嘘つき天使のショータイム 〜その奇跡、詐欺です〜   作:蒼く生きる

1 / 4
こちらはプロローグになります!
厳しく意見や提案、お待ちしています


プロローグ

プロローグ

 

最初に言っておこう。異世界転生で無双する詐欺師を見に来たんなら、君たちは騙されたね。残念。

 

 

今、僕の胸には十字架が刺さってる。宗教的な喩えじゃないよ。ホンモノの、教会のやつ。the天罰ってカンジだ。…でも、「同情」なんてしないで欲しい。

トラウマがあるからね。

胸が熱い。痛い。呼吸が出来ない。…死ぬってこんなに辛いんだ。いやー。もっといろんな人を騙したかったのにな。…騙されてみたかったのにな。

 

 

「おーい。生きてる?…あ、死んでたわ。ウケル。」

そんなポップな声で目が覚めちゃった。

無機質な白い部屋。視線が低い。どうやら椅子に座っているみたい。

向かいには、180cmはありそうな褐色の女。何かスポーツでもしてたのかな?白いピッチリスーツに、頭の上では光輪がクルクル回っている。CGには…見えないね。

「よっ罪人!ようこそ天国へ!」

なろうのテンプレート、飽き飽きだよ、全く。

「浮島環(うきしまめぐる)。あんたさ。自分がしたこと…分かってる?」

「んー…あいにく、十字架が刺さったインパクトが強すぎてさ。覚えてないね。」

「…あんた今日、晴明光一(はれあかりこういち)とかいう善良な市民を騙したみたいじゃん?」

ああ、そんな奴いたね。カモのことなんて覚えてないからね、僕。

「自称神父として100均の壺を売りつける…しかも10万で!?ウケるんですけど!!」

「君の輪っかも同じ値で売れるよ。」

「…『君』じゃない。あーしはメタトロン。記録の天使やってまーす。」

「へぇ。変な名前!でもカワイイね。」

てかなにこのギャル口調。天使ってこんななの?

「…晴明を騙した理由ある?」

「理由?勿論。理由もなく人を騙すなんて最低だよ全く。」

「あっても最低だし。」

「あいつは働かずに親の金でゲームに課金してるクズ。今壺を買わないと神様が逃げる!なんて言ったらATMへ直行。…人って決断迫られるとさ。本性が出るんだ。その瞬間。まるでデザートだよ。」

…それに本心が出る、その瞬間だけ、僕は【対等】だしね。

そう。その瞬間だけだった。僕に本心で…同じ目線で話してくれる人がいるのは。…ま、そんなこと、このギャルに言っても無駄か。

「…そんなデザートバズんないよ?」

「ひどいなあ。見た目は悪いが絶品だよ?」

「…へぇ。あんたの気持ちよ~く分かった。…残念だけど、天罰ルートだね、こりゃ。」

…僕の気持ちが分かった?それは凄い。詐欺師の素質あるよ君。…僕の本心を出せるやつなんていない。

——この世に1人もね。

「…罰ってどんなの?小動物に囲まれるとか?」

「饅頭も怖がるだろうなあ!?あんた!…安心してよ、きっと気に入る。刑罰は…異世界転生だからね。」

「…は?」

 

 

それって罰になるもんなの?ニートへのご褒美じゃない?アレ。

「これはヒキニートを馬鹿にしたあんたへの刑罰。リスポーン可能、スキル選んで。魔王を倒せば刑期終了。」

これまたありがちな展開だね。僕頭いいし、無双しちゃうね。君たちもそれを見に来ただろ?

「…んで、スキルは?」

「一つ 巻き爪にならない。

二つ スカしっ屁の成功率100%」

…。失礼。お洒落な皮肉も浮かばない。

「…ええと、状態異常にならないor回避率100%?」

「もう一回言う?」

「ああ、もういいよ。…とりあえず、ワシに死ねというんじゃな?」

「ま、そうなるね。」

ホント神様本気出しすぎだ。

「…まあ落ち着きなって。あんたにも同情できる点はあるし。」

———同情。その言葉が僕の陽気な顔を歪める。

「…同情?」

最悪だ。僕の一番嫌いな言葉。思わずいつもの調子じゃ居られなくなる。

僕は歪んだ顔のままかすかに笑って答えた。

「…悪いけどそれ、やめてもらえる?花粉よりアレルゲンなんだよね。同情ってやつは。」

一瞬息が詰まる。僕の体が強張っていく。

「…地雷だった?」

メタトロンの声が優しくなる。そんな優しさが嫌いだって言ってんだよ。

「…天使が偉そうに僕に踏み込むなよ。」

「可哀想。」ふとこの言葉が頭をよぎる。ある時は同級生。ある時は教師。…ある時は家族に…。

僕はちっとも可哀想じゃなかったのに。

そんな世界が…大嫌いだった。

…そして僕はこの後、自分の怒りに後悔することになる。

 

 

全く皮肉なもんだよ。人を傷つける詐欺師の僕が、人を癒す【天使】にされちゃったんだから。

本当に神様は僕のことが嫌いらしい。




とにかく意見を下さい!!僕1人じゃ小説は書けません。
皆さんと一緒に賞を目指す!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。