魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~   作:天都ダム∈(・ω・)∋

37 / 110
本来1話ずつの予定だったのが文字数制限で弾かれたので2話同時掲載です。


☆『三回目』~『四回目』『一日目』『昼』☆ その1

「……ゃん、リーンちゃん」

 

 メアの声が遠くから聞こえて、私はパチリと目を開けた。

 聞き慣れた振動とプロペラの音、真横を見ると、目を丸くして私を見つめるメアがいた。

 

「……メア?」

「? そうだよ、メアだよ」

「………………………………」

 

 ええ……。

 

 三周目もありなんですか……?

 というか、うん、これ、あれだな、ちょっと待った。

 確認できるところを、ちゃんと確認してこう。

 

「メア、ごめん、ちょっと《魔力(エーテル)》分けてもらっていい?」

「ふぇ? か、回復するために寝てたんじゃ……」

「それが何故か今空っぽでさあ……ちょっと、ちょっとでいいから、ね? ね?」

「い、いいけど…………あ、あげる、あげるから!」

 

 メアの《秘輝石(スフィア)》はちょうど胸の谷間の位置にあるので、右手を突っ込んで触れさせ合うのが一番早いのだが、流石に警戒されてしまい、両手を握る形で《魔力(エーテル)》を譲渡してもらう。

 

 ……メアのスフィアカラーはココアブラウン、つまり濃くて強い色彩なので、私からメアはともかく、メアから私に、だと変換効率は最悪なんだけれど。

 

 まあ、一発分あれば足りるさ。

 

「ありがと、メア」

「どういたしまして?」

「それと、ごめん」

「……? なにが?」

「ちょっと死んでみる」

「………………へ?」

 

 口の中に指を突っ込んで、もらった《魔力(エーテル)》で形成した《魔弾》で、私は私の頭を内側から吹き飛ばした。

 

「ええええええええええええええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ゃん、リーンちゃん」

 

 メアの声が遠くから聞こえて、私はパチリと目を開けた。

 聞き慣れた振動とプロペラの音、真横を見ると、目を丸くして私を見つめるメアがいた。

 

「……………………………………」

「おはよ、リーンちゃ…………どうしたのその顔」

 

 目を丸くするメアだったが、うん、私、今どんな顔してるんだろう。鏡がほしい。

 確かに、誰かに回数制限が有ると言われたわけではないのだけれど。

 

「……………………メア」

「何?」

「大好きだよ」

「なんで今急に愛の言葉を囁いたの!?」

 

 嬉しいけどぉ、ともじもじし始めるメアは一旦置いといてだ。

 とりあえず分かっていることを整理しよう、着陸には、まだ時間がある。

 

 一つ。今更だけど、私はどうやら肉体の死亡をトリガーとして、大規模な時間逆行が出来るらしい。

 ただその為の《魔力(エーテル)》をどこから調達してるのかは不明。

 私が意識的に使う《時間を逆行する魔法(リーン・マジック)》は、ほんの数秒時間を逆行するのに、しっかり食べてたっぷり眠って蓄えられる一日分の《魔力(エーテル)》を要する事を考えると、日数をまたぐ逆行なんて、どれぐらいの《魔力(エーテル)》があればいいのか想像もつかない。

 

 それこそ、私の《秘輝石(スフィア)》の限界許容量まで《魔力(エーテル)》を蓄えれば……とは思うものの、『ダムにペットポトルを注ぐようなもの』と言われるぐらい、容量と回復速度が釣り合ってないわけで。

 

 二つ。死ぬタイミングは関係なく、戻って来る場所は一日目の昼、《魔界》到着直前のヘリの中。ここから更に逆行して試験前まで戻ることは、どうやら不可能らしい。

 回数制限があるかは不明、確かめようがないので、これはもう『出来る』と思い込むしかない。出来なかったら終わるだけ。

 

 三つ。クァトランの死とファラフの失踪は、クァトランがジーンを潰さなくても発生する。クァトランが死亡する原因は不明。ファラフがいなくなる理由も不明。

 というか、一回目のファラフは噴水のところに浮かんでいた、あれは流石に死んでいたはずで、つまりクァトランとファラフは別の要因で死亡していたことになる。

 

 こうしてみると、前回じゃないか……前々回? ああもう、二回目でいいや。

 

 二回目の私は、わからないことをわからないままに、『多分原因であろうもの』を取り除こうとしていた――その方針自体が、間違いだった。

 

 私が触れていたのは、きっと根幹じゃなくて、表層だった。

 課題の紙を、もう一度広げる。

 

 

 

 あなたの魔法を活かしましょう。

 あなたの正義を見せましょう。

 あなたの覚悟を試しましょう。

 

 皆が嘘をついています。

 

 ハッピーエンドを目指しましょう。

 

 

 

 

「ハッピーエンドを目指しましょう、ね……」

 

 ……ハルミ先生が、何をどこまで知っているのかわからないけど。

 

「上等だよ」

 

 使える手札は、明らかになった。

 魔法も正義も覚悟も駆使して、やってやろうじゃないか。

 

 

 

 ☆

 

 

「ミツネさぁん……」

「ど、どうしたんメア、なんや、へなへなしちゃって」

「リーンちゃんのスイッチが入っちゃったかも……」

「はぁ……スイッチ?」

「なんていうか……リーンちゃんって、普段はなんかこう、脱力してるっていうか、抜けてるところがあって、そこが可愛いんだけど……」

「今惚気ける必要あった?」

「でも、自分がやるべき事が決まると、もう駄目なの……躊躇も容赦もなくなるし、手段も選ばなくなっちゃうの……」

「はぁ……ええんちゃうの? 試験前にそないなってくれるなら。やる気十分ってことやろ?」

「それぐらいで済んでくれたら、いいんだけど……」

 




次回、目覚めたリーンが大暴れ。

・よろしければ高評価や感想などお願いします、と書くといいよってアドバイス貰ったのでよろしければ高評価や感想などお願いします

・コミックマーケット106 2日目に新刊「魔法少女が終わらない!2 極光の大魔爛祭(マギアラフェスタ)」と魔法少女全23名のイラスト、固有魔法、その他プロフィールを掲載した「魔法少女図鑑Vol.1」を頒布予定です。

・お手隙のかたはぜひ「2日目 南2ホール h17a Southree」までお越しください。

・本編投下は相変わらず1日2~3回だと思います、次回から新章です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。