真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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詰み

2018年12月8日。

宿儺復活から、ちょうど一ヵ月が経過していた。

 

今,呪術界は——完全に,詰んでいた。

五条悟。

現代最強の術師にして、ただ一人の希望。

 

その存在は、いまだ封印されたまま。

 

獄門疆《表》は、依然として羂索の手中。

一方、獄門疆《裏》は天元が確保していたものの,

開く手段は、どこにも存在しなかった。

 

本来、獄門疆を破壊できるとされる呪具は、

ふたつあった。

 

《天逆鉾》——あらゆる術式を強制解除する。

 

《黒縄》──あらゆる術式を乱す。

 

だが──どちらも、もはやこの世には存在しない。

 

天逆鉾は、過去に伏黒甚爾が使用し、五条悟と激突。

その後、危険視した五条本人の手によって、

破壊もしくは封印された。

 

黒縄は、百鬼夜行の折に,

ミゲルが五条悟の足止め戦にて使用。

だが数十分の戦闘の末,

五条の術式に耐えきれず、完全に焼き切れた。

 

再生産は理論上は“可能”。

だが、そのためにはミゲルの故郷の術師が、

数十年かけて編み上げる必要がある。

 

つまり。

 

呪具による封印解除の可能性は、全滅した。

 

そして、獄門疆を破壊できる術式の持ち主は,

誰もいない。

 

残された唯一の方法。

それは、羂索から《表》を奪還すること。

 

だが、それはあまりに現実的ではなかった。

 

虎杖悠仁──死。

乙骨憂太──死。

脹相──死。

 

伏黒恵──依然として、宿儺に肉体を乗っ取られたまま。

 

残されたのは,

最後の特級術師、九十九由基のみ。

 

その彼女ですら、打倒羂索の勝算は、

天元にすら「薄い」と言わしめるほど。

 

呪術界は、戦力を失いすぎた。

 

10月19日。

真人による,メカ丸(与幸吉)殺害。

 

10月31日。渋谷事変。

特級呪霊たちと羂索による,五条悟封印。

漏瑚による、禪院直毘人殺害。

真人による、七海建人殺害。

釘崎野薔薇———昏睡状態。

東堂葵──左腕消失。

宿儺による《伏魔御厨子》展開での大量虐殺。

狗巻棘──左腕喪失。

羂索による,渋谷での,呪霊大量放出。

 

11月6日。

楽巌寺嘉伸、夜蛾正道を処刑。

 

11月8日。

祈月による,脹相殺害。

宿儺の完全復活。

宿儺による《伏魔御厨子》展開での

虎杖悠仁,乙骨憂太、伊地知潔高殺害,及び大量虐殺。

 

11月12日。

禪院真希による,禪院家壊滅。

 

そして今。

12月8日。

状況は一切改善されず——

悪化の一途を辿っていた。

 

宿儺。

羂索。

裏梅。

 

加えて、未だ消息の知れぬ呪霊・祈月と真人。

 

希望と呼べる光は、もはや存在しない。

天元でさえ、沈黙するほどの絶望。

 

──呪術界は、再起不能であった。

 

 

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