんだって。あとは……」
「あとは?」
「趣味なんだって、機械いじり」
なるほど、趣味なら仕方ない。私が髪の毛の手入れに時間をかけたり、メアの乳を揉んだりするようなものだ。
「でも、追い出しちゃったみたいでちょっと申し訳ないなぁ……」
「あはは、大丈夫大丈夫。アイミちゃん、毎日外で飛び回ってるから」
「……夜間飛行って大丈夫なんだっけ?」
「アイミちゃんは特別に許可をもらって、コースを使ってるんだって。夜のほうが都合がいいみたいで。最近はファラフちゃんと一緒に」
「ああ、なるほど」
《
というかしれっと言われたけどスポンサーついてるんだ、アイミさん……。
「じゃあ改めて……今日はよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
「配信は一時間ぐらい。軽い雑談と、事前にもらった質問に答えて貰えれば大丈夫。視聴者からのコメントもあるけど、無理に反応しなくても大丈夫だから」
「そうさせてくれるとありがたいかな」
要するに人前で座談会をすればいいのだ、って思えばまぁ、なんとかなりそうだ。
「それじゃ、準備するね。適当に座ってて」
そう言ってイチゴさんは自分のテーブルに向かい、デスクトップ型のPCに指を触れた。
ストロベリーレッドの《
私はこのタイプのPCを持っていないので又聞きの知識なのだけど、スフィアと接続することで生体認証を行いMTubeのアカウントにログインし、『配信空間』を作っている……らしい。
防音室の役目を果たすと同時に、部屋全体が『配信』の範囲になる、という感じのようだ。いくつか浮いている赤い《
「ほら、MTubeからだとこんな感じよ」
イチゴさんが配信上の画面を見せてくれた。私とイチゴさんが並んで映っていて、背景の部屋は私が今いる部屋のそれとは全く違うモノになっている。明るい苺柄の壁紙に、でっかい苺型のソファ、苺の形のシャンデリア……こんなん寮の部屋に持ち込んだら大目玉だろうし、アイミさんの生活領域にも侵食しているけれど、画面越しなら問題ないというわけだ。
最近のパソコンって凄いなー、って思った。
試しにひらひら手を振ってみると、画面の向こうの自分も手を振る。鏡を見てるのと同じような感覚のはずなんだけど……カメラの画角の分ズレがあって、ちょっと面白い。
「それじゃ、一回待機画面にするね。最初は私が挨拶してから、ゲストをお呼びします、って形で入場してもらうから、普通にしてくれてて大丈夫だよ」
「ああ、待ってる間は私が映らないようにできるんだ」
そういえば、遠くにいる魔法少女とも配信空間を同期すれば同じ場所にいるみたいにできるんだっけ。便利だなぁ、《魔力》式配信空間。
「じゃ、あと五分したら配信を始め…………うわ」
PCを操作していたイチゴさんが、ぴたりと動きを止めた。
「どうしたの?」
私の問いに、イチゴさんは声を震わせながら。
「た、待機人数が…………二〇〇万人、超えてる…………」
「…………………………ええー?」
二〇〇万人。
二〇〇万っていうのは二〇〇万ってことだ。人ってことは人だ。つまり人間だ。
チャンネル登録者のほぼ同数がこの配信を見ようとしている、という意味に聞こえる。多分何かの間違いじゃないかな? と思って笑顔を作っていると、イチゴさんの額から汗が一筋、つぅっと伝った。
……あ、冗談でもなんでもないんだ。マジで二〇〇万人なんだ。
「……すぅはぁ。落ち着きなさい明星イチゴ。語辺さんには悪いけど、これはチャンスよ」
パンパン、と自分の顔を叩いて、イチゴさん。
「今までバズるタイミングのなかった私にとっては唯一無二の機会だもの……《
「イチゴさーん、全部声出てるよ、イチゴさーん?」
「語辺さんっ、お礼は何がいいっ!?」
ええ、どうしよう。イチゴさんあんま胸大きくないしな……ツインテール片方もらったら怒られるかな。
「よーしカウントダウンするわよ! ごー! よーん! さーん! にーい! いーち!」
「うわぁそんな急に」
たんたらららたんたん、とイチゴさんのオリ曲をBGMに、ついに配信がスタートした。
「はーい! 皆こんイチゴー! フレーッ、フレーッ! あなたを励ます応援団長! あ・け・ぼ・し! イチゴでーすっ!」
めっちゃよそ行きの声と共に、イチゴさんが《
これがイチゴさんの開始挨拶だ。見るたびにアイドルって大変だなぁって思う。
そしてその瞬間、
ドッ、と。
濁流のようにコメントが押し寄せた。
――――――――――――――――――――――――――
『こん』『こん』『ばわ』
『始まった』
『こんイチゴー!』
『フレーっ』
『リーンまだ?』
『はよ』
『こんイチゴー!』
『おいマナー守れよ』
『ばわすー』
『勢い凄くて草』
『初見です』
――――――――――――――――――――――――――
配信空間を形作る、壁を這う《魔力光》の向こう側には、プロジェクターのように映し出された多数の人影――視聴者達の姿が見える。彼らが次々に吹き出しの形でテキストをポップさせていく。
どれもカラフルな影、という形で見た目に個性はないのだけど、配信している側である私たちが目を凝らすと、影の解像度が上がって名前やアバターが具体的に可視化されるようになる、らしい。
最前列には苺のアイコンが視聴者がズラッと並んでいるから、これはイチゴさんのチャンネルのメンバー……つまり有料会員だと思う。
歴が長かったり課金額が多いとより前に出られる、つまり配信者から注目されたり、コメントを取り上げられやすくなるシステムだ。よく出来てるなあ。
それが――あくまで
そうか、配信が始まったら見る人も増えるんだ。
「ひ、ひえ」
挨拶のポーズと笑顔のまま、イチゴさんが硬直している。
「あ、ありがとー! 皆ー! 早速だけど、本日のゲストを呼ぶねー!」
本当はイチゴさんが軽く日常トークをしてから私を呼ぶ段取りだったのだけど、濁流というか大津波みてえな勢いで見えるコメントの大半が『早く語辺リーンを出せ』だったので予定を変えることにしたらしい。まあ端々から殺気立ってるのは私にもわかる、多分イチゴさん、今めっちゃ怖いと思う。
「今年の《
「どーもー」
カメラに向かってひらひらと手を振りながら軽く挨拶する。
途端、ただでさえ大量にあったコメントががっと増えた。
もう何がなんだかわからないぐらい視界が忙しい。一つ一つ読み取る暇もないので、軽く頭を下げて応じておく。
「そ、それじゃあ……まず自己紹介をお願いしてもいいかなっ?」
「えー、今イチゴさんに説明してもらったことがほぼ全て、語辺リーンです」
――――――――――――――――――――――――――
『草』
『他にもっと何かあるだろ』
『聞きたいのはそこじゃない』
『魔女っ子スタイルかわいー』
『髪の毛が綺麗すぎる』
『髪やばくない?』
『めっちゃ好み』
『イチゴちゃんと並んでー』
――――――――――――――――――――――――――
「何人かわかってる奴がいるな……そう、髪の毛の維持に一日二、三時間を使う語辺リーンです」
――――――――――――――――――――――――――
『草』
『本当に草』
『同接多すぎ』
『凄く可愛いじゃん』
『ツインテお揃いだー』
『思ってた百倍ぐらい面白い女かもしれん』
『可愛い』
『かわいー!』
『綺麗すぎ』
――――――――――――――――――――――――――
「まあ…………顔はいいよね!」
「語辺さん、結構飛ばすね!?」
「やべ、おだてられて調子に乗っちゃった」
いやまぁ魔法少女なんて皆、顔は可愛いものなんだけどさ。
「えっと、そんなわけで、ゲストとしてお招きしてもらいました。話を聞く所によると、学校が同じってだけで、お前らがイチゴさんに迷惑かけるから…………!」
――――――――――――――――――――――――――
『本当にすいません』
『古参はずっとやめろって言った』
『他に接触方法がなくて』
『興味はあった』
『推しとコラボしてほしかった』
『登録者数超増えて草』
『一〇〇〇万クラスは偉業』
――――――――――――――――――――――――――
「……あれ、どうしたの? イチゴさん」
「あの、なんていうか……配信慣れしてる私でも、今緊張感凄いんだけど、語辺さんは大丈夫そう?」
「慣れた」
「早すぎない!?」
「画面の向こうの数百万人と目隠しボコった時の七万人だと後者の方が圧が強かったなって……」
あとクァトランと二人で《
なにせ、視聴者が何人いようとも、私を殺すことは出来ないわけだし。
――――――――――――――――――――――――――
『草』
『その話をもっと聞きたい!』
『(コメントが削除されました)』
『不正行為だろ』
『ありえないってあれ』
『(コメントが削除されました)』
『(コメントが削除されました)』
――――――――――――――――――――――――――
「お?」
「あ、あの、語辺さん。イーヴィスのシャクティーバさんって登録者数億人クラスの配信者もしてて………………」
あー、そっかファンも多いんだ。あんな性格悪いのに……。
あまり悪口めいたコメントがあると自動で削除されてしまうらしい、私も言動には気をつけないとな……。
「ピ――――――――――――――――」
「語辺さん!?」
「ああ、放送禁止用語かますとこっちもエラー吐くんだ」
「ちょっと待って今何言おうとしたの!?」
「じゃ、気を取り直して質問コーナーにいこっか」
「この流れで語辺さんが司会進行してる!」
「イチゴさんはどんな食べ物が好き?」
「えっ!? さ、さくらんぼ!」
「苺じゃねえのかよ」
――――――――――――――――――――――――――
『攻守逆転してて草』
『おもしれー女すぎるだろ』
『配信者に向いてる』
『チャンネル作って』
『定番ネタ振ってくれて助かる』
『ヤマガタを取り戻してさくらんぼを食べたいイチゴちゃん』
『祖父のご実家だぞ』
――――――――――――――――――――――――――
「そうじゃなくてっ、私から語辺さんに視聴者の皆から届いた質問をするのっ!」
「よし、緊張がほぐれてきたみたいだな」
「私が気を使われてる!?」
「イチゴさん、時間が押してるから、早く」
「あっ、はーい! ごめんなさーい! ……語辺さん本当に配信者向いてるね!?」
「無理だよ私には……会話をちょっと無粋なツッコミで盛り上げるくらいのことしかできない……」
――――――――――――――――――――――――――
『一番重要なスキルなんだよなぁ』
『おもしろすぎ』
『週一で来てほしい』
『まだ企画何も始まってない』
『逸材すぎる』
『私ともコラボしてほしい』
『ここ数ヶ月謎に包まれてた魔法少女が愉快すぎる件』
――――――――――――――――――――――――――
「でも話の腰を折るのも上手いんだよね」
「ちょっとそのスキル今は控えてもらっていいかなっ!?」
「万事了解」
ヤバい、ちょっと面白くなってきちゃった。
イチゴさん、ウチの学園だとほんっとうに珍しい常識人寄りの魔法少女だから……叩くと鳴るんだよな……。
「まず一つ目の質問です。『イチゴちゃん、語辺さん、こんイチゴー!』、はーい、こんイチゴー!」
「おやストロベリー」
「配信の挨拶覚えててくれてありがと! でも今じゃないかなっ!?」
「話の腰を折ろうと思って……」
「ちょっとそのスキル今は控えてもらっていいかなっ!?」
「万事了解」
「次やったら頭の中に私のデビュー曲を三十回流しこみまーす。続き読むね! 『お二人のコラボ、とっても嬉しいです! 特に語辺さんは全くメディアに姿を見せない謎の魔法少女だったので、実現するとは思ってませんでした。お二人は
事前に聞かされていた、打ち合わせ済みの質問。
私は小さく頷いて、カメラの方を見た。
「まずこれだけは皆さんに覚えていてほしいんですけど…………」
――――――――――――――――――――――――――
『お?』
『何だ?』
『絶対前フリだ』
『俺ワクワクが止まらねえよ』
――――――――――――――――――――――――――
「イチゴさんって…………凄い良い人で………………」
――――――――――――――――――――――――――
『草』
『w』
『本当にそう』
『良い娘なんですよ……』
『人が良すぎ』
『不憫枠なんだよね』
――――――――――――――――――――――――――
「コメントに好き放題言われてる!」
「ウチの学園キワモノしかいないから、相対的にイチゴさんが癒しで……真面目な話をすると、顔を合わせたらよく話すよね、って感じかな?」
「そんな感じかも。二人で一緒にお出かけとかしたことはまだないけど、こうして配信に誘えるくらいには……っていうぐらい。あ、でも、これからもっと仲良くなれたら嬉しいな」
「ほんと……見てください、良い人なんですよ……この娘……っ」
「泣かれてる!?」
――――――――――――――――――――――――――
『流れるように漫才に持ち込むじゃん』
『これでその関係値なのマジ?』
『うまくはぐらかさなかった?』
『頼むから週一でやってくれ』
『週五でいいよ』
――――――――――――――――――――――――――
「あ。あと、ウチのクラスのレイヴンちゃんとリーンちゃんが仲良くて、レイヴンちゃん経由でも話をする感じだったかも」
――――――――――――――――――――――――――
『イキりカラスじゃん』
『マジで面白かったあれ』
『やってたことはヤバかった』
『《魔力》の色って変えていいんだ……』
『あーだから?』
『友達の仇討ちってこと?』
――――――――――――――――――――――――――
「なんだやんのかテメェらレイをイキりカラスって呼んでいいのは私だけだぞ!!」
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『急に怒るじゃん』
『目ガンギマリで怖』
『自分では呼ぶんだ』
『思ったより感情重そう』
『おいどうすんだヤバいヤツ連れてきちゃったぞ』
『ただ馴れ初めを聞いただけでこれ』
――――――――――――――――――――――――――
「はぁ……はぁ……ふぅ、すいません、髪の毛を吸います」
「え?」
「ちょっとツインテール貸してね……スゥ――――ハァ――――――――」
「きゃあああああああああああああ!?」
――――――――――――――――――――――――――
『お水飲みますの感じで凄いことし始めたぞ』
『これで配信初登場なのマジ?』
『だからまだ質問一個目なんだが』
『おもろすぎる』
『俺も吸いたい』
『ヤバすぎ』
――――――――――――――――――――――――――
「甘酸っぱくて爽やかな苺の香り……先月発売した〝エルレシャン〟のベリーズシリーズ、『フレッシュストロベリー』のシャンプー&コンディショナー、使用から一週間目の香りだ……」
――――――――――――――――――――――――――
『鳥肌たった』
『キッショ』
『推しの使ってるシャンプーがこんな場面で判明して草』
――――――――――――――――――――――――――
「待って待って待って怖い怖い怖いなんでわかるの!?」
「なんでって……普通新作が発売されたら利きシャンするじゃん……」
「しないよ!?」
「でもその前に使ってたのは〝
「前のやつもわかるの!?」
「匂いから逆算して推測しただけだが……?」
――――――――――――――――――――――――――
『公式サイト落ちてる』
『もう通販サイトから在庫ないんだけど』
『やべーよこの女』
――――――――――――――――――――――――――
おや、イチゴさんがご自慢のフワフワツインテールを両手で抱きしめて距離を取ってきたぞ? まだ顔を埋め足りないってのに……困った娘だなぁ。
「さあ……次の質問をどうぞ、イチゴさん」
「ごめん皆! もう配信落としていい!?」
――――――――――――――――――――――――――
『ごめんけどもうちょっと頑張って』
『いいよって言いかけちゃった』
『まだ何も聞いてないんだわ』
『
『次の質問につながってた……ってコト!?』
『それでシャクティーバに勝ったのヤバすぎるだろ』
――――――――――――――――――――――――――
「いや、これは
――――――――――――――――――――――――――
『余計キモくなった』
『手がつけられねえよ……』
『誰だこのバケモン連れてきたの』
『今自分の配信なのに隅の方でマジビビりしてる人です……』
『じゃあもう終わりだ終わり』
――――――――――――――――――――――――――
「じゃ、じゃあそのぉ……ちょうどいいから、次の質問、読んじゃうね……? 『コラボ配信ありがとうございます。あのシャクティーバ・シュラクシャリアを倒した語辺リーンさんの
――――――――――――――――――――――――――
『教えてくれるわけなくない?』
『流石に秘匿事項すぎる』
『でも皆気になってるだろ!』
『はい』
『それはもう』
『知りたすぎる』
『
――――――――――――――――――――――――――
「未来予知だね」
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『は?』
『答えてて草』
『強すぎだろ』
『とんでもねえのブチ込んできた』
『嘘だろ』
『え? 因果観測系の
『余裕の
『選ばれしものじゃったか……』
――――――――――――――――――――――――――
「私の
――――――――――――――――――――――――――
『納得したけど納得できねえ』
『先読み出来たとして避けられる?』
『攻撃反射系の
『じゃあ反射してたのは何なんだよ』
『反射神経?』
『そういう用語じゃねえだろ反射神経は』
――――――――――――――――――――――――――
「あれは私のスフィアがほら、
カメラに右手の甲を向けて、スフィアを映るように見せると、コメントの勢いが更にわっと増した。
「圧縮して
――――――――――――――――――――――――――
『透明なスフィア!?』
『赤ちゃんの奴じゃん!』
『合法ロリってこと!?』
『未成年だから普通に違法です』
『平然と言ったけど何だそのスキル』
『《魔力光》がなんか目立たないなとは思ってました……』
『ほんとだ映像見直したら全然見えない』
『何だこいつ』
『今すぐ檻に閉じ込めたほうがいい』
『化物がすぎるだろ』
『誰だこんなになるまで放っておいたの』
――――――――――――――――――――――――――
……あれ、おかしいな。かなり納得できる説明を持ってきたつもりだったんだけど……。
《
「か、語辺さんのスフィアは、私も不思議だなぁって思ってて……ほら、魔法少女のスフィアって、生まれた時は透明で、成長すると色づいてくるでしょ?」
――――――――――――――――――――――――――
『だよね』
『家の妹もいま透明』
『色ガチャ』
『濃くなりますようにって祈るよね』
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「だからずーっと透明なままって、見たことなかったもん。味方だと凄く頼もしいよね!」
――――――――――――――――――――――――――
『それはそう』
『生体
『濾過せずに《魔力》わけてもらえるってこと?』
『誰にでも《魔力》を安定供給できるのは熱い』
『最強の支援役じゃん』
『なんで支援役がタイマンでシャクティーバをボコしてるんだ……?』
『さあ……?』
――――――――――――――――――――――――――
「ふふ……まあ《
――――――――――――――――――――――――――
『ご愁傷さますぎる』
『生かしておけない魔法少女』
『しかも指揮取ってたの語辺だったよね』
『次からの《
――――――――――――――――――――――――――
「私、魔力感知に映らないんだよね……透明な《
――――――――――――――――――――――――――
『無敵かよ』
『反則すぎ』
『どういう事?』
『意味わからん』
『ラップでおにぎり包んでも透明にはならなくない?』
『なっとるやろがい』
『流石に見た目が透明になるわけじゃない』
『それはもう別の
『魔力知覚だと見えないんだ』
『ステルスズル』
――――――――――――――――――――――――――
好き放題言われているけど、透明ってことは一番薄い色だから、攻撃能力も防御能力も皆無であることが私の弱点でありコンプレックスなわけで。
特別であることと最高であることは違う、私がなりたいのは正義の味方なのだ。
「それじゃあ、次の質問にいこっか。『イチゴちゃん、語辺さん、こんイチゴ! いきなりですが語辺さんは《
――――――――――――――――――――――――――
『確かに気になる』
『あれ語辺ちゃんのになるんだ』
『イチゴちゃんが知ってるってことは相当大きな願い事だったんじゃない?』
『確かに』
『今日までは交流そんな多くなかったわけだし』
『教えてくれるのかな』
『報告義務はないからねー』
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「寮の部屋を広くしてもらいました」
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『謙虚で草』
『もうちょっとあるだろ! 他に!』
『家とかでいいじゃん!』
『流石に嘘』
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「クァトランが権利を譲ってくれたんだけど……決勝まで行ったのは私の力じゃないから身の丈に合わない物を欲しがるのは忍びないし、一番必要だったものだからいいの」
「語辺さんのそういう所、私本当に凄いと思う」
そう言うイチゴさんは(先程の私の奇行によって警戒心を最大まで高めつつも)笑顔を向けてくれた。彼女は、私がその願いを選んだ理由を知っている。
レイの為……なんていうのはおこがましいし、それは人の前で言う事じゃないから、これでいい。
その後も、いくつかの質問に答えた。
例えば……。
「『語辺さんの好きなものってなんですか?』」
「大きい胸と、綺麗な髪の毛だね」
――――――――――――――――――――――――――
『吸ってたわ』
『本当に怖い』
『そんな曇りなき瞳で……』
『目の色がスフィアより透明で草』
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「あ、大丈夫。イチゴさんのサイズは流石に射程圏外だから」
「語辺さんだって大差ないでしょぉ!?」
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『あまりに酷い』
『俺たちは何を見てるんだ』
『これが《
『配信に映らないだけでアンチコメの量も凄い模様』
『これに負けた最高傑作、流石に可哀想』
『シャクティーバ……お前頑張ったよ……』
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「あ、あとね、髪の毛といえばこういう質問も来てたよ。『試合の映像見てて、戦いもそうだけど、髪の毛が凄い綺麗だなって思いました。普段どういうお手入れをしてますか?』」
「うん、いい質問だね。まず大事なのは自分の髪質を知る所からだよね。硬い、柔らかい、太い、細い。直毛? クセ毛? そういう違いによって選ぶツールが変わってくる。魔法少女だと髪の毛にも
――――――――――――――――――――――――――
『止まれ止まれ止まれ』
『人のチャンネルで語っていい熱量じゃない』
『島から外に出すな』
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「失礼、熱くなりすぎた……頭を冷やすために、すいません、髪の毛を吸います」
「いやあああああああああああああああ!?」
イチゴさんがすげぇ勢いで飛び退いた。なんでだよ。