真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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特級達の衝突

地面に崩れ落ちた虎杖。

その胸には,真人の鳩尾から伸びる巨大なトゲが、

心臓を正面から貫通していた。

 

真人は、それを静かに引き抜きながら、

勝ち誇ったように微笑む。

 

真人「……だから、言った通りだったろ?」

 

虎杖を見下ろすようにして言葉を投げかける。

 

「オマエじゃ、俺には勝てない、ってさ♪」

 

ぐにゃり──

 

真人の右腕が、滑らかに変形する。

指先から肘にかけて、薄く鋭利な刃物状へと変貌。

 

──心臓を潰された時点で、通常なら即死。

 

だが、虎杖悠仁の中には、呪いの王がいる。

 

両面宿儺。

 

宿儺は,6月,少年院で,

自らの心臓を抜いたまま動き続け、

その後,修復すらやってのけたと聞く。

 

このまま虎杖が死ねば,宿儺も死ぬ。

宿儺とて,指15本の損失は痛いだろう。

 

よって,"心臓を潰しただけ"で虎杖を見逃せば。

この致命傷でさえも、

宿儺の反転術式で”帳消し”にされる。

 

だからこそ、真人は容赦しない。

 

宿儺すら修復不能なレベルで、虎杖の肉体を破壊する。

そう、今ここで──

 

真人(首を斬る──それで完全に仕留める)

 

腕を振りかぶる。

 

今まさに、虎杖の首を断ち切ろうとした──その瞬間。

 

──ぬるっ。

 

異質な呪力。

気配の輪郭すら掴めない、不気味な圧力。

 

真人「……っっ!!?」

 

背中に走る、ぞわりとした圧迫感。

反射的に、真人は後方へ跳ぶ。

 

その直後──

 

ズオォォォォンッ!!!!

 

──呪力ビーム。

 

つい先程の瞬間まで真人がいた場所に着弾。

 

地面が爆ぜ、砕け、瓦礫が火花のように四散。

 

その爆煙の中──ゆっくりと、“何か”が立ちはだかる。

 

それは──

 

異形の式神——リカ。

 

無言で宙に浮かぶそれは、

虎杖の身体の前に、まるで守るように立ちはだかっていた。

 

そして、その背後から。

 

???「虎杖君に,それ以上手出しはさせない」

 

──現れたのは、一人の少年。

 

黒髪を垂らし、長い刀を下げ、怜悧な眼差しを浮かべる。

そして——全身から呪力が立ち上っている。

 

乙骨憂太。

 

真人「……は? オマエ……」

 

乙骨はそのまま、無感情に言葉を続けた。

 

乙骨「本来なら,虎杖君の"処刑人”として来たんだけどね」

「でも僕は、虎杖君を殺す気なんかない──最初からね」

 

──ズズッ……

 

乙骨の背後。リカが低く唸るように咆哮。

 

乙骨「だから,君が虎杖君を殺すなら…君を祓う」

 

真人の口元から、自然と笑みが消える。

その代わりに浮かんだのは、微かな緊張。

 

特級術師との殺し合いが,始まろうとしていた。

 

そして,乙骨が虎杖の胸に触れた瞬間。

その掌から,正のエネルギーが流れ込み—-

 

シュウゥウ……ッ……

 

真人は,目を見開く。

それは、治癒。"反転アウトプット"。

 

破壊されたはずの心臓が、形を取り戻す。 

 

乙骨は,淡々と手を離した。

 

乙骨「すぐには目覚めない。けど──助かる」

 

虎杖の意識は戻らない。

心臓が潰れていた以上、完全な覚醒までは数時間を要する。

 

しかし──

死の一撃は、帳消しにされた。

 

真人の口から,苦々しく、奥歯を噛み締める音が漏れる。

 

(チャンスを潰された……! いや、それだけじゃない)

 

“反転アウトプット”──つまり、

正のエネルギーを、直接対象に叩き込めるということ。

それをされたら—-呪霊には,致命傷だ。

 

真人は,魂を術式で守っているため,

即死とはいかないだろうが,

 

確実に有効打になる——大ダメージは避けられない。

 

真人「……殺す」

 

即断。

 

真人「領域展開──《自閉円頓裹》!!」

 

乙骨は即座に応じる。

 

乙骨「領域展開──《真雁相愛》」

 

ギイイイイイィン……ッ!!!

 

空間が軋み、領域の押し合いが発生。

両者の必中効果は、打ち消された。

 

真人は,即座に思考。

(反転アウトプットが脅威でも、触れられなければ問題ない)

(改造人間をベースに撹乱する……!!)

 

──が。

 

乙骨「──動くな」

 

真人「っ!?」

 

呪言。

 

真人(……しまったッ!!)

 

咄嗟に呪力で防御しようとするが──

 

不意の一撃。間に合わない。

 

肉体が、拘束されたように動きを止める。

 

乙骨の眼光が鋭く細まる。

視線の先は──動きを封じた真人、ただ一人。

 

そのまま、音もなく距離を詰める。

 

乙骨「──終わりだ」

 

真人(……ッッッ!!)

 

本能が警鐘を鳴らす。

 

(触れられたら……“詰み”だ!!)

 

逃げたい。全力で逃げたい。

だが──肉体が動かない。

 

そして、乙骨の掌が目前に迫った──その時。

 

パリィィン……ッ!

 

領域の外郭が,一部ひび割れる。

領域への——侵入者。

 

ギイイイィィィン!!

 

乙骨と真人の間に,"切断バリア"が出現。

 

乙骨「っ──ッ!?」

 

すぐに踏みとどまり、手を引く。

触れていたら──手首が落ちていた。

 

乙骨の表情が、警戒へと切り替わる。

 

???「ごめん真人……遅れた!!」

 

現れたのは,

右腕をぐしゃぐしゃに潰されたままの──祈月。

 

祈月「言われた通り、アイツ(脹相)は始末したよ!」

 

片腕の激痛をものともせず。

祈月は,真人の傍らに駆けつけた。

 

 

 

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