魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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先週水曜発売のマガジンに掲載していた『UQ HOLDER!』の絶望感よ……!
勝ち目無くね?



109 撃発

 

 花弁が、舞っていく。かつて英雄だった欠片が、空に消えていく。勝者となった少年の表情には、感動も感慨も一切浮かばず、ただその光景を眺めている。そして、それを見たもうひとりの少年は――――

 

 

「フェイトォオォォォォォッォーーーーーーッ!!」

 

 

 撃発した。暴虐な魔力が膨れ上がり、ネギの両手に集って行く。先程クルトに対して激昂した時よりも、さらに強く禍々しい魔力が渦を巻く。

 

「オォオオオオオオオオォォォォォッ!!」

 

「!!」

 

 文字通り雷光の迅さで、ネギの拳がフェイトの顔面に突き刺さった。茫洋としていた彼はその勢いのままに迎賓館の瓦礫へと跳ね飛ばされた。

 

「よくも、よクもォ――――――――――――――――――――――――――――ガッ?!」

 

 追撃をかけようとしたネギ先生が、急激にその動きを止めた。両腕の魔力がさらに濃密さを増し、空中に紋章状の魔素痕(オーラ)を描き出す。

 

「がッ、あ…が、ぐ、ぁっ…………!?」

 

 集った魔力はやがて鼓動を刻み、その両腕の気配が、人間とは異なる禍々しいナニカへと変貌しようとしていた。

 

「――――ここまで、だな」

 

 そういうと、コウがネギ先生の鳩尾に当て身を喰らわせ、呼吸を一時的に妨げる。それと同時に、チウとキッドが彼の両手に大量の梵字と九字が刻まれた『符』を貼り付けた。

 

「天ヶ崎特製、破邪祈祷型の『符』だ。万が一に備えて、持ってて良かったぜ」

 

「ホントは、コウが堕ちちゃった時用なんだけどにゃ~」

 

 符が大量に集まった魔力を散らし、鎮めていく。パワー特化で破壊力偏重の西洋魔法と違って、祟りや穢れを祓い鎮める繊細な技術は、ある意味東洋呪術ならではと言えた。≪闇の魔法(マギア・エレベア)≫によって強制的に集められた力が霧散し、ネギ先生の意識も落ちた。

 

「ネ、ネギせんせー?!」

 

「大丈夫アルカ、ネギ坊主!」

 

 周りに集まって来たネギ先生の従者に、彼の身柄を引き渡す。もっともこの事態、急がなければ全員の身に危険が迫るだろう。

 

「意識を失っているだけでしょう。彼を連れて、急いで退避を」

 

 そう言って白刃を抜き放ち、厳しい表情を浮かべるクルト総督。その顔は政治家のものではなく、歴戦の戦士と言えるものだった。

 

「……分かった。こっちは任せろ。アンタの方は大丈夫か?」

 

「ハハハ、心配していただけるのは光栄ですよ、チサメ嬢。もっともお客様の接待は、主催者(ホスト)側の責務です。ここは――――

 

「そいつ一人に任せるのは逆に心配だろう。僕も引き受けよう」

 

――――チッ。招待状も貰っていないのに侵入してくるとは、些か品性が足りないんじゃないかね?」

 

 突如として降ってきた声に、クルト総督から舌打ちが飛ぶ。部屋の壁が吹き飛び、煙草をくわえ、背広を纏った男性が現れた。

 

「た、高畑先生ーーッ!」

 

「おお! まだ向こうと行き来できないのに、どっから来たの!?」

 

 2-Aの元担任にして、≪紅き翼≫の現メンバー高畑・T・タカミチが戦場へと降り立った瞬間だった。

 

「僕と一緒に、龍宮君も来ていてね。彼女にはダンスホール内の客の避難を任せてきた。君らも僕がアイツの相手をしているうちに早く――――」

 

「――おやおや、タカミチ? よりにもよって、守るべき一般人の避難誘導を自分の生徒に任せるとは……≪立派な魔法使い(マギステル・マギ)≫にもっとも近い男が聞いて呆れますねぇ」

 

「…………」

 

 途端に、場の空気が一変した。ギシギシと軋みを上げるかの如く、空気が秒単位で加速度的に険悪さを増していく。だと言うのに、当の本人たちの表情には、笑みしか浮かんでいないのだから、余計に怖い。

 

「……いや、まさにその通りかもしれないな。メガロの傀儡に成り下がって、今やただの使い走りをしている男にそんなことを言われるとは……。いやー、僕も年かも知れないね」

 

「いやいや、君はまだ若いさ。恐らく拳ばかり鍛えすぎて、脳の鍛え方が足りないんだろう。精進するといい」

 

「はは……魑魅魍魎が跋扈する政財界で鍛えられ、生来の陰険さがさらに増した人間は言うことが違うね」

 

「「アハハハハ」」

 

「「…………」」

 

 笑えない。一切笑えない。なんでこの二人は、会うなり罵倒の応酬なんかしているんだ?しかも唐突に笑いが治まったと思ったら、増大した緊張感で、空気が目に見えて歪みだしたんだが?壁にはめ込まれたガラスが、堪えきれずにひび割れ始めていた。

 

「…………まあ、今は言いたい事は置いておこう。今はやらねばならないこともある」

 

「…………いいでしょう。君への文句を連ねたらそれだけで多大な時間を消費しますからね」

 

 そう言って、二人が改めて向き直る。視線の先には瓦礫から這い出、身体の埃を叩いているフェイトの姿。

 

 

「――豪殺居合拳」

 

「――斬魔剣・弐の太刀」

 

 

 二つの極技が、轟音と共に炸裂した。それを背にして、ネギ先生を抱えて全員が走り出す。

 

「ゆーな! ネギ坊主のこの症状は大丈夫アルカ!? 走るそばからどんどん顔色が悪くなてるアルガ!」

 

「あ~、出来る限り揺らさずに……って言うのは無理か。うん、安静に出来る場所に急いで運ぼう。それが一番」

 

「…………でも、心配だね」

 

 意識の無いネギ先生は、今や顔面蒼白。額には夥しい冷や汗をかいており、苦しそうなのが良く分かる。……あるいは、一刻を争うな。

 

「よし。ネギ先生たちが保有してた金魚船があったな? アレをすぐに――」

 

 チウがネギ先生の容態を考え、次善策を出そうとしたその瞬間。

 

 

「――――――――イッツ・ショウタイム」

 

 

 全員が疾走していた長大な廊下が、横合いから飛び込んで来た光の刺突によって、閃光と共に砕け散った。

 




ようやく出てきたタカミチは、フェイトの足止め役に決定。まあ、彼も少し働いた方がいいですよね。未来であんな事態を引き起こした主原因みたいな人だし……

ここまでの話は、大体原作に沿う形ですが、そろそろ大規模な改変が入ります。本筋を変えないと、あのマガジン掲載の絶望的な光景の二の舞なので……なんですか、アレ!絶対、勝ち目無いじゃないですか!刀太の戦力はエヴァ以外、劣化刹那とか、劣化さよとかで、下手したら麻帆良の脱げ女より弱い魔法使いとかなんですよ?ヒドすぎる……
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