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第一話 祖なる者、小さな人間
風の音だけが聞こえ、それ以外には何一つ無いこの空間の中心に、場違いな程に美しく神々しい白い龍がうずくまり眠っていた。
時間帯は深夜、絶えることのない戦火が空を赤く染め地獄のような空間となっているそこに不意に別の何かの存在を示す足音が聞こえた。
「くあぁぁ…何も真夜中に此処に来なくても良いだろうに…」
眠たげな目線の先には予想どうりにハンターが武器を構えていた。それも一人で。年もたいしたことはなさそうな見た目で少し高めに考えても20にも満たない小柄な少女だった。
面倒だと祖龍、ミラルーツがため息を付いたと同時に少女は獲物を抜きこちらに向かってきた。その目は真剣で恐れがなく、真っ直ぐだが生憎とそんな信念やら決意に付き合う気も無いので適当に尻尾を振り、少女を吹き飛ばした。
「うっ!?げほっ!ごほ!!」
少女は古塔の壁に派手に激突しむせ込んだが、すぐにまたこちらに向かって走ってきた。それをもう一度軽くあしらう。殺す気はないので早めに帰ってもらおうとルーツは考えたが、その少女は倒れて気を失うまで向かってきた。
その後、少女の目的に興味がわいてきた。怒り狂ってもないし、死にたがってるわけでもない少女の目的が何かを・・・
好奇心だけでミラルーツは『人の姿』となり少女の怪我の手当てをし、少女が起きるのを待つことにした。