Color!! ~ゲーム『こみっくパーティー二次創作』 : いろどり溢れる長谷部彩の物語~ 作:拓田しろう
ハラ、ハラ、ハラ。ヒラ、ヒラ、ヒラ――。
ここは夢の中で繰り広げられる大劇場。
暗黒なユメセカイをイロドる舞台裏。
――しかし、今回は少し違っていた。いつもであったら小人さんたちが出てくるが、姿が見えない。
1人でいる観客席。なにもない舞台は暗闇に包まれ、静寂に包まれていた。
――小人さん、どうしたの? なんでなにも演じないの?
そう言葉を口にするも、音は闇に吸い込まれるように消えていった。
やがて、舞台に明かりが灯り、映像が流れだす――こんなのは、初めてだ――。
映像には和樹さんが映し出される。
1人で執筆する和樹さん。目の前のダレカに話しかけても返事はなく、寂しそうに俯いている。
そんな和樹さんの元に、瑞希さんが現れた。
彼女は孤独に作業する和樹さんの心に寄り添うよう、話を聞き、一緒に食事をとり、隣で励まし続けた。
落ち込む和樹さんをベッドに連れていき、肩を抱いて慰めると、そのまま和樹さんを押し倒す。
――やめて――。
服を脱ぎ、豊満な胸に和樹さんの顔を引き寄せて慰める。
やがて和樹さんもその気になり、瑞希さんのボディを貪るように求め始めた。
――やめて、やめて、やめて――。
妖艶な顔つきをした瑞希さんは、優しく和樹さんの体を愛撫する。
恍惚な表情を浮かべる和樹さんは、孤独に
瑞希さんの嬌声が響く。――2人の行為を見せつけられて、気が狂いそうになる――。
――やめて! こんなの見たくない! なんでこんなの見せるの!? こんな、こんなこんなこんなっ!
体が絡み合う光景に、心が凍り付く。吐き気を催すほどの嫌悪感に支配される。しかし、目を逸らしたくても逸らせなかった。
映像の中で、喘いでいた瑞希さんが、突如真顔になり、ギョロッとイタリア人形のような視線をこちらを向けてきた。
いつも美しくつぶらな瞳は闇に閉ざされて暗く、唇の両端は吊り上がり黒く穿った三日月を思わせた。
『――だって彩ちゃんは、和樹を裏切ったでしょ?』
――違うっ! 私は裏切ってなんか……。
そう言いつつも、言葉に力がこもらない。
私は目的のために和樹さんから離れた。その意識が私から自信を奪っている。
『だから、こうなるのは仕方がないことなのよ。和樹は私のモノ。あなたはそこで見ていればいいの』
和樹さんは私のことなんか視界に入らず、ただただ瑞希さんとの行為に夢中だ。
ケラケラと笑う
――イヤ、イヤ、イヤだよぉ……私から和樹さんを、奪わないで……。
「――いやぁ!」
目を覚まして勢いよく体を起こす。
息を荒げながら周りを見る。窓を外は既に日が昇って光が射している。パジャマを触ると冬場だというのに汗びっしょりになっている。
――夢? 今のは本当に、夢?
覚醒して間もない頭だったので、まだ現実と認識できていない。
次第に、先ほどまで見ていたものが夢だということに気が付き、ほっと胸を撫でおろした。
――なんて、厭な夢。
いつもだったらマンガの題材になるような話ばかりだというのに、どうしたというんだろう。
しかもあんな夢の内容なんて――本当どうかしてる。
壁のカレンダーを見る。入稿日まで後10日。まだ油断できる段階ではない。
なんとしても同人誌を完成させなければならない。
ふと、股に違和感を感じて、下着の内側に指を這わす。するとヌメリッとした手触りがした。
――それがわかって、愕然とする。
指先に残った感触に、全身が冷たくなる。夢と現実の境界が崩れていく気がして、静かに肩を震わせた。
最後まで読んでくれてありがとう。
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