真人救済ルートin渋谷事変   作:祈月4777

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渋谷街道・逃避行

切断バリアを何枚展開しても、次から次へと湧いてくる羂索の従属呪霊たち。

 

さらに―—

 

キュイイイ……

 

後方の従属呪霊が、口腔を裂き、高密度レーザー術式を放ってくる!

 

祈月「ッ…!!?」

 

ビュン――ッ!!

 

一閃、祈月の右肩を、鋭い光が掠める。

 

焼けた肌がバチッと火花を散らし、煙が立つ。

 

 

祈月「ッ……ッツッツつう……..!!」

(やば、直撃だったら……腕、なくなってた…….!)

 

 

祈月、痛みに顔を顰めながら,息を切らせて走り続け――

 

だが、次のレーザーがチャージされる音が聞こえる。

 

祈月「っ……もう一発……撃つ気だな……..!!」

 

 

その瞬間。

 

祈月、バリアをレーザー射線の真正面に展開!!

 

 

祈月「撃てよ……打ち返してやるッ!!」

 

 

ビイイイイイイ……ッ!!!

 

術式レーザー、彩城魔壁に命中。

 

そのままバリアが呪力を吸収し始める――!

 

 

祈月、腕を振る。

 

「ーー《彩城魔壁・逆流波》ッッ!!」

 

ズオオオンッッ!!!

 

バリアで攻撃を受け止め,呪力を吸収し、

反転させてビームとして返す。

 

 

バリアの反射軌道に沿って、ド直線に呪霊本体へ!

 

ドオオン!!

ビーム直撃で呪霊が吹き飛び、通行人に激突!薙ぎ倒しながら,

ガラス張りのオフィスビル1階ロビーをぶち抜いて彼方へ!!

 

祈月「よし………!!」

 

脅威は退けたと一瞬の安堵,地面を蹴りなおす。

 

しかしその直後――

背後に、空気が歪む。

 

羂索 「“近い”ねえ」

 

 

振り向いたときには、背後数メートル。

 

祈月の腕の中の真人狙いの,羂索の掌がこちらに伸びている。

 

呪霊操術の“吸収射程”、目前――!!

 

祈月「ーーさせるかぁ!!」

 

一瞬の判断。視界の端、走行中の車両。

 

祈月、路面を蹴って跳びかかる!!

 

バンッッ!!!

 

走行中の車に飛び移り,その屋根を足場に、跳躍!!!

 

祈月の跳躍速度に、車の走行スピードが上乗せされる!!

 

祈月、空中で体を丸めながら――

(このジャンプで、突き放すッ!!)

 

羂索「…………!!? そこまでやるか!」

 

ほんの一瞬、届きかけた吸収射程から……祈月が外れる。

 

その瞬間。

 

祈月はビルの縁へと着地、駆け出しながら,

即座にバリアを展開!

 

祈月「足止めッ……!!」

 

ビルの外壁に、彩城魔壁を斜めに設置!!

 

全ては、“真人”を抱えて生き延びるため――!

 

ー走る。

ー跳ぶ。

ー追われる。

 

背後からは、呪霊操術に従う複数の呪霊たちと――

吸収を狙う、羂索本人。

 

抱える真人の体重が全身に食い込み,

これまでの逃走の疲労の蓄積に加え,

レーザー呪霊に撃たれた右肩は未だ血が止まらず、

爬虫型呪霊に噛まれた左脚はじくじく痛み,

呪力はガンガン消費されてゆく。

 

でも――止まれない。

 

(止まったら、吸われる……止まったら、全部、終わる!!)

 

視界の奥に、連なる“障害物”。

 

祈月「――斬る!!」

 

標的ロック。座標指定…

彩城魔壁・多重展開!!

 

ギィィィ…ズバアアアアアンッ!!!

 

祈月の視線に沿って、ビル3棟が縦・横・斜めに斬られる。

 

ズズズズ……ドドオオンンッ!!!

 

斜めに傾いた切断面から――

崩れ落ちる、瓦礫の嵐。

 

足場を失ったビル内の人々の悲鳴が上がる,

…しかし、真人しか見ていない祈月にとって,

そんなことはどうでもいい。

 

大量のコンクリート、鉄骨、ガラス片、建材の残骸。

そのすべてに、混ぜ込む。

 

祈月「……仕込む!!」

 

空中に、複数の“切断バリア”を設置!!

崩落してくる瓦礫の隙間に、ランダムな軌道で混ぜるように差し込んでいく!!

 

まさに、“ギロチン地獄”。

 

しかも、どれが本物かは、外から見えない。

 

羂索(……なるほど。これは……)

 

 

瓦礫のシャワーが、まっすぐこちらへ向かってくる。

 

羂索は咄嗟に身を翻す。

 

バシュッ!! ズバァッ!!

 

“斬撃瓦礫雨”が、辺り一帯に降り注ぐ!

 

羂索「視界が……ッ!」

 

その狙いは、物量ではない。

 

――“視界封じ"

――“切断の罠”

 

その瞬間、一枚のバリアが羂索の喉元をかすめる!

 

ビィンッ!!

 

羂索「……ッツ!!」

 

肌が裂ける寸前、わずかに首を捻って回避!!

 

ドシャアアアア……!!

 

落下の瓦礫,従属呪霊たちやビル内にいた人々の死骸が混ざり、辺り一帯はまさに修羅場。

 

羂索、目を見開く――

 

羂索「……消えた……?」

 

祈月の気配が、視界から消えた。

真人の気配も、ない。

 

羂索「…………見失った、か」

 

羂索は静かに指を鳴らす。

 

周囲にいた呪霊たちが、ズズ……と影へと沈んでいく。

 

だが――

 

羂索「真人を助け、私から逃げ切るとは……完全に、予想外」

 

クク……ッ

 

クハハハハハハハ!!!!

 

羂索「面白いじゃないか!! 計画崩壊、それもまた良し!!」

 

「これこそが――混沌だ!」

 

羂索は踵を返し、その場から悠然と去る。

 

羂索「さて……君たちはこれから、何を見せてくれるのかな?」

 

 

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