魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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毎度恒例、週一投稿です!

今回少し迷ったところがあって、投稿が遅れました。

というか、未だにコレであってるのか、疑問……


009 石像と二人の騎士

 

 水面を突き破り、水をあちこちから滝のように降り注ぎながら、目の前に二体の石像が現れた。

 

「フォフォフォ、勝手なことをしないで欲しいのお。あの者達には、罰として……」

 

 目の前の石像達が、何か言っているけど、正直関係ない。こういうボス系モンスターは、何かする前に倒すだけ!

 

『『≪戦いの歌≫!』』

 

 魔力で活性化させた体を、一気に戦闘モードに持っていく。こういう不意打ちにも、SAOの二年間で慣れてしまった。

 

『コウッ! リンク・スタート 世界を照らす暖かな光―――』

 

『取り巻きからだな。先制もらう!』

 

 そう言って、右手に日本刀、左手にブロードソードを作り出し、左の剣を大きく後ろにそらす。片手剣に力と魔力をため、≪師匠≫からかつてアインクラッドで教わったシステム外スキル――――≪瞬動(・・)≫と同時に、一気に解放する!

 

『ハアッ!』

 

 赤いライトエフェクトを纏った片手剣が、さっき声を出していなかった石像の右腕を根元まで吹き飛ばす。

 片手用直剣の単発重攻撃ソードスキル≪ヴォーパル・ストライク≫。上位ソードスキルの中でも使い勝手がよく、愛用者が多いスキルだ。上位スキルである分硬直が長いが、その分威力とノックバック効果が大きく、こういうボス戦の先陣では重宝した。

 

『―――我が手に宿りて剣と変ぜよ―――≪光の剣≫』

 

 ≪ヴォーパル・ストライク≫の命中とともに、チウの唱えていた魔法も完成した。チウが唱えたのは、≪影の衣≫と同じ光の魔法の中級呪文。魔力を手から放射し、剣を作り出す魔法だ。大きさといい、長さといい、あれもまた彼女の愛剣をモチーフにしている。

 

 ちなみにソードスキルの硬直時間は、魔法版を使う現実でも、身体の負担の問題からほとんど変化が無かった。そのため、オレの身体は今完全な無防備だが、相手はそれを知らず、また、SAOの最前線で生き抜いたプレイヤー達は、それへの対抗手段を持っている。

 

 

『『スイッチ!』』

 

 

 システム外スキル≪スイッチ≫。ソードスキルの硬直時間中に、前線を他のプレイヤーに切り替えることで、現実の硬直時間を無くし、常にボスが攻撃に晒される状態を作り出すこと。先の攻撃とは異なる武器でスキルを発動することで、相手の思考AIに負荷をかけることも目的とした非常に有用なスキルだ。現実でも、攻撃手段の変化は、相手に『一瞬の戸惑い』を生むことが出来る。

 

『セアアアッ!』

 

 オレンジのライトエフェクトを纏い、チウの両手剣が、石像の残った左腕を根元から切り落とした。両手用大剣上段ダッシュソードスキル≪アバランシュ≫。こういう大型モンスター相手にも衝撃がでかく、一瞬のノックバックを発生させる非常に有用な剣技。

 

『『スイッチ!』』

 

 再びのスイッチ。こういう戦闘は、2年の間ずっとコンビを組んでいたこともあって、もはや条件反射の域だ。

 

『ラアアアッ!!』

 

 オレンジのライトエフェクトを纏わせた左手のブロードソードが、一呼吸で五回も突き込まれ、そこから斬り下ろし、斬り上げ、そして全力での上段斬り。片手剣八連撃ソードスキル≪ハウリング・オクターブ≫。上位ソードスキルだけあって威力も高く、後半の階層でも非常に重宝した。どうやら現実でも威力の高さは変わらないらしく―――

 

 ガラガラガラッ……という重たげな音を立て、目の前の石像はバラバラになり、湖に降り注いでいった。

 

 

「……少しはワシの話を聞いてくれんかの?」

 

 

 取り巻きの石像をやられて、喋っている石像だけになった。意識もある以上、かなり深く繋がっているのは間違いない。魔法使いへの数々のストレス、ここで全て晴らしてやる!

 

「フォ、お、お主ら、なぜそんな凶悪な視線でこちらを見るんじゃ?!」

 

『ネエ、チウ・・・・マップタツ・・・・? クシザシ・・・・?』

 

『だめだぞー。いちげきじゃなくてキリキザムんだ・・・・』

 

 ああ、やっとこういう機会がやって来た。思えば最初に世界樹を指摘したら、次の日からクラスで距離を置かれるし、道端で不良に絡まれたから撃退したら、明らかに身体能力のおかしい魔法関係者らしきリーゼントとその仲間達にしょっちゅう待ち伏せくらう羽目になるし、最後には『死の眼鏡(デスメガネ)』とかいう広域指導員と死の行進(デス・マーチ)的フルマラソンする羽目になるし。

 

 それもこれも、全部、ぜーんぶ、目の前のヤツラガ・・・

 

「フォ、か、解除術式を―――」

 

『『させるかーーー!!』』

 

 そこからは、もう一方的な展開。手に持った剣や刀で、目に付いたところを殴る、殴る。ちなみに、影で作った刃は一撃で倒すことの無いよう、刃をきっちり潰して、殺傷能力を低くしました! だから、『斬る』ではなく、『殴る』です!

 

 

「「「「「「「………」」」」」」」

 

 

 ちなみに、それを遠くから見ていたバカレンジャー+αは、その光景にどん引きだった。

 

「ムゴイでござるな……」

 

「イジメ、ダメ、ゼッタイ! アルネ」

 

「はわわ~~、アグレッシブだねー」

 

「何や、あの石像、どっかで聞いた声なんやけど…」

 

「よほど恨みでもあるのでしょうか……」

 

「いや、石像に恨みって何よ?」

 

「やっぱり、違う…? うん、父さんと同じマギステル・マギがあんなことするはず無いよね」

 

 どうやら目の前の光景を見て、子供先生の勘違いは無くなったらしい。うん、良かった。

 

 

「や、やめんかーーー!」

 

 

 不意に、目の前でやられるばかりだった石像が両腕と大剣を振り回し、オレとチウは数メートル後ろに吹き飛ばされてしまった。やっぱり簡単にいかないか。

 

「まったく、話も聞かんで……ワシは、そこにいる者たちを明日まで出すわけにはいかんのじゃ」

 

『……バカレンジャーの勉強合宿のためにか?』

 

「フォ?」

 

「「「「「「「え?」」」」」」」

 

『子供先生への不可解な課題、前兆が無かったのにいきなり流れた『頭が良くなる魔法の本』の噂、ここまで来れば誰でも分かるな』

 

『どうせ全然勉強しないヤツラへのお灸と、ネギ先生への採用課題を一緒にやってしまおうというアンタの企みだろ―――学園長』

 

「フォ!?」

 

「おじーちゃん?!」

 

「「「「「「えええええっ?!」」」」」」

 

『その証拠に、何故かこの場所には、中学用の参考書がそろいすぎている……魔法の本目当てで潜ったヤツラが用意したのでなければ、最初から誰かが用意していたに決まっているしな』

 

 何か、後ろで唖然としている気配があるな……。少しもおかしいと思わなかったのか?

 

「フォ、フォ………な、何のことかの~」

 

『いや、その口調で既に隠せてねえし。それにこうでもしないと、バカレンジャーが勉強しないってのは、私も理解できるしな』

 

「「「「「…ごめんなさい」」」」」

 

 ……バカレンジャーの皆さん、ここでしょげるなら普段から少しは勉強すれば良いのに。

 

『まあ、安心しろ。帰って全員に謝ったら、クラス総出でコイツラに強化勉強でもさせてやるさ。そうすれば最下位脱出くらいは出来るだろ』

 

「「「「「うえ―――」」」」」

 

『…チウ、反省が足りないみたいだし、此処は一つ、泣くことも笑うことも出来ない、勉強以外考えられなくなるレベルの方が良いんじゃないか?』

 

「「「「「反省しますっ!!!」」」」」

 

 ……まあこれだけ反省しているなら、大丈夫だろ。外に出たら出たで、オレもチウの勉強見ないといけないし。

 

 

「…少し待ってくれんかの?」

 

 

 …おや、この学園長、先ほどまでとは空気が変わっている。何と言うか緊張感が増した感じだ。

 

「コウ君に、チウ君と言ったか……先ほどの話からすると、チウ君は、ネギ先生のクラスの生徒ということじゃな?」

 

『…まあ、クラスの誰かだとは言っておくよ。正体明かす気はねーが』

 

「ええっ? そーなの?」

 

「こ、これほどの使い手が、あのクラスにいたアルカ!」

 

「一体、誰なのです?」

 

「ニンニン」

 

 

「ワシが聞きたいのは、お主らの正体もそうじゃが―――半年前、この街に侵入しようとした賊が撃退された事件じゃ」

 

 

『『ん?』』

 

「「「「「「「へ?」」」」」」」

 

「この街を襲おうとした賊が発見され、警備の者がその対処に回っておった。じゃが一部に警備を撃退できる強力な者がおり、応援が駆けつけたときには、警備の者以外の何者かが既に倒したあとじゃった」

 

 『賊』って、あの時の鬼か。まあ鬼なんてべらべら喋れないから、こういう言い方になるか。しかし目撃者はいない筈だけど…?

 

「倒された賊の証言では、撃退した者達は、『チウ』と『コウ』と言ったそうじゃ」

 

 ……OK、把握した。鬼の証言を採ってたのか。これは少々、面倒くさい。

 

「君達が一般生徒に対して脅威になるかは分からぬ……じゃが、少々事情を聞かせて欲しいのでな」

 

『……つまり、おとなしく付いて来い、と?』

 

「そういうことじゃ…ワシは学園長としての立場として、お主らを―――」

 

『『…ハッ』』

 

「? 何が可笑しいんじゃ」

 

 …可笑しすぎるな。『学園長としての立場』?

 

『アンタが学園長として、得体の知れない私らの事情を聞きたいって話は分かる』

 

「じゃったら―――」

 

『だが、アンタがオレたちの話を聞きたいのは、全然別の事情だろう?』

 

「………」

 

『そっちの事情抜きだっつうんなら、茶飲み話に付き合ってやってもいいがな』

 

『この街の支配者みたいに、好き勝手しているヤツラの親玉の話なんて御免だね』

 

「…お主らも、その力で自由にしておるのではないか?」

 

 力で、好き勝手している、か―――。

 

『まあ、確かに私らは、自分の都合で剣を振るってるよ』

 

『けどな、それでもオレ達は忘れちゃいないことがある』

 

「それは何じゃ?」

 

 それは、あの世界で出会った≪師匠≫の言葉。掛け替えの無い―――『姉』の言葉。

 

 

『『――剣だろうが、生活だろうが、何もかも、どんな時でも、おもいっきり楽しむんや。その代わり、自分が楽しない、自分の周りの誰かが楽しめないっっていうんやったら――――≪神≫だろうが、運命だろうが、叩き壊せ!』』

 

 

「……!」

 

『後ろ指差されようが何しようがそうするんや―――って、昔言われたんでな。今回出張ってきたのは、ここでコイツラを見捨てて無視してたら、私の≪日常≫が寝覚めの悪いものになるってだけさ……ついでに、アンタへの憂さ晴らしも魅力だったし』

 

『オレの場合は、チウのことも、その周りの大事なものも、根こそぎ守るって決めてるからかな』

 

『だから、無理にでも話をって言うんなら……実力で来な』

 

『……相手になるよ?』

 

 その言葉に再び高まる緊張感。それに対し、動く石像(ゴーレム)は見るからに重そうな石の大剣を構えた。

 

「仕方ないのう……」

 

『≪獣騎士≫コウ』

 

『≪銀騎士≫チウ』

 

『『……いくぜ?』』

 

 SAO生還者(サバイバー)VS動く石像、第二ラウンドスタート!

 




と言うわけで、取り巻きとの戦闘終了回でした。

今回迷ったのは、師匠の口調なんですよね~。京都弁ってこれであってるんだろうか?

まあ、あの原作の京都弁も微妙に怪しかったから、いいのか?
ちなみに、師匠の言ってる内容ですが……もしかしたら、アレ?と思う人がいるかもしれません。とある人物の関係者として作成したオリキャラなので……

ここからは、コウの出したシステム外スキルの話。正直、完全クロスなんだから、当然ネギま世界の技術をSAOに持ち込んだ人間もいたという……。ちなみに同門のチウも瞬動は出来ます。詳しいことは、近いうちに掲載予定です!
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