真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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呪霊狩りと宿敵

2018年11月8日。

──渋谷事変から、1週間。

虎杖悠仁は、脹相と共に行動していた。

 

──両面宿儺による大虐殺。

──七海建人の死。

──釘崎野薔薇の生死不明。

──東堂葵の左腕喪失。

そして──

 

──そして、命を懸けて追い詰めた真人に逃げられたこと。

あの時、横から現れた女の呪霊に、全てを崩されたこと。

 

加えて、五条悟が封印された獄門疆すら,

羂索に持ち逃げされたこと。

 

それら全てが、虎杖の胸を苛んでいた。

“自分がもっと強ければ”

"せめて,責任をとってから死ななければ"

──そんな自責が、今も刃のように心を切り続けている。

 

虎杖は、兄・脹相と共に、未だ渋谷に残る,

羂索によってばら撒かれた呪霊たちの討伐を続けていた。

 

人を守るためというよりは、呪いに呑まれないため。

何かをしていないと,壊れてしまいそうだった。

 

だが、その殺意は怒りではない。

焦りでもない。

ただ、静かに研がれた“殺すための意志”だった。

 

脹相は、そんな弟の姿を、痛ましさを覚えながらも、

口出しはしなかった。

 

ただ寄り添い、共に行動し,呪霊を祓い続けることで、

弟を支えていた。

 

虎杖が先行し、異形の呪霊を引きつけて駆けてくる。

 

虎杖「……脹相!!」

 

脹相「——赤血操術・苅祓(かりばらい)」

 

ギュゥゥゥンッ!!

空気を裂くように、血で形成されたチャクラムが飛ぶ。

ズバァァァ!!

呪霊の脚が両断され、その胴体がバランスを崩して崩れ落ちる。

 

脹相「悠仁。」

 

ドゴォォォォン!!

虎杖の呪力拳が、

コンクリートの壁に呪霊を叩きつけるように振り下ろされる。

その拳は,呪霊の頭部を潰し、呪力が内部で炸裂。

 

ザフッ……

呪霊の体は、一撃で霧散した。

 

言葉少なに。だが、完璧な連携だった。

二人の動きには、迷いも齟齬もない。

 

その直後。

 

渋谷駅、井の頭線方面——

そちらから、ビリビリと肌を刺すような、

極めて濃密で、殺意に満ちた呪力反応が伝わってくる。

 

虎杖の瞳がわずかに揺れた。

──絶対に、忘れない。

 

あれは。

大勢の人の命を弄び。

順平を殺し,七海を殺し,釘崎を壊し。

東堂の左腕を破壊した。

自分の手で「絶対に殺す」と誓った、宿敵の気配だった。

 

脹相「……悠仁。気づいたか」

 

虎杖「ああ。……来るのが早すぎる。だが——」

 

鋭く、視線を切り替える。

 

虎杖「挟み撃ちにするぞ。今度こそ──確実に祓う」

 

頷き合ったその刹那。

虎杖と脹相は、即座に二手に分かれ、

呪力の奔る方向へと走り出した。

 

それは、宣戦布告。

因縁の再戦は,開始まで秒読みとなっていた。

 

 

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