Color!! ~ゲーム『こみっくパーティー二次創作』 : いろどり溢れる長谷部彩の物語~   作:拓田しろう

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31話 ウチ二十歳になるねん

 

 10月のこみパの原稿も終わり、後は当日を迎えるだけとなった日のこと。あと3日と迫ったこみパの準備をしていた。

 

 今回も和樹さんからいろいろアドバイスをもらって、原稿作業に時間がかかった。以前よりもずっと熱心で、私がなかなか理解に至らずに困っていると、実際に原稿を描いてわかりやすく説明をしてくれた。

 その影響で、和樹さんの原稿は納期ギリギリになった。

 思っていた以上に時間をかけさせてしまったらしく、毎日遅くまで原稿作業を続けていた。和樹さんより早めに脱稿した私は原稿を手伝った。

 途中、夜遅すぎて終電を逃したので、和樹さん宅に泊ることもあった。ただその甲斐あって、なんとか原稿を入稿日に間に合わせることができた。

 自分に時間をかけさせてしまって申し訳なく思い、脱稿後に謝罪したが『俺が好きでやってるだけだから』と笑顔で返されてしまった。

 どうしてそこまで熱心に指導してくれたかはわからなかったが、本当に悪いことをしてしまったように思う。

 

 こみパに持っていく荷物を整理していると自宅の電話が鳴った。

 1階に降りて受話器を取ると、聞き慣れた関西弁が聞こえてきた。

 

『こんにちは! ウチは猪名川言いますけど、彩はんはいますか?』

「由宇さん? こんにちは。彩ですけど」

『おお、彩はん! まいど、突然電話してしまって堪忍な。ちょっとお誘いしたくて電話したんや』

「お誘い……ですか」

『そうや。ウチ明日上京するんや。んでな、明日の夜牧やんと飲むんやけど、せっかくやから彩はんも和樹はんと一緒にどうやろか思って』

「え、でも……私未成年ですし……それに由宇さんもそうなのでは?」

『それな! 実はウチ、今度の誕生日なんや。そして前から20歳(はたち)になったら牧やんと一緒に飲もうって約束しててな、それでいつもより1日早く上京することにしたんや。でな、どうせなら彩はんと和樹はんとも飲みたいって思って誘ってみたんや』

 

 飲み会のお誘いなんて初めてなので、どう対応するかを迷った。そもそもで言うと私は未成年だし、和樹さんもそうだろう。

 しかし、その旨を伝えると、由宇さんもその点は認識していたらしく、ジュースで参加してもらえればいい、と言ってきた。

 

『ウチは飲んでもええ、と思ってるんやけど、牧やんがうるさいからなぁ……』

 

 なるほど。言うと怒られるかもだけど、由宇さんはともかく、南さんがついていれば問題ないだろう。

 ちょうど明日はお母さんも出張でいない。晩御飯代としてお金も渡されているからちょうどいいかもしれない。

 4人で出かけるなんて夏祭り以来だし、和樹さんと南さんが一緒なら、ぜひ私も行きたい。

 

「それでは参加します」

『ホンマか!? おおきに! そやったら有開駅(ありあけえき)前に18時集合でよろしゅう!』

「わかりました。和樹さんにはこれからですか?」

『ああ、ウチから電話しとくわ。じゃ、また明日なぁ』

 

 受話器を置いて、電話を切る。

 4人で過ごした夏祭りの記憶が蘇る。みんなで過ごしたあの日は本当に面白かった。

 明日の飲み会にワクワクしながら、こみパの準備を再開させた。

 




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