Color!! ~ゲーム『こみっくパーティー二次創作』 : いろどり溢れる長谷部彩の物語~   作:拓田しろう

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プロローグ

 

 ――そう思っていたのも束の間。私の不安は的中した。

 私が抱いていた疑念は、大志さんの指摘で明確化したのだ。

 

 夕日の中で叱責される和樹さん。

 的を得た大志さんの指摘に、ただなにも反論できず、話を聞いていた。

 

 どうしてそうなった? そんなのわかりきってる。()()()()()()()()()()()()()

 売り上げ部数が少ない私のことを(あわ)れんで、和樹さんは時間を割いてくれていただけだ。

 

 逃げるように帰宅して、自室に閉じこもった。

 こみパの荷物も(ろく)に片さずに放りだし、ベッドの上に寝転がった。

 

 自分の不甲斐なさに涙がこぼれ落ちる。

 そうだっ! (はな)からわかっていたことじゃないかっ! 和樹さんと私じゃ釣り合わないっ! だからいつか迷惑をかけるって! そんなことがわかったら悲しくなるだけだって――最初からわかっていたのに!

 それが恋人になって、浮かれて、人に迷惑ばかりかけて……幸せになろうだなんて、バカみたいだ。

 

 枕に顔を押し付け、声が漏れないように大声を出して泣いた。

 一頻(ひとしき)り泣いて、涙が枯れた頃、ひとつの答えが浮かんだ。

 そうだ。今からでも遅くない。邪魔者(わたし)がいなくなれば、元に戻れる。

 

 ユニットを組まず、それぞれの道を歩く。そうだ、それがいい。

 私は売れない同人作家として、和樹さんは売れっ子の同人作家として、それぞれの道を歩けば――。

 

 ――そこまで思考が至って、枯れたと思った涙が再びボロボロと溢れ出してくる。

 

 ………………イヤ、そんなの、絶対イヤッ! もう一人で、同人誌を描くのは絶対イヤッ!!

 和樹さんの優しさを感じてたい。和樹さんの声を聞いていたい。大好きなあの人と、お互いのマンガを見せあって『今回の新刊も楽しかったね』って言いあいたいよぉ……。

 あの人との時間が失われるなんて、絶対にイヤッ!!!

 

 だったら――私が足を引っ張らなければいい。私も売れるようになればいいんだ。

 

 そうだ。()()()()()()()()()()()()()。自分のこだわりも、描きたいものも、全部捨てるっ!

 私も売れるようになって、和樹さんとずっと一緒にいられるようになるんだっ!

 

 そう決意し、自分の机に向かう。

 ノートを開き、今まで避けてきた流行ジャンル、表紙のデザイン、宣伝方法――思いつく限りの方法を書き記す。

 和樹さんの隣に立ち続けるためなら、何だってやるっ!

 

 必ず結果を出して、もう二度と和樹さんを失わない――。

 




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