転生したら亡国の王様になった件   作:宇京

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この小説の前史的なものです。
本編に積極的に関わってくる訳ではありませんし、後々にも説明することです。
オリジナル設定なので注意お願いします。


Episode.II{ソレイユ王国}

 ソレイユ王国は現在のイングラシア王国とファルムス王国の間にあった湖に面した国家。

 西方大河を利用し河川貿易で莫大な富を得ており、王都アクアは湖の畔の山脈から湖に注がれる河口部分に位置していたことから「青き美しい水の都アクア」とも呼ばれていた。

 

 そんなソレイユ王国を治めてきた王家の歴史は長く複雑だ。その2000年に近い年月に起こった出来事をかいつまんで語るならば以下の通り。

 

 帝剣暦447年、時の魔導帝政ローエンの君主、アドリアン3世帝の治世下で一人の勇者が領土を賜り、同地の領主となったことがすべての始まりである。陽光の恵みを受けた大地の意を取りその地はリュミエール公領と呼ばれ、その地を賜った勇者ことフランソワ・ソレイユはリュミエール公爵となり、この時より姓をリュミエール=ソレイユへと改めた。

 時代が幾代進み、勇者フランソワの子孫たちは公平かつ平等に統治を行った。また、開明的な公爵が相次いだことからリュミエール公領はローエンのなかでも繁栄を謳歌していた。当時の魔導帝、セプテュミヌス帝の時代には「リュミエール公は臣の中の臣。帝国諸侯はリュミエール公を範とせよ」と謳われるほどであったとされる。しかし、このセプテュミヌス帝が流行り病によって年若く崩御したのが契機となったのか、リュミエール公とその領土は動乱に巻き込まれることになる。

 帝剣暦589年、後の世に稀代の暗君と呼ばれる魔導帝マクシマン2世の時代に600年余りの年月に渡って西方に君臨した超大国は度重なる戦争、飢饉、内乱によって内側からボロボロと崩れていき、マクシマン2世が暗殺されたことにより諸侯は次々とローエンから独立していき、マクシマン2世が暗殺されてから2年と経たず魔導帝政ローエンは崩壊した。

 

 ローエンの崩壊と共に独立したリュミエール公国は周辺の旧ローエン諸侯の領土を婚姻政策によって次々と獲得していき、独立から50年が経つ頃には領土はローエン時代の約3倍、人口は約7倍へと成長しており、西方の中でも大国と呼ばれる地位に達していた。

 当時のリュミエール公シャルル=フランソワ2世はある戦争の功からルミナス教法皇より「ルミナス教徒の守護者」の称号と王号を許るされ、戴冠されたことでソレイユ王国が創始され、同年より暦を「戴冠暦」と定めた。戴冠暦1年11月20日のことである。

 

 戴冠暦145年、ソレイユ王国を建国したリュミエール=ソレイユ王朝は直系が断絶し滅亡。ソレイユ王にはリュミエール=ソレイユ家の分家であったエピエ家の当主リヨン公ルイ2世が国王ルイ4世として即位するに至り、エピエ王朝が開かれる。その後も断絶と分家からの王位継承が繰り返され、王朝はエピエ、アストル、ランス、マーブルと遷移し、戴冠暦1670年を迎える頃にはソレイユ王位はマーブル家の分家の末席にあったオーレパルト家へ継承される。

 戴冠暦1813年、時のソレイユ王フランソワ12世の時代。フランソワ12世の子や孫は既に亡くなっており、次期王位を継承することが決まったのは王太孫ルイ=フランソワの三男「ヴィクトル」であった。選ばれた理由の一つには成人まで元気に成長しそうな者で一番年長だったのがヴィクトルだけだったというものがある。長男ルイは夭折、次男ジョゼフは生きているが病弱で王の政務に耐えられると考えられていなかったことから三男のヴィクトルに白羽の矢が立った。と言う訳だ。

 その1年後、フランソワ12世は病気によって崩御。予定通りヴィクトルがソレイユ国王に齢8歳で即位した。しかし、ソレイユ王国は隣国からの王位継承に関して干渉を受け戦争が勃発(ソレイユ継承戦争)。本来であれば、西方評議会加盟国のソレイユが攻められることはなかったが、ソレイユは歴史的背景や思想の違いからドワーフやエルフなどを多く国民として扱っており、魔人も住んでいた。これは魔物を完全な悪とするルミナス教の教義からは異端であり、戦争が黙殺される結果となった。幾人もの異世界人や優秀な魔術師・騎士を抱える隣国に対し往年の精強さや洗練さを欠いたソレイユ王国は瞬く間に征服された。ヴィクトルは廃位させられ国外追放。ヴィクトルの母や弟妹たちをはじめとする多くの王族が国を追われた。かつて「青き美しい水の都アクア」と謳われたソレイユ王国王都アクアは戦火に飲まれ灰燼に帰し、廃墟の都となった。戴冠暦1815年7月、ここに約2000年に渡り同地を統治した勇者"聖フランソワ"の末裔は国を追われソレイユ王国は滅亡した。

 ルイ=ジャン・ヴェルファイア著「ソレイユ王朝、誕生と衰亡」より抜粋

 

 

 

 そして時が流れ元国王ヴィクトル17歳。

 A級冒険者となった彼はジュラの大森林は封印の洞窟。暴風竜ヴェルドラが封印された地に訪れていた。

 

 

 

Episode.II{ソレイユ王国}




ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回は2本立てでお送りいたします!!
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