尻尾生えたせいで日常生活がヤバい   作:きちゅね

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 最近、飼ってるペットを風呂に入れました。

 腕がボロボロです。


見られる

 

 

「...」

 

 飯を食いク◯をして寝るだけの生活。

 

 自宅待機三日目にして心が死にそうです。

 

 この三日間であったことは、風呂に入れないことに気がついたこと、友達にLINEを返したこと、とある配信を見たことだ。

 

 三日間で三つしかイベントが起きていない。しかも、その内の二つは一瞬で終わったし。

 

『部屋の前に食器置いとくで』

 

 ニートみてぇな生活してんな俺。心折れそう。

 

『改めて思ったけどニートみたいね』

 

 折れたわ。

 

 傷心しながらもベッドに倒れ込むわけにもいかずため息をつく。

 

 風呂に入れたらななんて考えが浮かび上がるが家族一同、「風呂が詰まるからダメ」と言われてしまっては、諦めるしか無い。

 

 汗拭きシートで我慢しながら肩周りの柔軟を決意していると友人からLINEが届いた。

 

『数学p.23〜24、物理p.30』

 

『さんくす』

 

『ラーメン奢れ』

 

『気が向いたら』

 

 はい、友人との会話終了。

 

 もっと会話してるイメージがあった?残念ながら俺もアイツも文を打つより口で喋る方が好きなので致し方なし。

 

 そういうことで三つあった内の二つの話題が消化されて残り話題は一つ。

 

 それは、とある配信を観たことだ。

 

 俺には、ダンジョン配信を見るという趣味がある。

 

 謎技術で浮かぶカメラで配信しながらダンジョンを攻略するという一種の娯楽だ。

 

 そんな趣味を持つ俺は、自宅待機が始まっても配信観たらすぐに過ぎ去るやろななんて思っていたのだが。

 

 配信の急上昇ランキングでこんな配信動画がランキングに急上昇していた。

 

『切り抜き/世界で5人目の獣系スキル保持者発見される』

 

 というタイトルで投稿されていた。

 

 俺は、配信を観るのは好きだが観られるのは好きでは無い。

 

 だが、自分だと思われる人がランキングに載っていたら否が応でも気になるわけでその動画をタップした。

 

『ビリリリリィ!』

 

『すみません上から人呼んできてもらっていいですか?後、何か服を』

 

『なんで服が破れんだよぉ...』

 

 そしてスマホの電源を消した。

 

 死にたい、まじで死にたい。

 

 俺の痴態が全世界に発信されているという事実に眩暈がする。

 

 動画では、顔がモザイク処理されていたため俺とは分からないが尻尾が消せないため外に出たら...まぁ...そういうことだ...

 

 自宅待機がいつまでも続いてくれという願いを打ち砕くように明後日ごろに服が完成しますというメールが来た時は、筆舌し難い思いだった。

 

 朝昼晩に例の動画がランキングから外れていないか確認したが今もなお頂点より少し下に健在している。視聴数?見たくない。

 

 というわけで現実から目を背けるために課題をしていく。

 

 教科書とノートを出し筆記用具からシャーペンを取り出し手に持ち没頭していき考える。

 

 どうか、あの動画が世界から消えていますように。と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これとか良くないですか!ほらこの着物!尻尾とマッチしてめちゃくちゃ似合いますよ!」

 

「そうっすね」

 

「あぁ!でもこの服も捨て難いですねぇ...この腹だしファッションも....」

 

「そうっすね」

 

「試しにこのメイド服着てもらっても...」

 

「そうっす...って何着わせようとしてるんですか。そろそろ顔凹ませますよ」

 

 あれから2日後、服が完成したから取りに来てくれたのメールが来たため暇そうにした父に頼み車を出してもらった。

 

 目的地に着きそれで服がある部屋へと案内されたんだが、かれこれ数時間はここに閉じ込められている。

 

 主な原因は、目の前の服を持って興奮している変態のせいだ。

 

 彼女が、俺の服を作ってくれたのだがまぁ...いわゆる貴腐人という方だ。

 

 専門家の知人らしく費用も全て専門家が払うらしい。

 

 いいんですかと問い掛ければ、「アイツが許可出したからいいよ!ということで次はこの服を...」と返された。

 

 費用を持ってくれるのは嬉しいがせめて違う人が良かったなぁ...

 

「失礼します...ってまだ着せ替え人形状態か。まだなのか?」

 

「急かすなら助けてくれ」

 

「頑張れ」

 

 まだかかりそうと思ったのか父はまた部屋から退出した。

 

「親子モノ...やったことないけどアリか...!?」

 

「本当にお願いしますから、やめたください」

 

 モデルが俺と俺の父とか本当に嫌、ていうかあなた達(BL女子)はそこまで罪深き存在なのか...

 

「あ、ちょっと待ってくださいね」

 

 電話が鳴り対応するため部屋から出ていった。

 

 強制的に着せられた着物を全身鏡で確認しながら待っていると。

 

「アイツからやりすぎって怒られちゃったから服渡すね」

 

 専門家さんまじでナイス。でもこの人に依頼したのは許さん。

 

 ということでダンボール箱を受け取り父に電話し迎えに来てもらう。

 

「お、ようやく解放されたか」

 

「何ニヤニヤ笑ったんだよ」

 

 父がニヤニヤと笑いながら近づいてきた。

 

 その後、父に車を持ってきてもらい車へと乗り込んだ。

 

 そこで分かったことだが専門家の人に俺のことを伝えたのは父らしい。本当に助けてもらえるとは思ってなかった。

 

 父は最高かもしれない。

 

「感謝しろよ?」

 

「まじで感謝」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄ちゃんなんで着物着てるの?」

 

 やっぱり父はカスかもしれない。

 

 






 
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