魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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今回、ついに主人公のユニークスキルが明らかに!

『最優』と『最狂』とは、一体なんなのか!?



035 七星の輝き、狂乱の嘆き

「Bull Shit......厄介なことになったもんだな。まさか攻略組そのままの身体能力が蘇るとは……」

 

 目の前で幅広のアーミーナイフを肩に担ぐPoHは、そんな事を呟いた。

 

「お前等は、≪魔力強化≫して、ようやくかつてのSAOキャラクター並み……こっちは、元のキャラクターにプラスして、≪魔力強化≫もアリだ。大人しく捕まるんだな。魔法関係者は甘いから、今なら永久オコジョ刑とかで済むんじゃないか?」

 

「……」

 

 まあ、実際にここで倒してしまってもそんな感じで収まるだろう。本当なら確実に仕留めて置きたいが、ソレが許される状況でもないし。それに――

 

 

「…………Oh、どうしたPKK。俺達を殺したいはずのお前が、まるで勝負を焦ってるみたいだぞ?」

 

 

 ――急がないと、この状態の『弱点』がばれるしなぁ。

 

「どーいうことスカ、ヘッド?」

 

「んー? コイツにしてみりゃ、俺達は殺しても殺し足りない仇のはずだ。それなのに、俺達に降伏を勧めてくる。まるで早めに勝負を終わらせたいみたいじゃないか?」

 

 ……くそ、やはりPoH(コイツ)だけは厄介だ。洞察力が凄まじく、相手の心の隙をつくのが非常に上手い。だからこそ、ラフコフは最大の殺人(レッド)ギルドになり得たんだ。

 

「…………ク、クク。そう、いう事か? つまりは、『制限時間』だ、な」

 

Exactly(その通り)! 恐らくあの状態を維持するために、『気』か『魔力』か、あるいはその両方かを大量に消費してしまうのだろう。だからこそ勝負を急いでいる――――違うかな?」

 

 …………正解だ、クソヤロウ。もっとも、正解を懇切丁寧に説明してやる義理など無い。睨みつけて、沈黙を守る。例えその『沈黙』が何よりの答えだとしても。

 

「どうやら当たりのようだな。だったらお前等分かってるな?」

 

「ウース! 時間をかけてじっくり刻んでやりましょー!」

 

「クク、ククク……」

 

 舌なめずりをしながら、三人が武器を持ち直す。……くそ。元々この状態は、PoHの推測のとおり、気も魔力も大量に消費する。その上、キッドとレーカの変身を支えているのも、オレの魔力だ。チウだけは自力で変身を維持しているが、オレの変身はそんなに長く保てない。

 

 だが、ここで一つ『意趣返し』をさせてもらう。

 

 

「――そんなことしなくても、お得意の≪ユニークスキル≫で、勝負を決めればいいじゃないか?」

 

 

 その言葉に、向こうの動きが僅かに止まる。――どうやら、向こうも『同じ問題』に直面していたようだな。

 

「……オイオイ、そんな簡単に殺しちゃ俺達が楽しめないだろ? だからこうして――」

 

「ごまかしはやめなよ。はっきり言ったらどうだ? ≪咸卦法≫が長続きしないんだ、って」

 

 ≪気≫や≪魔力≫を扱う者が、必ず最後に到達する究極技法(アルテマアート)……≪咸卦法≫、≪気と魔力の合一≫。使えればそれだけで世界上位ランクにランクインすることも可能なほど、稀少かつ強力な能力だ。

 

 そして、恐ろしいことに――――『十種のユニークスキル』は、≪咸卦法≫のエネルギー以外では、発動しないらしい。この半年、それなりに身体も鍛え、練習自体はしてきたが、未だに短い時間発動させるのが精々だ。とても勝負には使えない。

 

 恐らく相手も同じ条件にあり、だからこそ連発で追い打ちをかけてこないのだろうと考えたが、どうやら当たりだったらしい。

 

「……どちらにしても、俺達の勝ちだ。ちょっと見てみな」

 

 そういわれて示された方向の先。森を越えた向こう側で、巨大な光の柱が現れていた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

SIDE:アキラ

 

「これは、本当にまずいね……」

 

「で、ござるな……」

 

 森の一画、湖にほど近いところで私と長瀬、それに綾瀬は、犬耳を生やしたネギ先生と同年代の子供と対峙していた。ネギ先生を儀式場と思しき湖の近くの森に一度転移させ、不意をついて突っ込もうと考えていたところ、この少年が襲ってきた。仕方ないので私一人彼を押さえ込んでいたところ、綾瀬を探しに行った長瀬も合流したと言うわけだ。

 

「ハア、ハア……どうやら、オレらの勝ちやな、ねーちゃん方。アレは西洋魔法使いなんて簡単に全滅できるチカラやて、千草ねーちゃん言うてたからな。ここで降参したらどうや?」

 

 そんなことを目の前の少年は言うけど、こんなことくらいじゃ私はまだまだ諦めてやれない!

 

「……長瀬、悪いけど一人でこの子の相手頼めるかな? 私は、ネギ先生に援軍を届けてくるよ」

 

「もちろんでござるよ。ここは拙者一人で十分。安心して行って下され」

 

「ありがとう!」

 

そう言って、私は近くの水溜りに飛び込む。ネギ先生、もう少しだけ持ちこたえて!

 

SIDE OUT

 

SIDE:ネギ

 

 目の前には、絶望が屹立している。飛騨の大鬼神、≪リョウメンスクナノカミ≫。かつて父さんが封印したバケモノが、目の前に現れていた。

 

「……なんなのよ、アレ」

 

「くっ……」

 

 アスナさんも、刹那さんも、絶望的な表情を浮かべている。僕等じゃ、ダメだったのか……?

 

「……この程度で、心が折れるとはね。期待はずれだよ」

 

 そう言って一歩一歩近付いてくるのは、白い髪に学生服を纏った、謎の西洋魔法使い。先ほどコイツの攻撃で、僕の右腕は半ば石化してしまった。高等技術のはずの『石化』をこうも簡単に行使できるなんて……!

 

「殺しはしない。だけど、向かってきた以上それ相応の――――

 

「やらせねえよ」

 

 ――――!?」

 

 不意に響いた声と共に、目の前から敵が消えた。代わりに目の前を閃光が奔り、離れた湖の水面に何かが落ちた水柱を立てる。

 

「簡単に諦めてんじゃねえよ、ネギ先生」

 

「……あ、ああ……長谷川さん!」

 

 目の前に現れたのは、長谷川さんと、大河内さんだった。援軍が来たのなら、なんとかなるかもしれない!

 

「目障りやなあ……スクナ! 吹き飛ばしたり!!」

 

 その声と共に、鬼神の口にとんでもない規模の魔力が集中する。ダメだ、あんなモノ、僕の障壁じゃ防ぎきれない!

 

 

「全員、私の後ろに隠れろ!!」

 

 

 そう言って僕等三人の目の前に、大河内さんを小脇に抱えた長谷川さんが着地する。そして、その剣を逆手に持ち替え、両手を胸の前で一度合わせた(・・・・・・)

 

「消し飛びなはれ!!」

 

 その声と共に、迫る光の柱。それに対するは――――

 

 

「『天璣(てんき)』の星よ、輝け――――≪ストライフ・イージス≫!!」

 

 

 十字に輝く、星の輝きだった。星の輝きが、光の柱を切り裂き、その一切を受け流していく。

 

「な、なんやそれはあっ!!」

 

 猿のお姉さんが驚きの声を上げるけど、本当の驚きは、ここからだった。

 

 

「――『倍増返済(ダブル・ペイバック)』」

 

 

 光の柱が掻き消え、それの倍はある光の柱が、鬼神に向かっていったのだから。

 

「なあああああっ?!」

 

 声と共に鬼神に炸裂し、大きく後退する。それでも消え去らないのは、さすがと言えるかもしれない。

 

「は、長谷川さん、それは――――『盾』?」

 

 見ると、長谷川さんの両手には先ほどまでの両手剣でなく、巨大な『十字盾』が握られていた。刀身に浮かんでいた北斗七星も中心の宝玉へと移動している。

 

 

「『自分の武器を、≪七種の武器(・・・・・)≫に、自由に書き換えるスキル』――――それが私のユニークスキル、≪七星剣≫だ」

 

 

 その星の輝きは、僕等全員の希望の光だった。

 

SIDE OUT

 

「オイオイ、すごい威力じゃないか。果たしてあんなところに向かったお前の女は、どうなったかねぇ?」

 

 召還された大鬼を眺めていたPoHのヤツがそんな事を言う。こちらへの攻撃の片手間にだ。

 

「に、してもだ……」

 

 そこで言葉を切り、此方を向く。だめだ、聞くな。これは、ヤツの作戦だ。

 

「つくづくお前も女を不幸にする男だな?」

 

 コイツの狙いは、オレを逆上させて、自滅を狙うための――――

 

「ああ、なんという女だったか、ホラ……」

 

 聞くな。聞くな。聞くな聞くな聞くな聞くな……

 

 

「――――お前がその手で命を奪った、『サクヤ』とかいう女とかなあ!」

 

 

 ブツリ、と何かが切れた音がした。

 

「―――――――ッ!!」

 

「おおっと!」

 

 渾身の一撃は、狙いを大きく外れ、周りの地面に突き刺さった。瞬間――――

 

 

 地面が、爆ぜた(・・・)

 

 

「くっ……」

 

「な、何アルカーーーッ!」

 

「コウ、ダメ!」

 

 何か声が聞こえてくるが、もう気にしない。その声が、何なのかも気にならない(・・・・・・・・・・・)

 

「出てきたな……『自分自身をソードスキルにする(・・・・・・・・・・・・・・)』ユニークスキル、≪狂乱剣≫」

 

 その声は、もうどこか遠くで言われているような感覚だった。身体は影とも違う漆黒の光で覆われ、考えられないほどのチカラが溢れ出してくる。それを抑え付けられず、喉も枯れよと、叫ぶ。

 

 

「オ……オォオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 叫ぶ。さけぶ。サケブ。

 

 ありとあらゆる嘆きをまとい、あらゆる恨みを込めたその叫びは、どこか『産声』のようにも聞こえた。

 




はい、と言うわけで、主人公のユニークスキルが明らかになりました。

チウのユニークスキル、≪七星剣≫。これは単純な武器持ち替えではなく、それに対応する保有スキルすら書き換えてしまいます。そうでもないと、武器スキルだけでスキル欄は大変なことになりますから……。しかも、七種の武器は自分で設定可能でかなり自由度が高い上、SAO内では、ほぼノータイムでの切り替えが可能です。
異常なほど、『状況対応能力』が高いユニークスキル。それがこのスキルです。まあデータの改ざんに等しいため、電子精霊との相性が重要になるんですが。

コウのユニークスキル、≪狂乱剣≫。自分自身をソードスキルにすることで、通常攻撃すらソードスキル並みの威力になり、元々のソードスキルの威力も高まるというのがこのスキル。モチーフにしたのは、Fate/ZEROのバサカではなく、Bleachの一護の『無月』と『虚化』です。まあ、つまり、当然理性は……
しかも、バカデカいデメリットも設定してありますしね……

今回出てきた二つのスキル。恐らくチウのユニークスキルで、「ん?」と思った人は多いでしょうが……ちゃんと、そのあたりもやります!詳しくは麻帆良祭編までお待ち下さい!
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