魔法少女が終わらない! ~陰謀もギスギスもドロドロもありな全員死亡のバトルロイヤル展開から時間逆行魔法を駆使して目指せ大逆転ハッピーエンド!~ 作:天都ダム∈(・ω・)∋
-2.魔法少女の追憶
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レイヴン・グレイヴは《
と言っても、生まれた時は名も姓も違った。今のこれは、新しい自分の名前だった。
代々続く墓守の一族であり、《ツヴァイア帝国》がまだ国の形を成す前から、象徴として存在する聖樹カルラ・コルナの麓で、役割を終えたスフィアを埋葬する役割を担っていた。
度重なる政変の中にあっても、貴族階級とは違う位相に在るが故に途絶えず、役割に殉じる事で存在を認められてきた、とも言える。
だからこそ、墓守の家に生まれた魔法少女には厳しい教育が課せられた。
立ち振舞い一つ、言葉使い一つに細心の気遣いを求められた。正しくあれ、清くあれ、死者を送るに相応しき、清廉潔白な魔法少女であれと、事ある毎に、刷り込むように言われ続けた。
彼女は家族を愛していた。
産みの母の膝の上で、本を読んでもらう時間が好きだった。頭を撫でられながら、よく頑張ったねと褒められることは、彼女にとって何よりの誇りだった。
同じスフィアの彩りを有する母に肩車してもらって、手の届かない場所に実った果実を採って、分け合って、夕飯前につまみ食いしたことを秘密にしてもらった一時を愛していた。
両親とて、そうだったに違いない。確かに愛してもらっていたはずだ。確かに期待してくれていたはずだ。
けれど、それでも尚。
墓守の家系である以上……
厳しい教育も、《
彼女の傍らに、クロウは常にいた。
四歳の頃、傷ついたカラスの雛を拾い、甲斐甲斐しく世話を焼き、《
失われた命を取り戻そうとするなど、あってはならないことだった。
家の名前を使い、帝国図書館の深層に通い詰め、まだ一桁の年齢の子供は、外法を収めた禁書を見つけ出し、読み解き、暴き立て、その手段にたどり着いたのだ。
禁忌の代償として、レイヴン・グレイヴは左目を失った。
ライムグリーンの綺麗な瞳は血のような赤に染まり、光を見る機能を失い、体の一部を生贄に捧げた証明として、白い部分が黒く染まった。邪法に手を染めたことが、誰がどこからどう見ても、一目でわかるスティグマ。
そうまでして呼び戻したかった
家族を失い、片目を失い、未来を失い、そして二人の母から、捨てられた。
いや、捨てられた、という言い方が正しいかわからない。
一族にこのような汚点は存在してはならないと、愛して、愛されていたはずの両親から、生命を奪われかけたことを、どう表現していいか、彼女にはわからない。
気がつけば、もう終わったものとして埋められていて、それでも死にたくないから這い出そうとして、力尽きる寸前で、とある魔法少女に救われて――――そして、〝春の家〟へたどり着いた。
「《
「そうですねえ、クロウ、ヴァローナ、ヴァリス、カルガとか……」
新たに保護者となった魔法少女が、指折り数えるのを聞いて、
「それと……レイヴン、ワタリガラスですね」
「……それにします」
「え?」
「わたしの名前、それにします。
新しい自分のことをそう定めた。レイヴン・グレイヴという名前は、彼女自身が、自分でつけた。
《
自分が苦しめて、二度死なせた《
そしてこの後、出会うのだ。
何もかもが気に食わなくて、何もかもが鬱陶しくて、反りが合わなくて、幾度となく喧嘩を繰り返し、幾度となく傷つけ合い、幾度となく憎んだのに――いつの間にか、隣に居ることが当然になってしまった二人と。
親にはなれない親代わりと、姉妹にはなれない三人組。
レイヴン・グレイヴは家族を愛している。
それを奪おうとするものは、誰であっても許さない。
◆
実際に子供を宿して産む方。
◆
子供を宿させる方。
《
スフィアを触れ合わせてお互いの《魔力》を混ぜ合わせ、それを受け取った方が妊娠します。
なので同カップルだけど母体が違う、みたいな状況がちょいちょい起こりがち。
《
生まれてくる子供は高確率で魔法少女です。