TS転生創造神が世界と一緒にカードゲームを作って広めました   作:稲光結音

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03構築されたドラゴンデッキ

 カードショップ『神宮』三ノ宮店にて。

 軍資金十万円。

 パック一つが六枚で五百円。シングル価格が一枚最低百円なことを考えると単純計算で一枚分お得。

 また、パックにはレアリティ最低保証としてアンコモンが一枚入っているとの事だ。

 で、俺は六万円でドラゴンのパック『赤龍の降臨』を買った。ちなみに消費税はカードを買う時はかからない世界らしい。

 つまり百二十パックを購入したわけだが。

 

「レアが……一枚もでねえ……」

 

 なんだこの封入率!? アンコモン120枚にコモンが600枚! 全部最低保証だよちくしょう!

 これが主人公の引きか……?

 そりゃ陰も言っていたが大抵の人はコモンとアンコモンでデッキ組んでるわけだよ!

 とはいえ、だ。デッキは組めるのだ。

 大抵の人がコモンとアンコモンでデッキを組んでいるという事はこっちも同じ条件なわけで。カードパワーで負けるという事は少ないと思われる。

 なんならレジェンドレアの『伝説の赤龍・ヴォルガニス』分だけ有利と言える。相手が運命のカードと出会っていなければだが。ま、出会ってればとんとんってところか。

 俺は切り替えの早い男。手に入れた720枚のカードでデッキを構築。そのうえで、めっちゃ数あるシングルカードの中からとあるカードを四枚買った。一枚一万円のアンコモンだ。それが買える限界。デッキに入れられる同名カードの枚数もまた四枚だからちょうどよかったのかもしれない。

 デッキコンセプトとしてはどんなデッキともほどよく戦える、だろうか。ほどよくピンチになりつつも最後は勝てる。そんな主人公性を大事にしてみた。

 が、結局は机上の空論。誰かと戦ってみない事にはちゃんと回るか分からん。ただの器用貧乏になった可能性もあるからな。

 となれば陰に頼みたいところなんだが、あいつ俺相手だと本気で戦えないみたいな事言ってるからな。

 なんか好きな人相手に攻撃するのは躊躇われる的なやつらしい。いじらしいね。かわいい。

 だがそうなると結局、対戦相手どうするよ問題が残る。カドショだし適当に知らんやつに声かけてもいいんだよなきっと。

 なんて思ってたら一人の子供に声かけられた。いや、子供って言っても俺と同い年か一個上くらいのやつだ。どうしても前世に引きずられて、そのくらいの年齢のやつを子供と言ってしまう。

 

「よっ、エイトく~ん。陰ちゃんも元気してる? さっきの聞いたけど記憶無くしたんだって? 大変だねえ。で今はデッキも組み直してる、と。てことは神の裁きか~? な~にやっちゃったのよエイトくん。ああ、俺様の事も忘れてるか。俺様は友田チノ。顔の広さが取り柄の、お前の友達さ。中学も一緒だぜ。よろしくな」

 

 一気に捲し立てて手をこちらに差し出してくる赤いロン毛の男、チノ。

 俺はその手を握り返した。

 

「よろしくチノ。今組んだデッキの調整がしたいから対戦相手を探してるんだが……」

 俺がそういうと、チノはポケットからスマホを取り出して、その腕を下げた。

 

「あーいつもの癖で誰か探そうとしてたわ。悪いね。さすがに今はそういうのじゃないよな」

 

 そんな事を言う彼の言動に疑問を持つと、陰が補足してくれた。

 

「彼はね、エイトくんの対戦相手をいつも探してくれてたの。エイトくん強いから、その辺の人じゃ相手にならなくて。腕に自信のある人を彼の人脈で探すのがいつもの流れ」

 

 まじかよ頼もしすぎる。

 

「でも、ま。今のお前なら……俺様でも充分かもね? 久しぶりに相手になってやるよ。デュエルだ。準備しな」

 

 そう言って、少年――チノは左腕の機械にスマホをセットした。

 俺も、特に躊躇う事無く機械、デュエルパーツにセット。スマホの対戦者検索画面から友田チノの名前を探し出し、タッチ。これで二つのスマホはリンクした。

 

『デュエルモードセット』

 

 流れる機械音声。

 

「切札セット!」

「障壁展開!」

「手札補充!」

 

「「デュエル!」」

 

「先に切札ゾーンを整えたのは俺様! 先行をもらう! ドロー!(手札6→7)」

 

 これもまた、面白いところだ。

 切札ゾーンには五枚までカードをセットできる。使いたい英雄効果を持つカードみたいなまさに切札といったカードはもちろん相手のデッキに合わせたピンポイント対策カード、つまりメタカードを入れてもいい。

 だが、そんな事をちまちまやっていると、もちろんそれ自体は強い行動なのだが……先攻後攻の権利を取られる。さっきチノが言った通り、切札ゾーンをセットし終えた側が先攻後攻を決める権利が得られるわけだ。

 序盤強いのは切札ゾーンを早く整理した方、終盤強いのは切札ゾーンをしっかり整備した方。といったところか。

 

「来たぜ? 俺様の相棒」

「なにっ!? 切札ゾーンに入れない相棒カードだと!?」

「【人魔天機】はそんな単純なゲームじゃないのよエイトくん! 表メモリを一枚セット!(手札7→6) プレイ! 頑丈なピエロ!(手札6→5)」

 

 C 人『頑丈なピエロ』 1-0 0/5 不殺

 

「これが俺様の相棒よ!」

「攻撃力0で不殺!? ユニット同士で戦ってもダメージを与えられない。かといって障壁を破壊できるわけでもない! 防御力が高いだけのユニット!?」

「多くは語らないぜ? 俺様のターンは終了だ」

 

 怪しい、怪しいが……あの防御力。今の手札、一ターン目でどうにかできる防御力じゃない。

 ここは放置するしかない!

 

「俺のターン! ドロー!(手札6→7)表メモリをセットして(手札7→6)、『ベビードラゴン』を召喚!(手札6→5)

 ベビードラゴンは出撃時効果で自身の障壁を一枚、破壊する!(エイト障壁10→9)(手札5→6)」

「一ターン目から自分の障壁を破壊した!? デメリット効果!」

「その代わりベビードラゴンは速攻を持つ! チノに攻撃!(チノ障壁10→9)(手札5→6)」

「くっ……!」

「ターンエンド!」

 

 

 

小栗エイト

手札 6枚

メモリ 1-0

障壁 9枚

盤面

『ベビードラゴン』 2-1 速攻 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない

 

友田チノ

手札 6枚

メモリ1-0

障壁 9枚

盤面

『頑丈なピエロ』 0-5 不殺

 

「俺様のターン! ドロー!(手札6→7)メモリを裏向きにセット! 1-1メモリを消費して『鼓舞する人魚』をプレイ!(手札7→6) 出撃時効果発動! 自分の場の他のユニット一体を+1/+1する! これにより『頑丈なピエロ』のスタッツは1/6! ピエロでベビードラゴンを攻撃!」

 

『頑丈なピエロ』1/6

VS

『ベビードラゴン』2/1

 

 

 

『頑丈なピエロ』1/4

VS

『ベビードラゴン』2/0 → 破壊

 

「これでターンエンドさせてもらうぜ。どーよ、ただの置物みたいなやつでも友達の力を借りれば役に立てるんだ」

「なるほど、面白い」

「今度はお前の良いところ見せてくれよな」

「言われなくても……! ドロー!(手札6→7)表メモリをセット!(2-0)(手札7→6)

 手札のスペル『竜の咆哮』を発動! 自分の手札一枚を表メモリに置く!(3-0)(手札6→4)」

「なるほどね。分かっちゃったぜエイトくんのデッキ。そりゃランプドラゴンだ。自分の障壁を破壊して、それをコストにして自分のメモリを増やす。そして大型ユニットを出して蹂躙。そんなとこかな」

「それはどうかな?」

「なにっ!?」

 

 そういう側面もある。だが俺の作ったこのデッキ、それだけじゃないぜ。

 

「確かめてみろよ。ターンエンド」

「いいぜ、エイトくんの事丸裸にしちゃうぜ」

 

 この時、試合を見ていた陰が怪しい笑みを浮かべた。俺の丸裸というワードに反応したのだ。むっつりめ。

 

 

小栗エイト

手札 4枚

メモリ 3-0

障壁 9枚

盤面

 

友田チノ

手札 6枚

メモリ1-1

障壁 9枚

盤面

『頑丈なピエロ』1/4 不殺

『鼓舞する人魚』1/2 出撃=自分の場の他のユニット1体を+1/+1する

 

 

 

「ドロー!(手札6→7)メモリを表向きにセット!(2-1)(手札7→6)

 俺様は2-1コスを払って『応援番長』をプレイ! 出撃時効果で『頑丈なピエロ』をさらに+1/+1し、二重殺を得る!」

 

『頑丈なピエロ』2/5 不殺 二重殺

 

「だが、頑丈なピエロは不殺のはずだ! 二重殺を得ても……」

「矛盾する効果を得た時、その時にターンが回っているプレイヤーは矛盾を解決するように効果を処理することができる! 二重殺の効果を優先し、不殺は無効!」

「なんだって!?」

「二重殺を得たピエロと、鼓舞する人魚で攻撃!」

「ぐわぁぁ!」(エイト障壁9→6)(手札4→7)

「障壁の差は三枚! この差は大きいぜエイトくん! ……なっ! 俺様の頑丈なピエロが!?」

 

 そう、破壊されたのだ。頑丈なピエロは。

 俺の【反発】効果によって。

 

「破壊された障壁の中に反発効果を持つ『ドラゴンクロー』が存在していた! 本来表5メモリを支払い発動する効果だが、破壊された障壁の中に眠るドラゴンクローは無理矢理起こされた事に反発し、その効果を発揮する!」

 

スペル『ドラゴンクロー』5-0 反発 相手ユニット一体に5ダメージ。この効果でユニットを破壊した時、カードを一枚引く

 

「くっ……だが俺様の『頑丈なピエロ』は後続に展開ルートを託した! あとは後続が前に出たユニットをフォローする。それを繰り返す! これが俺様のトモダチリンクデッキだぜ! 俺達は一人じゃないからできることがある! ターンエンド!」

「いい事言うじゃないか。俺のターン、ドロー! 表メモリをセット!(4-0)スペル発動! 3-1コストを払って『竜の火炎』!(手札7→6) 相手ユニット一体に2ダメージを与える。この効果でチノの場にいる応援番長に2点のダメージ! 応援番長のスタッツは2/2! 破壊する!」

「合計4コストを払って2ダメージ……? まだなにかあるな!」

「その通りだ! この効果でユニットを破壊した時、『竜の火炎』は表メモリに加わる!(5-0)」

 

 チノは肩を震わせ、笑った。

 

「ふふふ、くっくっくっ! 安心したぜエイトくん! 記憶が消えてデッキが消えて。それでもなおエイトくんは強い! そんなピーキーなカードを使いこなすなんてな!」

 

 まあ正確には今までの小栗エイトじゃないんだけどね。まあその辺突っ込むと面倒なので。

 

「ならもっと安心させてやるぜ! ターンエンド!」

 

小栗エイト

手札 6枚

メモリ 5-0

障壁 6枚

盤面

 

友田チノ

手札 6枚

メモリ2-1

障壁 9枚

盤面

『鼓舞する人魚』1/2 出撃=自分の場の他のユニット1体を+1/+1する

 

 

「俺のターン! ドロー! メモリを裏向きにセット!(2-2) 俺は1-1の2コストを払って『援軍の小人』をプレイ!(1/1)(手札6→5) こいつは突撃を持つが……エイトくんの盤面にユニットはいないから無意味。だがそれだけじゃない! こいつは出撃時効果でさらに1/1の小人トークンが場に出る! さらに1-1コストを払って二体目の『鼓舞する人魚』をプレイ!(手札5→4) 一体目の『鼓舞する人魚』に+1/+1の修正を与える!」

 

友田チノ

手札 4枚

メモリ2-2

障壁 9枚

盤面

『鼓舞する人魚』2/3 出撃=自分の場の他のユニット1体を+1/+1する

『鼓舞する人魚』1/2 出撃=自分の場の他のユニット1体を+1/+1する

『援軍の小人』 1/1 突撃 出撃=小人トークン(1/1 突撃)を1体場に出す

『小人トークン』 1/1 突撃

 

 

「一体目の人魚でエイトくんを攻撃!(エイト障壁6→5)(手札6→7) ターンエンド!

 さあ、次のターンで総攻撃すればエイトくんの障壁は1枚になる! さっきみたいに一体除去したくらいじゃ焼け石に水だぜ~?」

「じゃあ全部ぶっ飛ばしてやるぜ! ドロー! 表メモリセット!(6-0)スペル発動! 『ドラゴンブレス』! 相手のユニット全体に3ダメージ!」

「なにぃ!?」

 

 俺の背後から幻影の大型竜が現れ、そこから炎の息吹を吐き出す。

 炎はチノのユニットを焼き尽くしていく。

 

「これでお互いの盤面は空! 仕切り直しだチノ! ターンエンド」

「面白い! いいぜエイトくん! ドロー! 表メモリセット!(3-2)

 まずは1-0コストを払って二体目の『頑丈なピエロ』をプレイ! さらに、2-2コストを払って進化カード『頑丈なカバ』をピエロの上に重ねる! こいつの防御力は10! しかも防衛を持つ!(手札4→2)」

 

 U 天 『頑丈なカバ』2-2 0/10 不殺 防衛 進化=頑丈と名の付くユニット

 

「宣言する! 次のターンでこいつをバフして一気に仕留めさせてもらうぜ~!」

「それはどうかな」

「!?」

「だってそれって、そのユニットが次のターンも生き残っていたらの話だろ?」

「馬鹿な! こいつの防御力は10! 場にユニットのいないエイトくんが倒せるはずがない! はったりだ!」

「そう思うなら……宣告しな、ターンの終了を」

「くっ、ターンエンド!」

「ドロー! 表メモリセット!(7-0)

 俺は3-1コストを払ってエリアカード『絶対竜域』を発動!(手札6→5) このカードは名前に竜、龍、ドラゴンのいずれかの名の付くカードの表メモリの消費を一点減らし、さらに突撃を付与する!」

「ドラゴンサポートのエリアカード!」

「コストの下がった『フレイムドラゴン』を召喚! さらに『サンダードラゴン』! 『アイスドラゴン』!(手札5→2)」

 

 C 魔 フレイムドラゴン 2(1)-0 2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。相手の障壁を二枚破壊する

 C 魔 サンダードラゴン 2(1)-0 2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。相手ユニット一体に3ダメージ

 C 魔 アイスドラゴン 2(1)-0 2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。山札から二枚ドローする

 

「三竜のデメリット効果により、俺は自身の障壁を三枚破壊! (エイト障壁5→2)(手札2→5) 続いてフレイムドラゴンの効果! チノの障壁を二枚破壊!」

「ぐわぁ!(チノ障壁9→7)

「続いてサンダードラゴン! 『頑丈なカバ』に3ダメージ!」」

 

『頑丈なカバ』0/10→0/7

 

「アイスドラゴン! 山札から二枚ドロー!(手札5→7)

 そして三竜による総攻撃!」

 

『フレイムドラゴン』2/2

『サンダードラゴン』2/2

『アイスドラゴン』2/2

VS

『頑丈なカバ』0/7

 

『フレイムドラゴン』2/2

『サンダードラゴン』2/2

『アイスドラゴン』2/2

『頑丈なカバ』0/7 →0/1

 

「ふ、ふはは……なんだ、あんな事言って結局俺様の頑丈なカバは倒せなかった! たしかに驚いたがそれまでだ! この勝負勝たせてもらうぜ~、エイトくん!」

「なにを勘違いしてるんだ」

「ん?」

 

「俺にはまだ手札がこんなにあるんだぜ?」

「だったらどうした! エイトくんのコストは表7枚! 絶対竜域に4コスト、1コストずつコストの下がった三体の属性竜が3体! もうメモリはからっぽだ!」

「甘いな……俺がデメリット効果をただ受けるとでも思っていたのか!?

 いくぜ! 『反撃竜・リベンジドラゴン』!(手札7→6)」

 

 そこに出てきたのは6/6の大型ユニット。メモリも無いのに召喚したそのからくりとは。

 

「このユニットのコストは表メモリ7。ただし、こいつのコストは破壊された俺の障壁の枚数だけ下がる! 破壊されている俺の障壁は8枚! よって0コストでの召喚が可能! さらに突撃を持つ! いけ! 『反撃竜・リベンジドラゴン』! 『頑丈なカバ』に攻撃!」

 

『反撃竜・リベンジドラゴン』6/6

VS

『頑丈なカバ』0/1

 

 

『反撃竜・リベンジドラゴン』6/6

『頑丈なカバ』0/0→破壊

 

「くぅぅぅ!」

「さあ、ターン終了だ」

「俺様の……ターン。メモリを裏向きにセット(3-3)。まだだ、まだ負けちゃいない! 障壁はまだ7枚あるんだからな!

 俺は『援軍の小人』をプレイ! 出撃時効果で小人トークンが場に出る! さらに2-2コストで『前のめりな聖歌隊』! 『援軍の小人』に+2/+2の修正を与える!」

 

 

小栗エイト

手札 6枚

メモリ 6-0

障壁 2枚

盤面

『フレイムドラゴン』2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。相手の障壁を二枚破壊する

『サンダードラゴン』2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。相手ユニット一体に3ダメージ

『アイスドラゴン』2/2 出撃=自分の障壁を一枚破壊する。それは反発しない。山札から二枚ドローする

『逆転竜・リベンジドラゴン』6/6 三重殺 突撃 このユニットのコストは破壊されている自分の障壁の数だけ表メモリを軽減する 出撃=自分の裏メモリの数だけこのユニットを-1/-1する

 

 

 

友田チノ

手札 4枚

メモリ3-3

障壁 7枚

盤面

『援軍の小人』 3/3 突撃 出撃=小人トークン(1/1 突撃)を1体場に出す

『小人トークン』 1/1 突撃

『前のめりな聖歌隊』 3/3 出撃=自分の場の他のユニット1体を+2/+2する

 

 

「強化された『援軍の小人』でフレイムドラゴンを攻撃! ……撃破! お前の障壁はたったの2枚! こっちの場には3体のユニット! 勝てるぞ! 次のターン、三体のユニットで殴られてもい障壁は五枚しか減らない! ターンエンド!」

「そう思うよな……でも。ドロー、裏向きにメモリをセット。

 プロセッサフェイズを宣言。最初勘違いしてたんだけどな、この表メモリと裏メモリを一枚ずつ墓地へ送るコスト、表メモリは裏メモリの代わりになるから表メモリ二枚でもいいと思ったんだ。でも駄目なんだってな。ちょっとそこに奥深さみたいなものを感じたよ。表メモリ特化のデッキでも裏メモリを出さないといけないんだ」

「エイト、お前なにを……」

「チノ、お前に【英雄】を見せてやる」

 

 スマホを操作。表メモリと裏メモリを一枚ずつ破棄。切札ゾーンから手札に加えたそれを空高く掲げる。

 

「俺が手札に加えたのは『伝説の赤龍・ヴォルガニス』! 英雄効果発動! 相手の障壁を三枚破壊する!」

「なにぃぃぃ!(障壁7→4) それはレジェンドレアカード! デッキが初期化されたばかりのお前が!?」

「続いてメインフェイズ! 『反撃竜・リベンジドラゴン』攻撃! 三重殺!」

「ぐぅぅぅ!(障壁4→1)」

「『サンダードラゴン』攻撃!」

「あっ、あぁぁぁ……(障壁1→0)」

「トドメだ! 『アイスドラゴン』! フィニッシュ!」

 

 青い竜が氷を吐き出し、冷気がチノにまとわりついていく。

 

 ――小栗エイトwin

 

 

 

 

「いやー、まいったね。俺様完敗~」

「いい勝負だった」

「そう言ってくれると嬉しいね。記憶無くなって弱くなってるかと思ったけど全然だわ。エイト、お前やっぱ強いぜ」

 

 前の俺ってどのくらいの強さだったんだろうなあ。

 

「お前ならこれから俺達が入る中学『私立三ノ宮学園』でもやっていけそうだ」

「もしかして、その学園には強い奴がたくさんいるのか?」

「もちろんよー。だってそこエリート中学だぜ? ああ、そうか記憶無いもんな。

 じゃあ一個だけ覚えておくと良いぜ。あそこには『魔の宮』『天の宮』『機の宮』の三つがあってそれぞれシノギを削ってる。お前ならドラゴンだし『魔の宮』が合うんじゃねえかな」

 

 もしかして三ノ宮だから三つの宮があるのか……?

 

「チノ、お前は?」

「俺はどこともそこそこ仲良くやれる最弱の落ちこぼれ、『人の宮』かね。あまりの弱さに一つの宮として数えられてないんだわ」

 

 四番目、最弱……すっごく主人公が入りそうなところだな!

 

「俺もそこにいこう」

「は? でもお前には『魔の宮』が」

「友達が入るなら、そこがいい」

「お、おお」

「陰もどうだ?」

「うん、私はエイトくんがいるならどこでも……」

「あっついねえお二人さん。そんじゃま、改めて中学でもよろしくってことで」

 

 どこでだってデュエルはできる。けど主人公ならそういうところを立て直してこそだ。やってやる。主人公として。

 中学入学まで、あと数日に迫っていた。

 

 

 

 

「今日の最強カードはこれ!」

 

『反撃竜・リベンジドラゴン』

 

「自分の障壁が少ないほどコストを下げられるユニット! 突撃だって持っているし三重殺! 大型ユニットとして6/6のスタッツも魅力的だ! 弱点として、裏メモリの数だけスタッツが下がるぞ!」

「私はエイトくん見てるといるとスタッツ上がるけどね」

「陰ちゃんはぶれないねえ」




なろうとカクヨムでも投稿しています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=329424&uid=218877
ハーメルン特別キャンペーン。オリカ、キャラ、デッキを投稿してくれるとそのネタを勝手に使うかもしれません。どしどし応募してね!
(内容は改変する可能性があります。出来る限り名前はそのまま使えたらと思っていますが)
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