果たしてこの兵器は謎の存在にどれだけのダメージを叩き出せるのか!?
Ω-2
ケルマデック(無線)「不明目標を敵と判断する!全艦戦闘開始ッ!」
(((ドガガドガガガガガドガドガガガガガァァァァァァァァン!!!)))
通信とともに全艦隊による一斉攻撃が開始された。
港湾棲姫の時と比べて火力は落ちているが相当な数の砲弾が命中。
不明目標は少しよろけるような動きを見せた。
―――だが...
((シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...))
相手はほぼ無傷の状態だった。港湾棲姫の装甲を貫いた大和の主砲弾さえも無惨に砕け散ったようだった。
???「グルルルルルルル....」
ガキンッ!グァァァァン!
敵の中央部から巨大な何かが展開される。
ガンッ!ギュィィィィィィィン!!!
―――
CIC妖精「目標に莫大なエネルギー反応!攻撃態勢に入ったものと見られます!」
ケルマデック「まずいッ!射線上の艦隊を速やかに離れさせろ!」
CIC妖精「間に合いません!」
ケルマデック「ああクソッ!やるしかない!」
ケルマデック「主砲用意!弾種榴弾!目標、敵超大型多脚兵器!」
CIC妖精「弾種榴弾、主砲、目標へ自動追尾開始」
ケルマデック「主砲用意!」
CIC妖精「装填完了!照準よし!回路同調および接続、問題なし!」
ケルマデック「主砲斉射ッ!」
(((ドドドドドドドドガァァァァァァァァン!!)))
―――
バシュンッ!
(((ドドドドドガァァァァァァァン!!!)))
???「...」
巨大な何かは依然としてエネルギーを貯め続けている。
謎の深海棲艦はケルマデックを脅威と判断せず、比較的脅威度が高く、なおかつ戦闘により消耗している第三、第二艦隊を狙っていた。
―――
ケルマデック「駄目か!気にもしてないッ!」
CIC妖精「危険ではありますがGC-9の使用を!」
ケルマデック「駄目だ!それを使って味方ごと巻き込んだらどうする!」
CIC妖精「ですが今はそれしかッ!」
ケルマデック「...鎌はあるか?」
CIC妖精「ありますが...一体何を?」
ケルマデック「俺が兵器の発射と同時にあいつに突っ込んで敵兵器の射線をずらす。」
CIC妖精「...それであれば味方を救う事はできます。ですがその後の生還率が...」
ケルマデック「例の槍はどうだ?」
CIC妖精「現在第一次燃焼終了。二次燃焼に入ります。」
ケルマデック「到達までは?」
CIC妖精「到達まで残り約一分ほどと推定されます。」
ケルマデック「...よし。分かった。」
ケルマデック「水流噴進は最大速度でどのくらい出せる?」
CIC妖精「...約986km/hです。」
ケルマデック「...分かった。俺の合図と同時に水流噴進を最大出力で噴射しろ。」
CIC妖精「了解。チャージを開始します。」
ケルマデック「射線上の艦隊には撤退せよと送っておいてくれ。」
CIC妖精「了解。」
―――数秒後
敵大型兵器の先端が赤い光を放ち始めた。
ケルマデック「今だッ!水流噴進ッ!」
CIC妖精「了解ッ!」カチッ!
キュィィィィン...バシュンッ!
俺は水流噴進によって撃ち出されたかのように急加速した。
ケルマデック「グッ...!」
俺にかかっている負荷は100Gを優に超え、人間には到底耐えられないレベルに到達していた。
―――
???「グォォォォォォン!!!」
赤い光を放つ光球が瞬間的に圧縮され、巨大な光の柱が放たれた。
―――「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
ケルマデック「喰らいやがれぇッ!!」
(((ズガァァァァァァン!!!)))
鎌の刃を勢い良く衝突させた。
敵は大きくよろけ、赤い光の柱は空中へ散っていった。
ケルマデック「やった!」
ケルマデック「槍が来るぞ。全艦隊に撤退もしくは退避を指示しておいてくれ。俺は...」
ケルマデック「「グハッ!」」
...いくら艦息の身体とはいえ100G以上の瞬間的な加速は負荷がかかりすぎた。
今まで感じたことがないようなレベルの痛み。それが俺を襲った。
ケルマデック「はぁ...はぁ...」
今にも気絶してしまいそうな痛みを堪え、俺は立ち上がった。
敵は既に体勢を立て直し、全ての火砲を俺に向けていた。
その時だった。
(((ザシュンッ!)))
???「ギエァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
Ω-2が正確に着弾。大型兵器ごと敵の胴体を貫通した。
ギギギギギギギ...
敵がまた大きくよろめき、脚部の装甲が崩壊を始めた。
バチンッ!ガキンッ!ドガンッ!
各部で爆発が始まり耐久を失った脚部は崩壊。
足を失った胴体は槍とともに地表に突き刺さった。
―――
ケルマデック「...目標の...沈黙を確認ッ!」
―――その無線を聞いた皆は歓喜の声を上げていた。
その刹那。
ガキンッ!ガチャン!キンッ!ガンッ!
キュィィィィィィィィン....!
振り返るとそこには機関を暴走状態にし、周囲の艦隊もろとも吹き飛ばさんとする敵が見えた。
その姿はまさに怪物そのものであった。
ケルマデック「ッ!?」
ケルマデック「主砲、発射用意ッ!」
ギギギギギギギ....ガンッ!ボシュッ!
主砲が火花を上げ機能を停止した。
ケルマデック「...そりゃそうか。」
(無線)「―――!――――!」
無線から何かが聞こえる。
おそらく誰かの声だとは思うが...俺には痛みのせいで何と言っているか聞き取れたものではなかった。
―――ピカッ
白い閃光が俺の身体を包んだ。
―――2042年 日本国 海上自衛隊/呉基地
この基地は騒然としていた。
平和だったこの基地を突如として衝撃波が襲ったからである。
基地に居た隊員たちは「地震か!?」と一斉に机の下などに隠れたがその揺れは数秒も続かず
隊員たちの中では「あの揺れは何だったんだ?」という話が出始めた。
???「皆さん大変です!出撃ドックが!」
???「おいおい、そんなに慌ててどうしたんだ。」
???「とりあえず来てくださいッ!」グィッ!
???「イテテテテッ!離せ!ちょうかい!自分で歩けるッ!」
―――呉基地 艦娘出撃ドック
???「あーあ...ダルいって。マジで」
???「どうやって直すんですかね~」
タッタッタッタッ...
ちょうかい「はぁ...はぁ...あれ?ひゅうがさんに...あすかさん。一体どうしてここに?」
ひゅうが「どうしてって...あれさ。」
あすか「あれに決まってるよね~」
視線の先に居たのは...艤装ごと壁に突き刺さっているケルマデックだった。
???「あれは...とりあえず医務室に運んだほうが良いか?」
ひゅうが「あ、那智か。おはよう」
那智「ああ。おはよう。じゃなくて、これどういう状況なの?」
あすか「どういう状況ってさ~見たらわかるでしょ?艦娘?が壁に突き刺さってるんよ」
那智「まぁ状況整理はあとにして、とりあえずあの突き刺さってる子をなんとかして引っこ抜こう」
―――数分後
那智「よし。必要なものは揃ったな。」
そこには担架、はしごなど救命に必要なものが揃っていた。
那智「じゃあ始めるか。」
那智「ひゅうが、はしごを二本立てておいてくれ」
ひゅうが「うい。了解。」
那智「あすかは万が一に備えてはしご下で待機。」
あすか「了解~」
那智「俺とちょうかいで引っこ抜くぞ」
ちょうかい「ええ...私より力のあるひゅうがさんのほうが...」
那智「あ、その話題はまずい」
ひゅうが「なんか言ったか?...ちょうかい?」
ちょうかい「ヒィッ!何も言ってないです!何も!」
ひゅうが「そうか。なら良いんだ。」
那智「はあ...ちょうかいは梯子に登って待っていてくれ。俺もすぐに行く。」
ちょうかい「わ、わかりました!」
―――30秒後
那智「よし。せーので引っこ抜くぞ!」
ちょうかい「わかりました!」
那智「せーのッ!」
グイッ!
ギギギギギギ...ガラガラガラッ!
(((ガッシャァァァン!!)))
あすか「危ないなぁ!せめて下にいる私達にも気を使ってよ~!」
ツルッ...
那智「あっまずい」
那智「あすか!受け止めろォ!」
あすか「...へ?」
あすかの視界には落ちてくるケルマデックが写っていた。
―――ガンッ
あすかは目をつぶった。だがケルマデックがぶつかることはなかった。
ひゅうが「あっぶなー...たく、気をつけろ!」
あすか「助かったぁ~...流石のPowerだね~」
ひゅうが「こいつをそのままぶつけられたくなければそこを退いてください」
あすか「はいはい~」
という感じで担架に乗せた。
那智「ひゅうがとあすかで医務室に運んでおいてくれ。艤装は...後々で整備長に渡しておく。」
ひゅうが「後で飯奢れよー」
那智「...分かった。」
ちょうかい「(ようやく)終わりましたね...」
那智「ああ。(財布が)終わったな...」
2042年でも艦娘は健在なりッ!
ここからはほぼオリジナルですね。
組織名とか艦名とか以外。