覇王大系リューナイト ~退魔の花~   作:アフロダイB

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クラスチェンジ

その頃サルトビ達は音に反応するアマノハバキリから身を隠すため、物陰に隠れて息を潜めていた。

逃げる途中で分かれ道に火薬物を放り投げて爆破音を発生させ、どうにか追跡から逃れる事が出来たがアマノハバキリはすぐ傍でまだこちらを探している。

このままやり過ごす事が出来ればいいのだが、サルトビ達は問題を抱えている。

それはパッフィーと藍が目を覚ます事だ。

2人が目を覚ませばアデューを助けに行こうとして、自分達は発見されるだろう。

アマノハバキリが諦めるか2人が目覚めるか、どちらが先だと言われたら恐らくは後者なのだ。

せめてアマノハバキリがこのまま通り過ぎてくれれば背後から奇襲を仕掛ける事は出来る。

杏樹も口を塞いで息を潜めてくれている。

サルトビは祈るような気持ちでアマノハバキリの足音が遠ざかるのを聞いていた。

 

『…ここは一体…?』

 

その時だった。

恐れていたタイミングでパッフィーが目を覚ます。

 

『姫、お静かに。

すぐ傍をアマノハバキリが歩いてます。』

 

サルトビが慌てて指を立てて小声で促す。

せめてパッフィーが黙って時間を稼いでくれれば先手を取る事が出来る。

だが、アデューの事でいっぱいのパッフィーは止まらない。

 

『そんな事を言ってる場合ではありません!

今すぐにでもアマノハバキリを倒してアデューを探しに行かないと!』

 

パッフィーはリューを召喚するとアマノハバキリの背後で呪文の詠唱を始める。

アマノハバキリはパッフィーを確認すると、反転してゆっくりと歩いてきた。

その歩みの遅さは強さの証、下手に先手を取るよりもマジドーラが仕掛けるタイミングで確実に斬るという選択が取れるのだ。

 

『藍、起きなさい。

リューを召喚するわよ。』

 

『くそっ、やるしかないのかよ!』

 

3人もリューを召喚し、アマノハバキリを迎え撃つ態勢を取った。

 

『どのみちアデューを置いて撤退はあり得ません。

いきましょう!』

 

パッフィーの気合は十分だが戦力差は絶望的で、一瞬で4体とも破壊されたとしてもおかしくない絶望的な状況だ。

 

アマノハバキリはまるで機械のようにこちらの事情など気にせず近づいてくる。

心や知性があれば逆に隙が生まれそうなものだが、この手の相手にはサルトビも小細工が出来ない。

 

爆裂丸が破れかぶれの特攻を仕掛けようとしたその時だった。

 

『待てぇぇええええっ!』

 

大楯と片手剣を持った見慣れぬリューが横から現れてアマノハバキリに飛び掛かった。

それは白銀のボディに青いラインが入ったどこか神聖さを感じさせるリューだった。

 

『サルトビ、今のうちに下がれ!』

 

『その声はアデュー!?

良かった、無事だったのね!』

 

愛しいアデューが生きていた。

突然現れたリューの主の声を聞いてパッフィーが歓喜の声を挙げる。

 

『アデューなのか!?

おい、なんだそのリューは!?

ゼファーはどうした!?』

 

一方、状況が読めず混乱するサルトビを後から現れた大弓を装備したリューが割って入る。

 

『話は後や!

こいつを使って今すぐクラスチェンジするんや!!』

 

カッツェは爆裂丸とマジドーラに向けて武器を放り投げる。

それぞれのコクピットに入ってきた武器を受け取ると2人はますます困惑する。

 

『その声はカッツェか。

お前も違うリューに乗ってるのか!?』

 

『クラスチェンジですって。

ですがこのような扱い慣れない装備では…』

 

質問攻めをする2人をカッツェは一喝する。

 

『いいからやれ!

ゼファーとウチのイェーガーがクラスチェンジ出来たように、今だけ特別大サービスでなんとかなるんや!!』

 

カッツェに急かされてサルトビとパッフィーは訳も分からぬままクラスチェンジを行う。

前回クラスチェンジした時は随分と苦労したものだが、今回はまるでその姿である事が当然かのようにあっさりと姿を変化させていく。

 

『何なの…マジドーラのクラスが強制的に書き換えられてく。

リュー・セージマスターですって?』

 

『リュー・カットスロートだと!?

おいアデュー!爆裂丸はシノビのリューなんだぞ!?

こいつは一体どうなってんだ!?』

 

アデューはアマノハバキリから離れ仲間の元に戻ると2人に向かって叫ぶ。

 

『俺だって不慣れなクラスで戦ってるんだ!

後で説明するから今はとにかく戦いに集中してくれ!』

 

クラスチェンジしていないセイメイは足手まといにならないよう後方で味方のデータを確認する。

 

『アデュー様のリューはリュー・クルセイダー、ゼファー。

そちらの方のリューはリュー・スターアーチャー、イェーガーと表示されています。』

 

藍の言葉を聞いてサルトビとパッフィーは冷静さを取り戻す。

異なるクラスではあるが、一応はそれぞれが元に近いクラスの姿であると理解したのだ。

 

『わ、わかりました。やってみせます!』

 

『くそっ、やればいいんだろやれば!』

 

4人はそれぞれアマノハバキリを包囲するように囲むと、アデューが先陣を切って仕掛ける。

 

『コイツはパラディンと同じマスタークラスだ!

アーククラスが相手だからって、そう簡単にやられるもんか!!』

 

ゼファーが大楯を前面に出しながらショートソードを振ってアマノハバキリに仕掛ける。

その隙をついて爆裂丸が斬りかかるが、アマノハバキリはアデューのほんのわずかな隙をついてサルトビを迎撃する。

アマノハバキリの一撃は爆裂丸を捉えたかのように見えたが、爆裂丸は寸前で木の葉のように舞って攻撃をかわす。

 

『弓はエルフの嗜みやで!』

 

その隙を突いてカッツェが矢を放ったが、アマノハバキリは残像が見えるほど素早く横に動いて回避する。

続いて斬撃を飛ばして爆裂丸を攻撃しようとするが、爆裂丸とアマノハバキリの間にゼファーが割って入る。

ゼファーの周囲にはバリアのようなものが展開され、バリアと大楯が斬撃を弾く。

その後ろでは呪文を詠唱しているマジドーラの姿がある。

ゼファーのバリアはマジドーラの詠唱によるもののようだ。

 

『すげぇ!

マジドーラの援護付きとはいえ、ナイトの盾と装甲をあっさりと斬り裂いちまった攻撃を無傷で防いだ!

パラディンのような攻撃力はないみたいだけどコイツの防御力は半端ないぜ。』

 

『こっちも悪くないぜ。

ニンジャマスターほど速くは動けないが身軽だ。』

 

『こっちは見たまんまやな。

弓にも多少の覚えはあるから戦えるわ。』

 

『こちらはウィザードに比べて攻撃力は劣りますが味方への援護が出来るようです。』

 

それぞれがリューの特性について語り、即座に作戦を練る。

アーククラスは手強いが、それでもマスタークラスが4機もいればなんとか戦えるはずだ。

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