真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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東堂参戦〜虎杖の戦線復帰

瓦礫の上に、半ば崩れるように倒れた釘崎の身体。

その顔の右半分は、ぐしゃりと崩れ、血と肉片が岩の上に飛び散っていた。

 

虎杖「く、釘崎……?」

 

声は震え、呼吸が浅くなる。

応答はない。虚ろな目が、天井のない空間をただ見上げていた。

 

真人「魂が見えなくてもさ、わかるだろ? “もう終わり”って」

 

──その一言が、音となって虎杖の胸を突き刺す。

 

次の瞬間、虎杖の両膝が砕けるように崩れ、瓦礫に崩れ落ちた。

拳に力は入らない。

頭が真っ白になってゆく。

 

真人「なあ、虎杖? オマエ、俺が人間を殺したって言うけどさ──」

 

真人が歩み寄る。

片手で虎杖の襟首をつかみ,

そのままぶん回すようにして地面に叩きつけた!

 

ズガァッ!!

 

虎杖「ッッ……!!」

 

真人「……オマエが殺した呪霊を、数えたことはあるかい?」

 

拳が、顔面に。

膝が、腹に。

虎杖の皮膚が裂け、骨が軋み、口から血が垂れる。

だがもう,立ち上がる気力すらない。

無抵抗のまま、虎杖は嬲られていく。

 

真人「無いよなー、俺も☆俺も⭐︎ 殺した人間の数なんて、マジでどうでもいいもん♪」

 

そして、真人の右腕が変形する。

刃と化した右腕が、大きく振りかぶられーー

 

真人「オマエのことも、そのうち忘れるさ」

虎杖の首めがけて振り下ろされる、その寸前!

 

パンッ!!

 

甲高い音とともに、真人の姿が──消えた。

 

虎杖の眼前に現れたのは,

首にロケットペンダントを下げた,

筋骨隆々なチョンマゲヘアの、一人の男。

 

??「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす……」

「ただし!!俺たちを除いてな!!」

 

虎杖「……えっ……東、堂……!?」

 

真人の攻撃は空を切った。

東堂と真人の位置が──ブギウギで入れ替わっていた。

 

東堂「起きろ虎杖(ブラザー)!!俺たちの戦いはこれからだ!」

 

虎杖の目に、僅かに光が戻る。

 

真人「……チッ、いま終わらせるところだったのに」

 

その声と表情は,

玩具を途中で取り上げられた子供のように不満げ。

気を取り直してトドメを刺すべく、

虎杖へと再接近する真人。

 

しかし──

東堂が素早く呪力を込めて石を投げ,

 

パンッ!!

 

乾いた音が、戦場に響く。

 

投げた石と真人との位置替え。

真人の視界が“横滑り”した。

視線の先にあった虎杖の姿が、一瞬で消え――

 

真人「ッッ!? ……こいつ……!」

 

虎杖達は視界の遠方へ。

真人の位置は、完全に切り替えられていた。

 

その直後、石の連続投擲,そして再びの拍手。

位置が次々に切り替えられる。今度は真横、その次は後方。

 

真人「んぅぅ……!」

 

間合いを詰めようとしても、

一歩先を越され,石と位置替えされる。

東堂のブギウギが、戦場そのものを独壇場に変えていく。

 

真人(鬱陶しい,攻撃が届かない……!)

 

思考の一拍遅れを突くように――

 

??「虎杖君っ!!」

 

不意に、戦場の瓦礫の隙間から駆け出してきた影。

新田が跳ねるように虎杖に駆け寄る。

 

新田「俺の術式を施します、虎杖君!!」

 

瞬時に片手を虎杖の背中に当て、

もう片手で五芒星の印をきり、術式を展開。

流れ込む呪力が虎杖の体内をめぐり、

破損しかけた器官をぎりぎりで保護する。

 

新田「君の今ある傷はこれ以上は悪化しません!治りはしませんが,出血が止まり,痛みが和らぎます!」

 

虎杖の身体が、ピクリと動く。

拳に力が戻り、地を踏む足に再び“重さ”が戻る。

 

そして──

 

新田「……あっちの子にも同じ処置をしました!」

 

新田の視線は、まだ血塗れで崩れ落ちたままの釘崎へ。

「呼吸も脈も止まってましたが……時間が経ってないんで……助かる可能性は……ゼロじゃない!!」

 

虎杖「っ……!!」

 

こみ上げるものを、声にできないまま飲み込む。

歯を食いしばり、震える拳をぐっと握る。

目の奥の“光”が、一度は沈んだその光が――再び、燃え上がる。

 

新田「俺は彼女連れて離脱します!ゼロじゃないだけですからね!期待せんといてくださいよ!」

 

 

言い切った新田は、そのまま釘崎の元へと走り去っていく。

 

そして、その肩越しに――

 

東堂「……よう、虎杖(ブラザー)──おかえり」

 

振り返れば、そこに東堂が立っていた。

戦場の緊張は、何一つ変わらぬまま。

けれどその瞳だけは、信じて疑わぬ光で虎杖を見据えていた。

 

虎杖は、小さく──けれど確かに、力強く応じた。

 

虎杖「……応ッ!!」

 

 

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