魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~ 作:天都ダム∈(・ω・)∋
クァトランが死んでいる。
『なぜだ?』
……ように、見えたはずだ。
だからクァトランが《
『なぜ君が生きている?』
私だって、一つぐらいはついておかないと。
「お、お嬢―…………!」
ふらふらと、クローネが立ち上がって
「なんだよぉー、生きてるじゃんかよぉー、びっくりさせんなよぉー……」
クァトランの背中に抱きついて、演技も忘れて、ばんばんとマペットを叩きつける。
「何よそのツラ。私が死ぬわけねーでしょ」
「だって腕しか残ってなかったじゃんかー!」
「引きちぎって置いといたのよ、私が無事だったらそもそも
…………うん、事情を全部説明して、『ごめんクァトラン、騙し討ちしたいから片腕もらっていい?』って聞いた私が全部悪いんです。
『……仕方がないか。よく考えれば、大きな問題ではないのかも知れないね。君は普段と違って、とても大きく消耗している。《
けれど――――はっ、と
「《
『む――――――』
とっさに、その巨躯で跳躍した
「余所見なんて余裕あるじゃない」
――――いつの間にか、クァトランは
どうやってそこに移動したのか、私の目では知覚できなかった。
いや、多分、この場の誰でも、そうだったに違いない。
「それよりアンタ」
が、とクァトランのヒールが、
「ちょっと」
一度、二度、三度、四度。
「頭の位置が」
踏み込むたびに、サイズ差などないかのように、
「高いんじゃないの?」
五度目の踏み込みは、勢いをつけて。
「に、逃げろ!」
ラミアが叫び、皆がそれに従った。
『ぐ――――――――』
私達が束になっても敵わなかった、ただただ蹂躙されるだけだったあの
何故、クァトランは
何故、クァトランは角を解かれたくなかったのか。
何故、クァトランは最強の魔法少女なのか。
宙に浮かんで魔法を振るうその頭には、四本の角が聳えている。
あらゆる悪魔を上回り、あらゆる悪魔を封じ込め、あらゆる悪魔を貪って、己がモノとして扱い振るう、暴君たるクァトランの
即ち――《
魔法少女の力の根幹である、悪魔そのものを自分の力にするのだ。
そんなの、無敵で、最強に決まってる。
頭をめり込ませながら、
「《
その巨腕の肘から先が、黒炎に焼かれて蒸発した。
『この――――――』
「《
クァトランが展開した《防壁》に触れた瞬間、それらは塵になって消えた。
どころか、《防壁》そのものを押し付けると、まるで鉛筆に消しゴムにかけたかように、
『なぜ――――』
新たに肩の辺りに形成された、大きな口のような器官から、黒球が飛び出した。
密度も勢いも速度も、最初のものとは比べ物にならない。
「《
そんな破壊の塊を、クァトランは平手打ちで弾き返した。
しかも、自身の《
『どこから、そんな《
そこまで告げてから、
眼下で、戦いを見ているだけの、魔法少女達を。
その中にいる、もっとも弱く、もっとも力のない、
目が合ったので、せっかくだから、ひらひらと手を振っておく。
「私は最弱の魔法少女だから、逆立ちしたって、悪魔になんか敵わない」
そもそも、今だって死にそうなぐらい苦しいのだ、戦闘なんて、御免被る。
だから――――
「私にできることは、
『――――――――――』
「だから余所見すんな、っつー …………のっ」
動きを止めた
高粘度のゼリーを引きちぎったような、ぶつっという音がして、ニアニャを飲み込んだ頭部が、べちゃりと地面に落下する。
『お――――――――』
「ニアニャの側にずっといて、アタシの側にずっといて、まだ理解が足りてないみたいだから、心の広ーい私が、親切心で教えてあげる」
クァトランの指先に、再度、黒い《
「《
それは薄く薄く引き伸ばされた、巨大な刃となって、残された
「アタシの
刻まれた部位にクァトランの《
残っているのはもう、ニアニャを包んでいる頭部だけで、それすらも、ほとんど残っていない。
……それは、私からすれば、とてもとても長かった戦いの、完全な決着だった。