TS転生創造神が世界と一緒にカードゲームを作って広めました   作:稲光結音

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06VS! 「機の宮」リーダー奇怪デス子!

 俺、陰、チノの三人は機の宮に来ていた。人の宮とは違ってしっかりとした作りの校舎がそこにはあった。

 三人いるリーダーの中でなぜ機の宮を選んだか。それは人魔天機の相性が関係している。

 魔は天に強く、天は機に強く、機は魔に強い――と、言われている。

 ならば一番相性の悪い機の宮を最初に相手にすることで、こっちの情報が少ない状態で戦う事が出来ると考えた。

 という事で今は一般ギルドメンバーに交渉を仕掛けている。

 

「ここのリーダーに挑みたいんだが、俺が勝ったら人の宮に移籍してくれないか?」

「人の宮?」

「どこそれ」

「しらなーい」

 

 俺の話を肴にきゃいきゃいしてる女ども。しかしそこに突然、響き渡る銃声。

 

「エイトくん、危ない!」

 

 それに反応できたのは陰ただ一人。

 俺を庇って、なにかを握りしめていた。

 ゴム弾だ。

 いや……実銃じゃなくてよかったけどさ。陰ちゃんきみ何者?

 

「誰だ!? こんなあぶねーことするのは!」

 

 チノが銃声のした方に向かって怒鳴る。

 すると、一人の幼女が現れた。しかし見覚えがある。奉納の授業で「機の宮」代表として現れ、宣伝をしていた先輩だ。

 ちっこい。大きく見積もっても小学生低学年って感じ。

 

「人のところのメンバーを引き抜こうとする愚か者に粛清を、デス」

「デス子先輩……」

 

 スナイパーライフル型エアガンを担ぐ幼女を見て、チノが呟いた。

 またすごい名前だな。この世界こんなんばっかか?

 

「いかにもデス。自分こそは『機の宮』リーダー、奇怪デス子! 他の宮ならまだしもハズレ宮である『人の宮』にうちのメンバーをたぶらかそうなんて真似見せられたら制裁せざるを得ないのデス!」

 

 そういってこちらを指差すデス子。

 俺はそれを聞いてため息を吐いた。

 

「ふう、一番人の多い宮だから勧誘も楽に行くと思ったんだけどな」

「メンバーを守る。それも宮長の役目、デス!」

「じゃあ……デュエルしようぜ、デス子先輩」

 

 それを聞くと彼女はエアガンをスマホに近づけて、収納した。

 

「いいデスよ? こちらが勝ったら変な勧誘を止めるデス。そっちが勝ったら勧誘は好きにする。それでどうデス?」

「いや、そちらに賭けて貰うのは――名誉だ」

「デス!?」

 

 驚く彼女に、こちらの要望を分かりやすく伝える。

 

「今からやるのは頭のおかしな勧誘をするしないじゃない。『人の宮』メンバーであるこの俺、小栗エイトが、『機の宮』リーダー、奇怪デス子に挑む。

 俺が勝ったら……リーダーに勝ったという事実を頂戴する」

「こんな堂々とした挑戦、他の宮だってやらねーデスよ。生意気な一年生デス」

「どうする? 受けるか? 逃げるか?」

 

 幼女先輩はにんまりと笑った。

 

「当然、受けるデス!」

 

 お互いスマホを左腕のデュエルパーツにセット。

 二つのスマホがリンクする。

 

『デュエルモードセット』

 

 流れる機械音声。

 

「切札……セット!」

「障壁展開、手札補充!」

 

「「デュエル!」」

 

「先に切札ゾーンにカードを設定したのは自分デス。後攻をもらうデスよ」

 

 陰やチノと対戦する時もそうなのだが、切札ゾーンの設定にはどうしても相手に一日の長がある。物心ついた時からデュエルをしてる他の人々と、最近異世界転生してきた俺じゃあまりにも操作時間に差が出るのだ。

 よって、どうしても先行後攻を選ぶ権利を取られてしまう。

 仕方のないことだ。切り替えていこう。

 

「俺のターン! ドロー! 俺はメモリを表向きにセット!(1-0)(手札7→6)

 俺は『ベビードラゴン』を召喚! 出撃効果により自身の障壁を一枚破壊する!(エイト障壁10→9)

 ベビードラゴンは速攻を持つ! ベビードラゴンで攻撃!」

「デス!(デス子障壁10→9)(手札6→7)」

「ターン終了だ!」

「自分のターン! ドロー! 表メモリセット!(1-0)(手札8→7)

 自分は『ポンコツ射撃ロボ』を召喚!(手札7→6) 効果は射撃1! よって場のベビードラゴンに一点のダメージを与える! 2/1スタッツのベビードラゴンを撃破! ターン終了!」

 

 

 

小栗エイト

手札 6枚

メモリ 1-0

障壁 9枚

盤面

 

 

 

奇怪デス子

手札 6枚

メモリ 1-0

障壁 9枚

盤面

『ポンコツ射撃ロボ』1/1

 

「こうも簡単に破壊されるなら『ベビードラゴン』よりも『襲い掛かるゴブリン』でも入れておいた方がよかったんじゃないデスか? 機の宮リーダーである自分が種別:機を使う事くらい事前に知っておけたはずデス」

「俺はこのデッキで勝ちたいんだ。勝つために相手によってデッキを曲げるつもりはないさ」

「その余裕……後悔するデスよ」

「させてみせるんだな。俺のターン! ドロー! 表メモリをセット!(2-0)

 『フレイムドラゴン』を召喚! 出撃効果により自分の障壁を一枚破壊!(エイト障壁9→8)相手の障壁を二枚破壊!(デス子障壁9→7)(手札6→8)

 ターン終了!」

 

 こちらの行動を見たデス子はいやらしく笑った。

 

「まあ、確かに出撃時の効果があるから最低限の仕事はしてると言えるです。とはいえ障壁をそんなペースで破壊して大丈夫デス? これからこちらの猛攻が始まるデスよ。

 自分のターン! ドロー! 表メモリセット!(2-0)

 まずはポンコツ射撃ロボがエイトに攻撃!」

「くっ(障壁8→7)(手札6→7)」

「続いてスペル『オーバーホール』を発動!(手札6→5) ポンコツ射撃ロボを手札に戻し、二枚ドローするデス!(手札5→8)」

 

C スペル『オーバーホール』 0-1 自分の機ユニット一枚を手札に戻す。デッキから二枚ドローする

 

「続いて手札から『リサイクルガンナー』を召喚!(手札8→7) このユニットを召喚した時、手札を好きな枚数捨てる事が出来るデス! 捨てる枚数は二枚! そして捨てた数値分の射撃が発動するデス!

 これにより、スタッツ2/2のフレイムドラゴンを撃破! さらにリサイクルガンナーが射撃によってユニットを破壊した時、二枚ドローする事ができるデス!」

 

U 機『リサイクルガンナー』1-0 0/1 射撃X Xはこのユニットが場に出た時、追加コストとして捨てた手札の数に等しい このユニットが射撃によってユニットを破壊した時、カードを二枚ドローする

 

 

「手札を……交換した」

「デス。手札を交換する前と後。どっちがよりよい手札になっているか……まあ言うまでもないデスね。さ、ターンエンドデス」

 

 

 

小栗エイト

手札 7枚

メモリ 2-0

障壁 7枚

盤面

 

 

 

奇怪デス子

手札 7枚

メモリ 2-0

障壁 7枚

盤面

『リサイクルガンナー』0/1

 

 

 

「俺のターン、ドロー! 俺はメモリを表向きにセットして(3-0)、アイテムカード『竜の財宝』をプレイ!(手札7→6) ターンエンド」

 

U アイテム 3-0 『竜の財宝』消耗3 効果発動により消耗 自分のユニットが相手ユニットを破壊した時、カードをドローする

 

「おやおや、殴り合いは一旦おやすみデスか。それならこっちは軽量級ユニットを場に展開したかったデスが……ポンコツ射撃ロボは捨てちまったデスねえ。

 ま、しゃーないデス。自分のターン! ドロー! メモリを一枚、裏セット!(2-1)(手札7→8)

 ここは『アタックガンナー』を召喚!(7→6) そしてリサイクルガンナーで攻撃!(エイト障壁7→6)(手札6→7)

 さ、ターンエンドデスよ」

 

 

 

小栗エイト

手札 6枚

メモリ 3-0

障壁 7枚

盤面

『竜の財宝』消耗3 効果発動により消耗 自分のユニットが相手ユニットを破壊した時、カードをドローする

 

 

奇怪デス子

手札 6枚

メモリ 2-1

障壁 7枚

盤面

機『リサイクルガンナー』1-0 0/1

C機『アタックガンナー』2-1 3/1 射撃3 二重殺

 

 

 

「……もう少し考えるべきだったな」

「デス? 自分にリーダーとしての誇りを賭けさせた事、後悔してるデスか。

 ま、無理もねーデス。このまま射撃でユニットを倒され続けていたらもう勝ちの目はないデス。

 本気を出させた事を後悔しながら負けるデスよ」

「そうじゃない。そうじゃないんだ。

 考えるべきだったのは――アンタだよデス子先輩! 俺が『竜の財宝』を出した意味を!

 俺のターン、ドロー! 表メモリセット!(4-0) 俺は『双頭のドラゴン』をプレイ!(手札7→6) このユニットは出撃時、相手ユニットに3ダメージを与える! 俺はスタッツ3/1のアタックガンナーを撃破! これにより、『竜の財宝』の効果が発動! カードをドロー!(手札6→7)(消耗3→2)」

「アタックガンナーが! デス! でも、まだ……」

「双頭のドラゴンの効果は二回発動する! 続けてリサイクルガンナーを撃破! 『竜の財宝』のアイテム効果が続けて発動! 消耗カウンターを一つ取り除き、デッキからカードを一枚ドロー!(手札7→8)(消耗2→1)」

「リサイクルガンナーも!」

「これが俺の双頭のドラゴンの力だ! ターンエンド!」

 

C 魔『双頭のドラゴン』4-0 4/4 出撃=相手ユニット一体に3ダメージ。それを二回

 

「ま、認めてやるデス」

「ん?」

「ドラゴン使いなんてのはもっとパワーの事しか考えてない脳筋だと思ってたデス。

 でもお前は違うデスね。自分の攻撃を上手い事かわしやがるデス。

 だから見せてやるですよ……レア・カードの力ってやつを、デス。ドロー」

 

 その一回のドローで、実力の高さが分かった気がする。

 あまりにも機械的な、訓練されたドロー。

 何十万、何百万回と繰り返されてきたであろう美しいドローだった。

 多分、ここからが本気だ。

 

「表メモリ、セット(3-1)自分は表3、裏1メモリを支払い『パワードガンナー』を召喚。(手札6→5)射撃効果発動。五点の射撃が入り、双頭のドラゴン撃破。ターン終了」

 

「射撃5だって!? 大体のユニットは破壊できるんじゃないか!?」

「それだけじゃない、よ。4コストなのにあのスタッツ……5/5もある。それに防衛まで持ってる! あれを突破しないとエイトくんの勝ちはないよ」

 

 チノと陰の二人が驚きの声をあげる。

 

 

 

小栗エイト

手札 7枚

メモリ 4-0

障壁 6枚

盤面

『竜の財宝』消耗1 効果発動により消耗 自分のユニットが相手ユニットを破壊した時、カードをドローする

 

 

奇怪デス子

手札 5枚

メモリ 3-1

障壁 7枚

盤面

『パワードガンナー』3-1 5/5 射撃5 防衛

 

 

 

 確かに、強い。だが……

 

「俺のターン、ドロー。表メモリセット(5-0)、スペル発動、『ドラゴンクロー』。相手ユニットに五点のダメージを与える。パワードガンナー撃破。この効果でユニットを破壊した時、カードを一枚引く……俺を倒したければ、レアカードじゃ足りなかったな。次はレジェンド・レアを持ってきてくれ」

「なっ」

「すげえぜエイトくん! 一枚のスペルであの大型ユニットを!」

「しかもドロー効果で実質手札消費無しだ、よ……」

 

 これは『竜の財宝』の効果で引いたカードだ。あれが無ければ危なかったかもしれない。

 

「おかしい。確かにユニットは射撃で処理してるはずなのに……」

「単純な話だぜ。たしかにユニット同士の殴り合いならデス子先輩のが強いんだろう。でも俺はスペルやアイテム、エリアカードをきっちり組み合わせてデッキを構築してる。だから盤面一辺倒のデス子先輩じゃ対応できないのさ」

「言ってくれる、デス。まだ勝負はついて……」

「俺が次に盤面にユニットを出すのはとどめを刺す時だ。射撃の意味はないぜ。ターンエンド」

 

「自分のターン。ドロー。メモリを裏向きにセット。バラマキングを召喚。このユニットは射撃1、射撃3、射撃6の三回射撃を行う……が対象は無し。ターンエンド」

「俺のターン、ドロー。表メモリセット。スペル発動『王者の行進』!

 このカードは山札からカードを二枚ドローして、それぞれ表メモリ、裏メモリにセットするメモリ促進のランプカード!」

 

 ちなみにこれがドラゴンパックに入っていなかったシングル買いしたカードだ。竜とかドラゴンとかついてないあたりからも察せられるかもしれない

 

「自分のターン。ドロー。表メモリセット。アタックガンナーを二体召喚。バラマキングで障壁を破壊」

 

 レア・カードを破壊されて意気消沈しているのか精彩を欠いている。相性が悪いという下馬評だったが……相性が悪いのは相手の方だったみたいだな。

 

「俺のターン、ドロー! 表メモリセット! さあ、デス子先輩、レアカードを見せてくれたお礼に、俺も【英雄】を見せてやる! プロセッサフェイズ! 俺は切札ゾーンから一枚のカードを加え、それを公開する!

 公開するのは『伝説の赤龍・ヴォルガニス』! この効果により相手の障壁を三枚破壊する!(デス子障壁7→4)」

「それは……レジェンドカード? はは……レア程度でいい気になってた自分が……馬鹿、みたい……デス……」

「二体のフレイムドラゴンを召喚! これにより自分の障壁を二枚破壊! 相手の障壁を四枚破壊! これでデス子先輩の身を守る障壁は無くなった! ベビードラゴンを召喚! これでフィニッシュだ!」

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 ――小栗エイトwin

 

 

「うそ……デス子ちゃん先輩負けちゃった」

「人の宮ってところのやつ強いのかも」

「一芸の魔、信仰の天、数の機に加えて、質の人ってコト……!?」

 

 勧誘に挑戦してた女子三人だけじゃなく、機の宮の一般ギルドメンバーがいつの間にか観戦に集まっていた。

 

「うう、負けちゃったデス」

「うおー! デス子先輩! 俺達がカタキを取るぜー!」

 

 そう言って、構えるメンバーに俺は言ってやった。

 

「挑戦ならいくらでも受けてたつ! その代わり、負けたやつは『人の宮』に入ってもらうぞ!」

 

 すると、半分くらいのメンバーから挑む気力が失われていった。

 

「いや……俺デス子先輩目当てで宮を決めたから……」

「デス子先輩無しじゃな……」

 

 そんな調子で、負けるのが怖くなってしまったやつらが多数。

 

「このロリコンどもめ」

 

 とはチノの言。

 しかしロリコンではないメンバーに関しては勧誘(物理)に成功し、人の宮には新たなメンバーが加わる事になった。

 さあ、この調子で次の宮を攻略しよう。残り二か所だ。

 

 

 

 ・嘘予告

 機の宮を攻略した俺達は勝利のお祝いにデュエルショップ神宮に来ていた。

 そこで行われていたのは巫女長という名の女神のコスプレカーニバルだった! お前、巫女だってコスプレみたいなものなのにお前……!

 揺れる爆乳、揺れる心、揺れるメイド服のスカート。

 俺の目が奪われる事が気にくわない陰が自分もコスプレをすると言い出して!?

 次回、『TS転生創造神が世界と一緒にカードゲームを作って広めました』第七話! 『女神と陰のコスプレ合戦』! 次回も人魔天機、奉納!

 実は陰も中一なのに結構胸あるんだよな……




次回、仕事が忙しいので遅れます
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