魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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それでは、SAO編開幕です!
といっても、やっているのはALOですが…

ちなみにこの作品は、『アリシゼーション』がハッピーエンドを迎えたら、という前提で書いています。そのくせWeb版は手に入らなかったので、違うところが多々あるかも知れません。その点はご容赦下さい。



第四章 妖精郷の住人たち
011 妖精たちの集い


 

 春休み。オレとチウの二人はエギルの喫茶店兼バーの『ダイシー・カフェ』に向かっていた。というのも、今日この後、リーファさん、シリカさん、シノンさんの志望校合格祝いを兼ねたオフ会があるためだ。

 

 ……問題は。

 

「後ろの出歯亀どもをどうにか撒けないか、ってことだよなあ…」

 

「……あれ、確かチウのクラスの朝倉さんと、早乙女さんだよね?」

 

 さっきから、後ろをカメラと双眼鏡持った女子中学生に追い掛け回されている。そしてソレを止めようとして、止められない人が一人と、ほんわかしながら、興味しんしんで着いて来ているのが一人と、興味なさげにジュースを飲みつつ、着いて来ている人が一人……。ぶっちゃけ図書館探検部で有名な四人組だった。

 

 しかし…全員が全員、デートと勘違いしているのが丸分かりである。

 

「まあ……気にすることもないか」

 

「そうだな。今日は身内だけのパーティーってことで、『ダイシー・カフェ』は貸切だし」

 

 今日来るのは精々SAO・ALOの身内ばかりで、部外者は入れない。まさか貸切の店に無理矢理入ってくるようなことは、いくら麻帆良生徒でも………………ないよな? あるわけないよな?

 

「おっ、着いた着いた」

 

「さーて、まずは主役が来る前に、飾りつけかな?」

 

 そう言って、後ろの集団は完全にスルーして、二人で店へと入っていった。……ちなみに飾り付けの最中に、サングラスとトレンチコートで変装した、赤パイナップルとゴキブリ触覚の二人が入ってきた……。すぐにエギルに追い出されたのは言うまでも無い…………。

 

 ◇ ◇ ◇

 

「それでは、三人の志望校合格を祝って……かんぱーーーい!」

 

『カンパーーーーーイ!!』

 

 司会進行役を買って出たリズさんの音頭とともに、ALOプレイヤーでの合格祝賀オフ会は開始した。

 

「おめでとうございます、シリカさん」

 

「うん、ありがとう、コウ君」

 

 彼女はシリカこと綾野珪子さん。SAO・ALO通じて、フェザーリドラと呼ばれる子供のドラゴンを相棒としているビーストテイマーだ。SAOからの解放後、獣医の道を志し、今回見事志望校の獣医学部に合格した。

 

「しっかし、あのシリカが獣医さんか~。SAOの頃から、動物好きではあったけどな。攻撃的(アクティブ)になっていない敵モンスターにエサやろうとして、追い掛け回されたり」

 

「もう、チウちゃん! 昔の話を蒸し返さないでよ!!」

 

 ちなみに、この二人はSAO時代に何度か顔を合わせたり、パーティー組んだりしていて仲が良い。低年齢層がほとんどいないSAOでは、同年代の友人と言うのは貴重だった。

 

「いやあ、めでてえ! オイ、コウ! オメエも飲め!!」

 

「クラインさん、中学生に酒飲ませようとするなよ。確か今、どっかの教師と付き合ってるって聞いてるけど?」

 

 SAOの攻略組ギルド≪風林火山≫のリーダー、クラインさん。当時から面倒見がよく、多くのプレイヤーから慕われていた人だ。

 

「オウ、そうなんだよ。彼女も俺の忙しさとかちゃんと気遣ってくれるしよ、生徒からも慕われてるみたいだし……マジで結婚考えてるんだよ~~~。どうだ、うらやましいか? うらやましいだろ、オイ?」

 

 ……ちなみに、現在彼女いない暦イコール年齢に終止符を打ち、どこかのバツイチの女性教諭と真剣に交際しているらしい。昔はある程度慕っていたが……、今ははっきり言って、惚気がウザイ。

 

「オイオイ、俺の店で未成年者への飲酒の勧めは勘弁だぜ?」

 

「ホントよね。いくらなんでも酔い過ぎじゃないかしら」

 

 こちらは、この店のマスターでSAO・ALO通して阿漕な商人をやっていたエギルことアンドリュー・ギルバート・ミズルと、GGOきっての女狙撃手のシノンさんこと朝田詩乃さん。彼女も今年受験で、臨床心理士になるべく専門の心理学を学べる大学に合格した。GGOに存在するオレとチウの別キャラとは同じスコードロンの仲間でもある。

 

「ニヒヒ☆いいじゃん、シノっち~。みんなで祝ってくれてるんだから、もっとパーッと行こう! パーッと!!」

 

「……何故、祝われてる当人でもない貴女が、そんなにテンション高いのよ?」

 

 そして彼女は、GGOでスコードロンの仲間でもある、≪キッド≫こと明石裕奈。リアルでバスケットボール部に所属しているせいか、異常に反射神経と身のこなしが良く、GGO内ではデザートイーグルとハンドガン型の光学ブラスターの二挺拳銃で戦う女ガンマンだ。ちなみにALOにも別キャラを持っており、そちらでは二挺のライトボウガンで戦う影妖精(スプリガン)の弓戦士(?)になっている。

 

「……ゆーな、もしかしてお酒飲んだ? さっきからオレンジジュースに良く似たナニカを飲んでたけど……」

 

「……え? そう言えば、クラインさんがさっき、オレンジジュースベースのカクテル頼んでたけど…」

 

 こちらはALOで知り合った水妖精(ウンディーネ)の海戦士、≪レーカ≫こと大河内アキラ。ウンディーネ特有の回復魔法だけではなく、各種状態異常解除(デバフ)魔法も使うことが出来、パーティーを支える縁の下の力持ちだ。

 

 もう片方は、風妖精(シルフ)で五本の指に入るほどの女剣士、リーファさんこと桐ヶ谷直葉さん。オレに≪剣技連携(スキルコネクト)≫を教えたキリトさんの妹で、体育教師を目指して体育大学に進んでいる。リアルでも剣の腕は凄まじく、昨年のインターハイでは、個人戦・団体戦ともに剣道で優勝を果たしている。

 

「にゃ~。酔ってない、酔ってないよ~」

 

「「「「……酔ってるわね(な)」」」」

 

 どう見ても頭、というか身体が左右にユラユラ揺れてるし。

 

「…はあ、ったく。オイ、明石! お前そんなんで、この後の二次会出られんのか!? あんま酔ってると、私らだけで行くことになるぞ?」

 

 ……ちなみに二次会というのは、ALO内で企画した、『ボス討伐ツアー』である。現在アメリカ留学中で、オフ会に参加できなかったメンバーも交えて、久々に新生アインクラッドでのフロアボス攻略に繰り出そうというのだ。

 

「もー、しっかりしてよ、キッド。今回のボス戦は、私達のお祝いなんだから。ちゃんと倒してスッキリ終わりたいのに」

 

「だ~か~ら~、酔ってないって~」

 

「……これは、ダメかもな」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 その後宴会も終了し、舞台はALO内の新生アインクラッド第50層、極めて雑多な商店が連なる一角、エギルの雑貨店だ。

 

「……そんなに楽しかったのか。ゴメンな、スグ。お前のせっかくのお祝いに出てやれなくて」

 

「私も出たかったなー。シリカちゃんやシノのんにも、久々にリアルで会いたかったし」

 

「あー、まあ残念だけど…お兄ちゃん大学のレポートが追い込みかかってるんでしょ? 流石にそんな時に、日本まで呼べないよ」

 

 リーファと話しているのは、彼女の兄でSAO・ALO・GGOでかなりの有名プレイヤーとなった、キリトさんこと桐ヶ谷和人さん。珍しい二刀同士ということもあって、プレイヤーの中ではかなり親しい方だ。

 

 そしてその横にいるのはウンディーネの回復役(ヒーラー)で、最近はリアルでもキリトのパートナーの位置が定着しているアスナさん。もっともこの世界では、『バーサクヒーラー』の名前の方が通りが――――

 

「コウ君。何、考えたのかな?」

 

「いえ、何も!」

 

 ……なぜか異常に勘が良いヒトだ。

 

「む~~、私も行きたかったです。チウちゃんに会うの、久しぶりなのにー」

 

「しゃあねえだろ、ユイ? 今度の麻帆良祭の時には、色々案内してやっから」

 

 向こうでチウと話しているのは、二人の『娘』であるユイ。出会った当時は見た感じ同年代だったため、他のメンバーと違ってタメ口が定着してしまった。

 

「それにしても……凄いメンバーだな」

 

 周りを見渡すと、そうそうたる顔ぶれだった。先ほどのオフ会に来ていたメンバーはもちろんのこと、そのほかには風林火山の初期からのメンバー、ALOに彗星のごとく現れた強豪ギルド≪スリーピング・ナイツ≫の五人、サラマンダー最強の男ユージーン将軍とその側近、シルフの新領主となったレコンとリアルの事情で勇退した旧領主のサクヤ、猫妖精(ケットシー)の領主アリシャ・ルーとそれぞれの取り巻きたち……。

 ALOで有名どころのメンバーが、一堂に会してしまっている。下手をすればネットニュースに流れかねないくらいの珍事だった。

 

「さーて、それでは、今回の≪ボス討伐ツアー≫を始めたいと思います!」

 

 司会進行役は、このツアーも企画していたリズさん。各領地の領主差し置いて、進行してしまっていいのだろうか?

 

「そう言えば今、アインクラッドは何層まで到達してるんだ? 最近インできなかったから、攻略の程度が分からないんだが……」

 

 それに答えたのは、ちょうど隣にいたクラインさんだった。

 

「あ~~、今67層ってとこだ」

 

「…………は?」

 

 確か去年の年末のアップデートで、ついに81~90層が実装されたと聞いたんだが?

 

「67層にな……とんでもねえボスがいて、誰も進めてねえんだよ…………」

 

 67層――SAO時代には、クオーターポイント以外の通常のボス攻略で、攻略組に死人が出た最後の層だ。その上このALOはデスゲームではないがゆえに、ボスに異常な強化が施されている。

 

「そうか……あのボスは手強かったからな」

 

「いや……アイツじゃねえ。今回67層にいるのは、別の奴だ」

 

「……?」

 

 そう話すクラインさんの横顔には、何かを噛み締めるような色があった。…何だ? この痛みを堪えるような表情は?

 

 

「≪The Gleameyes≫…………昔は74層にいた奴が、今67層を守ってるのさ」

 




 SAO編第一話、終了!

 今回出てきた各キャラの未来は、あくまで作者の想像です。もしかしたらWeb版は違うかも…

 そして、3-Aの新たなVRゲーマーが二人登場!
 まず『キッド』。名前で恐らく誰かバレた人。しかもファンタジーでもFPSでも二挺拳銃な人…正直GGOの装備で一番悩まなかった人でもある。他にないしねえ…

 次に『レーカ』。実は最後まで候補が二人おり、どっちでもいけそうな名前にしたキャラでもある。結局最後は攻撃力と、後の物語の展開考えてこの人にしました。回復系と水魔法特化キャラとして考えてます。もう一人のキャラだったなら、回復+薬師だったりするが。

 ちなみに、この二人も早い段階で何とか戦闘に巻き込めないか?と考えていたりする……特にレーカは、早い段階で合流させたいな…

 次回、グリームアイズ戦! ALOで鬼強化されたグリームアイズにご期待下さい!
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