真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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虎杖vs真人——その代理戦争

一方──

脹相と祈月は,無言で対峙していた。

 

初対面。何の因縁も関係性もない。

だが。

 

脹相は、兄として,弟である虎杖悠仁に加勢し,支えるために。

祈月は、魂で選んだ相手である真人の敵を排除するために。

 

ふたりは既に結論を下していた。

「目の前の相手を殺す」

——それは,まるで虎杖と真人の代理戦争のように。

 

祈月は静かに,すっと右手をかざす。

その動きは探るように、空中の一点一点をなぞる。

 

切断バリアの“設置座標”を精密に測るための動作。

 

だが。

 

それが完了するよりも先に、脹相が動く。

 

脹相「百斂──穿血!!」

 

瞬時に圧縮された血が、掌に収束。

一直線に祈月を貫かんと放たれる!!

 

ヒュウン──!!

 

祈月は地を這うように身を低くし、穿血を躱す。

そしてそのまま──路面を蹴って、走り出す!

 

大きくカーブする軌道のダッシュ。

滑らかに軌道を変える穿血をかわしつつ,

脹相めがけて走る。

 

祈月の術式、彩城魔壁。

空間座標に,薄い刃のような“切断バリア”を貼り付ける術式。

 

ただし、その設置座標が離れていれば離れているほど、

精度はブレやすくなる。

 

10月31日,羂索との戦闘では。

「逃げる祈月 vs 追う羂索」の構図だった。

 

自分の背後に仕掛けたバリアの位置に、

相手が勝手に突っ込んでくる。

殺せなくても、バリアを当てられなくても,

追跡を牽制し,逃げ切れればそれでよかった。

 

だが──今は違う。

 

脹相は真正面から対峙する敵。

 

しかも、一級術師相当の実力者。

バリアを"肉体直置き"で殺せる“足切りライン”の相手ではない。

 

だからこそ、祈月は“読み”に徹する。

脹相の動きを予測し、狙いを定め、

切断バリアを“空中”に設置し、

そこに突っ込ませる必要があるのだ。

 

穿血を躱しながら距離を詰めた祈月は、その勢いのまま──

跳躍し、脹相へ向けて鋭い蹴りを放つ。

 

脹相は即座に反応し,後方へ跳び退く!

 

その瞬間。

──ズパァッッ!!

 

祈月が、後退先を予測して予め設置していた切断バリア。

 

脹相は、直撃こそしなかったものの—-

バリアの端が、脇腹をかすめた。

 

その直後。

 

ドバァッ!!

 

裂かれた傷口から──不自然なほどの大量の血が、爆発するように噴き出す。

 

祈月「!?!?」

 

思わず飛び退く。

 

この出血量は、普通じゃない。

(…ッ、これ──アイツの術式……!?)

ならば、これを被るのは危険だ。

 

大量の血飛沫が、祈月の視界を奪うように舞う。

 

──その瞬間、脹相の姿は消えていた。

 

祈月「……っ、どこ!?」

 

視界を覆う血飛沫の幕。

姿を消した脹相の気配を、

祈月は即座に呪力探知へと切り替えて探る。

 

その瞬間──視界の端に微かな揺らぎ。

浮遊する、小さな赤い球体。

脈打つように震える、呪力を帯びた“血の塊”。

 

祈月(っ──!?)

 

「──超新星」

 

ズバババババババッ!!!

血の球が一斉に破裂。

そこから放たれた無数の血の散弾が、

拡散射撃のように祈月を襲う!

 

だが──

超新星が放たれるその寸前,

反射的に、祈月は身体と血の球の間にバリアを展開し,

身を守るように滑り込ませていた。

 

血の弾丸の大半はそこで防がれる。

しかし、全ては防ぎきれず。

 

ズバッ!

 

祈月の左腕を、鋭い一発が掠める。

肉が裂け、鮮血が飛ぶ。

 

祈月(っっ……今の、直撃してたら──終わってた……!!)

 

──脹相の血液は、人間にとっては“毒”に等しい。

 

彼が呪霊と人間のハーフであるがゆえ、

その血は人外のもの。

 

通常の人間であれば、血液同士が混ざった瞬間に拒絶反応が起き、戦闘不能となる。

 

だが──祈月は呪霊。

同じ“人外”であるため、その毒性は通じない。

 

しかし——

脹相(毒が効かずとも,物理的に削り殺せば良いだけだ)

 

腕を抑えながら、祈月は呪力の方向を探る。

“超新星”への呪力の射出位置

──そこから、今の脹相の居所を読み取る。

 

祈月(そこか……!)

 

即座に駆け出す。

──だが、その一歩に合わせて。

 

脹相「赤血操術──苅祓!」

 

ヒュオン──!!

 

鋭い軌道を描いて、飛来する血のチャクラム。

 

だが祈月は止まらない。

軌道の前方、空中にバリアを瞬間展開!

チャクラムは、バリアに激突。

 

バチィッ──!!

祈月「彩城魔壁──逆流波!!」

 

相手の攻撃から呪力を吸収し、その方向を反転──

バリアに溜めた呪力を一気にビームとして逆流発射!!

 

ズオオオンッ!!

 

強烈な直線ビームが、脹相を撃ち抜かんと襲いかかる!

 

だが!

脹相「赫鱗躍動・載!!」

 

瞬時に体内の血中成分を操作し、身体能力をブースト!!

 

そのブーストされた動体視力のままに,

ギリギリで逆流波の射線から離脱!!

 

スッ──!!

 

祈月のビームが脹相の頬をかすめ、

背後のコンクリート壁を貫く。

 

地響きとともに、粉塵が舞い上がる。

 

祈月(っ……避けた……!?)

脹相(避けられた…が,ギリギリだったな…)

 

目にも止まらぬ高速のステップで、脹相は再び姿勢を整え

——-

両者、再び対峙。

 

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