魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~ 作:天都ダム∈(・ω・)∋
☆『四回目』『一日目』『昼』☆ その2
「《
「そう、ファラフはウチのクラスでも一番 《使い魔》と仲良くやってるじゃない?」
『ホッホッホッホ』
ファラフの傍らで、ジーンが腕を組みながら笑った。
一度攻略したルートだから隠し部屋の場所もわかっているんだけど、会話の時間が欲しかったので一度ぐるりと回ってみる事にした。
幸い、ウッドマンはファラフが問題なく蹴散らしてくれているので進行は円滑だった。相変わらず他人頼りの魔法少女で申し訳ない。
「仲良く……というか、あの……すいません、《
うん、それは私もそう思うんだけど、それを言われたらこの話が終わってしまう。
「少なくともウチのレムリアは……手伝ってくれないなあ。ジーンはどう? 反抗期はあった?」
ファラフは傍らのジーンに軽く触れて、首を横に振った。
「た、確かに、ジ、ジーンは僕が駄目な時は、励ましてくれたり、怒ってくれたり、しますけど……指示に逆らったり、反抗したり、はなかったです……」
『ホッホッホッホ……』
端から見てても、ジーンはかなり感情豊かな《
喜怒哀楽がしっかりしていて、自我が確立されているのがよく分かる。
「あとは、相性が悪い生物を《
《
ファラフの《
「でも、レムリアは、リーンさんが作った《
役に立たないとは言え私が《
あれはどう考えても私の《
「なんだけど……半々、かなあ」
「半々?」
「レムリアは、死んじゃった魔法少女の《
「…………………………はぇ?」
「や、魔法少女って言うと語弊があるかな? 《
「…………え、えええ?」
「色々あって仇討ちは出来たんだけど、満足して死のうとしてたから、絶対に許してやるもんかって。砕けた《
「…………………………………………」
「ファラフ?」
いつの間にか私のほうが前を歩いていた。
振り向いてみると……しまった、ファラフがドン引きしてる。
「……………授業外の話だから、大丈夫だよ?」
「すいませんごめんなさい僕は何も聞きませんでした知りませんでした!」
聞いたことのないレベルの早口で謝られた……まあ、これを知ってるのは、学園じゃハルミ先生と、メアと、あとは隣のクラスの《
「で、でも、あの、すいません、一言、いいですか?」
「うん」
「その経緯で《
「それは本当にそうなんだけども」
「でも、もしかしたら、ファラフならば、こんな最悪な関係性の《
「例え全人類に同じ質問をしても全員が無理だって言うと思いますけど……」
おいおいおい、結構なことを言うじゃんか。
「少なくとも、僕とジーンの関係性とは、似ても似つかないですし……一緒にしてほしく……ないです」
……うん、これは結構、あれだね。明確な拒絶の意思と共に放たれた言葉だね。
ここまで言われてなお食い下がると、今後の友情にも影響が出そうだ、いや、すでに引き返せないレベルまで来ている気がする。
「……あの、無理やり、言うことを聞かせることだって、できますよね?」
「それもそうなんだけどね」
どっちのタイプであっても、結局、《
「けどまあ、最終手段と言うか、一度それをやっちゃうと、自発的に動いてくれることは一生なくなるじゃない?」
単純に《
ま、今回はレムリア抜きでやるしかないか……まあ、どっちにしたってここまでの会話はもともと
「……本当に、どうしても力を貸してほしいなら、《
そう思ったのだけれど、ファラフは意外なことに、そこから更に話を続けてくれた。
「寄り添う?」
「僕も、最初にジーンを作った時は、困ることもありました。《
「それはこう、うるせぇ黙れ死ねって言われるか、完全に黙殺されるかの感じで?」
「そんなの魔法少女と《
またしても完全否定された。いいよわかってるよ。私達は普通じゃないよ。
「そうじゃなくて、ジーンはちゃんとジーンの考えがあって、それを私が無視して命令すると……すごく嫌なんだなっていうのがわかって」
傍らのジーンのヒゲをくい、と引っ張るファラフ。
『ホッ!?』
痛覚的な物があるのか、ビクンッ! と身体を跳ねさせた後、主をじとっと睨み、トゥーンアニメさながらに、ぐるぐるとその場で回転して抗議の姿勢を見せた。
ごめんごめん、と宥めながら、ファラフは続ける。
「僕から生まれたこの子が、僕の知らない事を考えてて、僕とは違う意思を持ってる、僕じゃない誰か、っていうのが、不思議で……凄いことだと、思うんです。ジーンが初めて星を見たときは、すごかったなあ」
「星?」
「はい、夜空の星です。もう、大興奮で、見て見て! 空が光ってるよ! なんで? すごい! って大はしゃぎで」
『ホッ? ホッホッホ!』
ちょっちょっとご主人、恥ずかしいから言わないでよ! みたいな感じでぺしぺしとファラフのターバンを叩き始めるジーン。なるほど、確かに感情表現豊かだ。
死ね、か殺す、かくたばれ、以外の言動を発しない、我が家の《
「それから、僕も気づいたら、星を見るのが趣味になっちゃって……こういう島って、星が綺麗だから、今日も夜になったら、見に行こうかなって……」
「へー、それは知らなかった」
「あはは……落ち込んだり、嫌な事があった日とか、あと、眠れない日とか……ふと夜中に目が覚めたら、星を見に行ったりするのが好きなんです…遠い遠い光がこの世界に届いてるって、何だかすごい不思議で……」
そう続けたファラフの頬に。
「…………ん?」
瞳から、雫が溢れて、つぅと伝って落ちた。
たった一滴、樹皮で出来た迷宮の床に染み込んで、すぐに消えてしまった。
もしかしたら気のせいだったのかも、と思うぐらい、それはあまりに一瞬の事で…………いや、待てよ?
今なんか大事なこと言ってないか?
「ファラフ」
「……? はい?」
「今日も星を見に行くつもりなんだよね?」
「は、はい、そうですね。ご飯食べ終わったら……」
「夜中にふと目が覚めても星を見に行くことがある?」
「え、えと、そうです……ね? 割と頻繁に……」
「………………………………」
「リ、リーンさん?」
一回目も二回目も、ファラフは夜に居なくなった。居なくなって、帰ってこなかった。
「ファラフ」
「な、なんでしょう」
「今日だけはちょっと星見に行くのやめない?」
「な、なんでですかぁ!?」
「そうなるよなあ」
「きょ、今日のリーンさん、ちょっとおかしくないですか……?」
あるいは元からおかしかったのを今のままで気づいてなかったのか? という疑問がありありと見てとれる、警戒心に満ち満ちたすげぇ顔をされている。
何を間違えたんだろう、人生かな。
「…………実は、今日ちょっと嫌な未来を見て」
「ふぇっ」
「今までと違って数秒先じゃなくて、ちょっと先の未来というか……うん、そんな感じなんだけど、おかげで《
「な、なるほど……?」
「その未来的には、こう、今夜はさ、出歩くとすごくマズいらしいんだよね」
「そ、そうですか……」
………うーん、いまいち信用されてない感じだ。私自身が自分の言動に説得力がないのを分かっているから余計にそう。
数秒先の未来を見るのに《
「じゃ、その、今日はやめておきます……だからその、いつものリーンさんに早く戻ってくださいね……?」
私の言っていることを信じたというより、逆らうとどういう奇行に走られるかわからないから刺激しないでおこう、という感じの物言いだった。
まあ、夜歩きを止めてくれるなら、どっちでもいいか。
「あ、ファラフ、そこに隠し部屋あるよ」
「ええっ!?」
「お父さんを殺した」周りの経緯については同人文庫版「魔法少女が終わらない!上」に収録した短編「些細な事では終わらない」をご参照ください。