ケルマデック「...ん?」
ケルマデック「病...室?」
―――俺はてっきり死んだものかと思っていた。だが見た感じそういうわけでもなさそうだった。
ケルマデック「ここは...一体?」
その部屋には見たことのある医療用機械だけでなく見たことがないものもあった。
那智「お、起きたか」
ケルマデック「あなたは...?」
那智「俺は那智。
ケルマデック「ケルマデックです。」
那智「...艦種は?」
ケルマデック「...?戦艦ですが、何かありましたか?」
那智「...やはりか。」
ケルマデック「...?」
那智「...君は戦艦ケルマデックで間違いないな?」
ケルマデック「はい」
那智「今から上官を読んでくる。」
那智「話をすると思うが...」
那智「おそらく君には衝撃的な話になるかもしれない。」
ケルマデック「...わかりました。」
那智は上官を呼びに部屋から出ていった。
ケルマデック「...あれ?」
俺はいつの間にか体中の痛みがなくなっていることに気づいた。
ケルマデック「気を失ってる間に治療までしてくれたのか...」
ケルマデック「...それにしても、あの服。海自の服だったよな...」
ケルマデック「俺は現代に帰ってこれたのか?」
ケルマデック「いや、そんなはずはない...か。」
俺の居た世界の地球は既に滅んでいる。
現代に帰ってきたとしてもそれは異世界の地球だ。確かに俺はいるだろう。
俺の家族も...いるだろう。だが俺にとってその家族は俺の家族ではない。
こんなことを考えてると...何か寂しい。
ケルマデック「いつか...また会えたらな...」
―――数分後
静かにドアが開き、那智さんの上官らしき人が現れた。
どう見ても指揮官レベルだ。間違いない。
???「君がケルマデック君で間違いないか?」
ケルマデック「はい。」
久遠「私はここの群司令を務めている
久遠「突然ですまないが、君には話しておかねばならないことがある」
ケルマデック「...はい」
久遠「まず第一に、君の艤装は損傷が大きく、修理は不可能とされ、船体と中枢動力以外の大部分は破棄された。」
久遠「そちらの同意を得ずに解体をしてしまった。...申し訳ない。」
ケルマデック「頭を上げてください...解体を急いだのはやむを得ない理由があったからでしょう?」
久遠「...お見通しというわけか。」
久遠「君の艤装の副機関...要するに原子炉がメルトダウンを起こしかけていた。」
ケルマデック「そうだったのですか...」
久遠「次に...これを見てくれ。」ペラッ
久遠が差し出したのは一枚の新聞のコピーだった。
上部には1942年6月19日と書かれており、その内容は
「ミッドウェーにて、記録的大勝利」と書かれていた。
久遠「君はこれについて、覚えていることはあるか?」
ケルマデック「ええ。はっきりと」
久遠「これは国で大々的に配られていた記事だ。」
久遠「だがこっちを見てくれ」ペラッ
久遠がもう一枚紙を差し出した。
ケルマデック「これは?」
久遠「これは横須賀鎮守府に所属していた艦娘の一覧だ。」
久遠「というよりMI作戦に参加した艦娘の一覧と言ってもいいかもしれないが...」
久遠「ここを見てくれ。」
久遠が指を指したところにはこう書かれている。
「戦艦長門・・・大破。艤装が融解。」
「戦艦大和・・・小破。戦闘能力八割以上健在。」
「戦艦ケルマデック・・・行方不明。敵の自爆攻撃に巻き込まれたものと見られる。」
久遠「...君は100年以上前に行方不明になっている。」
ケルマデック「100年って...今は何年なんですか!?」
久遠「...西暦2042年だ。」
ケルマデック「...」
久遠「先程、MI作戦についてはっきりと覚えていると言っていたな。...嫌な記憶だとは思うが、話してはくれないか?」
ケルマデック「...分かりました。」
―――俺はMI作戦について話した。
久遠「...謎の深海棲艦にユニオンと重桜...。」
久遠「知らない情報ばかりだ。」
ケルマデック「...あ。」
ケルマデック「久遠さん、横須賀に停泊していたユニオン/重桜艦隊の行方についてはご存知ですか?」
久遠「私にもわからない。だが一つ確実に言えるものがある。」
ケルマデック「何ですか!?」
久遠「横須賀の立入検査が未完了だったことだ。...可能性は低いが、そのユニオン艦の残骸が見つかるかもしれん。」
ケルマデック「何故未完了なのです?」
久遠「詳しい話はわからんが...最終作戦前にあった横須賀大空襲の影響か危険な箇所が多く、断念したそうだ。」
ケルマデック「...そうなのですか」
久遠「そこで提案がある。」
久遠「君に横須賀へ行ってもらいたい。」
ケルマデック「俺が横須賀にって...ここの地理状況がわからないのに、ですか?」
久遠「そこはもちろん、詳しいものを同行させる。」チラッ
久遠「...盗み聞きとは良いご身分だな。那智。」
ふと見るとドアの隙間からこちらを見る那智の姿があった。
那智「バレていましたか」
ケルマデック「いつからそこに?」
那智「最初から。」
久遠「貴様、横須賀の地理には詳しいか?」
那智「はい。生まれも育ちも横須賀ですから。」
久遠「では故郷帰りついでにこの者を案内してやってくれ。」
那智「...交通費は?」
久遠「こちらで出すに決まっているだろう。...それとこれはあくまで任務だ。ハメを外しすぎるんじゃないぞ」
那智「了解」
久遠「...今の話からわかるとおもうが、君と同行するのは那智だ。」
ケルマデック「はい。」
久遠「...三日後の便を取っておく。それまでに着替えを用意しておくように。」
ケルマデック「わかりました」
―――といった感じで話は終わった。
那智「...服を買いに行くぞ」
ケルマデック「アッハイ」
と言った感じで無事退院。
着ていた服を返されたのでそれを着て街に出ました。
那智「...で。何でお前らも着いてきた?」
ひゅうが・ちょうかい・あすか「いや~私服のセンスが気になって(ね~)(な。)」
那智「...お前らちゃんと許可取って出たのか?」
ひゅうが「当たり前。」
ちょうかい「ちゃんと取りました!」
あすか「そーだそーだ!」
那智「はぁ...まぁいいや。基地の外だからってはしゃぎすぎるなよ?」
那智「というか、ケルマデックの服、なんかやけにボロボロじゃないか?」
ケルマデック「...ここにくるまで、結構色々ありましたからね。というか那智さん話聞いてたからわかるでしょう」
那智「まぁ何にせよ服は買い替えんとな。」
―――数十分後 服屋
那智「...本当にこれで良いのか?」
ケルマデック「はい。大丈夫です。」
俺が選んだのは普通なジャージである。
ケルマデック「動くんだったらこれが一番ですからね。」
那智「そりゃそうか」
ちょうかい(何で那智さんはあの服なんですかね...)
ひゅうが(さあな。久々の故郷で盛り上がっているんじゃないか?)
あすか(...私服のセンスが終わってることだけは確かだね~)
ちょうかい(流石にあれを買わせるのはちょっと...)
あすか(この季節にあれは周りから浮いちゃいそうだよね~)
ひゅうが(無理矢理にでも別のを買わせるか)
ちょうかい(そうしましょう)
あすか(そうだね~)
那智(あの三人なにやってんだ?なんか話してるみたいだが...イマイチ聞き取れん。)
―――といった感じで買い物は終了。那智さんはあの三人に無理やり試着室に詰め込まれて色々着せられた後、結局スーツにしたそうです。
―――数分後 最寄りの駅構内
ケルマデック「...そういえば、久遠群司令が言ってた感じ、当日は飛行機で行くんですか?」
那智「ああ。最寄りの空港から大体二時間くらいだな。あっちの空港についてからはバスで移動する。」
那智「あと、当日はこいつらも連れて行くからな」
ケルマデック「護衛としてですか?」
那智「それもある。だが当人たちが行きたいんだと」
那智「...危険な場所だからあまり来て欲しくはなかったんだがな」
ケルマデック「まあ断ったところでなにかあるというわけでは...」
那智「それは男としてどうなんだよ...男やったらできるだけ希望には答えないと」
ケルマデック「...それもそうですね」
とりあえず次回は横須賀行きます。
どうなるかの推測はつきません。
ちなみに那智は最初明らかに季節外れな服を買おうとしてました。
ここの季節は11月です。
どんな服を着ていたかは皆様のご想像におまかせします