今回の話を作るに当たって、テーマにした言葉です!
あの作品も良かったなあ……
SIDE:裕奈
「コウ……」
視線の先では、≪狂乱剣≫を発動させたコウが、暴れまわっている。狙いは、
「クソがッ!」
「――ッ、シッ!」
悪態と共に、ジョニー・ブラックとザザの武器が振り下ろされるけど、その攻撃はコウに当たると、逆にあいつ等の方が大きく弾き飛ばされている。
アレこそが≪狂乱剣≫。ソードスキルと同じくダメージ判定のある漆黒のライトエフェクトを身体中に纏い、そのエフェクトを貫ききれない攻撃には、『
…………だけど、≪狂乱剣≫の問題は、そこじゃない。
「Wow、オイオイ、二人とも、こっちは時間を稼ぐ
「りょーかいッス、ヘッド!」
「……、ああ」
やっぱり、向こうも知ってたか。≪狂乱剣≫は元々、SAOで
……発動させれば≪狂乱≫に落ち、時間経過とともに、ゲーム内の『生命』そのものである、ヒットポイントを消費するスキルなんてね。
発現した人たちは、その全てが
(――お願いだから、無事に戻ってきて。お母さんみたいに、いきなりいなくなったりしないでよ……)
私には、祈ることしか出来なかった。
SIDE OUT
SIDE:チウ
「おい、そろそろ出て来いよ。マクダウェル」
十字盾からの反撃で、スクナとかいうデカイ鬼を吹っ飛ばした後、私は自分の足元の影に語りかけた。
「――フン。キサマ、私の見せ場を奪う気か? 長谷川千雨」
「知るか。ああいうボス級は、何もさせずに倒すのが一番なんだ。見せ場だの何だの言ってる奴から、死んでくもんだぜ?」
SAOのフロアボスはそうだったしな。隠し玉のせいで、一体何人犠牲になったことか。
「そこらの雑魚と、私を一緒にするな。私を誰だと思っている」
「……アンタ、その慢心で封印されたんじゃないのか?」
「ぐっ!」
学習しない幼女だ。
「…………お、おのれえっ…西洋魔術師があッ!!」
自称・最強(笑)の吸血鬼と談笑してたら、スクナと一緒に吹っ飛んでたメガネのオバサンが復活した。まあ変に制御下にあるせいで、あのオバサンが命令しないと何もしてこないのは幸いだな。これならフロアボスの方が強い。
「ククッ、まだ見せ場はあるようじゃないか。いいだろう、あのデカブツは私が沈めてやる。長谷川、キサマは前衛だ」
「待てよ、近衛の奴はどうするんだ? 今アレの肩に乗ってるんだぞ?」
「何? 仕方ない、長谷川、キサマが――――」
「待ってください!!」
私達の会話に割り込んできたのは、決意を瞳に宿した、桜咲の奴だった。
SIDE OUT
SIDE:刹那
――私は、弱かった。
「何だ、刹那。お前の大事なお嬢様は、私が救ってやる。お前はそこでいじけていろ」
「ちょ、エヴァちゃん! 何よ、その言い方!!」
――私は、怖かった。
「……お嬢様をお救いする役目、私にお譲りください」
「ホウ……?」
――私は、また捨てられたくなかった。
「別に構わんが? だが、どうやって行く気だ? 『今の』キサマでは、あそこまで辿り着くことなどできまい?」
「……いえ、私一人なら、あそこまで行けます」
――私は、また
「クク、いいのか? ソレについての『掟』は私も聞き及んでいるぞ?」
「……ええ。ここでチカラを使ってしまえば、皆さんともお別れしなければなりません。でも――――」
――私は、誰よりも、『このちゃん』を喪いたくなかった!!
背中の服を破り、顕現する。私の忌むべき運命の象徴。私のノロイ。――――『白』一色の翼。
「――――私は、『このちゃん』を助けたい!!」
翼の解放とともに、今まで自分の中に封印してきた全ての妖力も解放される。今なら、何でも出来る気がする。
「スイマセン、ネギ先生、アスナさん、長谷川さん……私は、先ほどの妖怪達と同じ、バケモノで――」
「ふぅん……?(もしゃっ)」
「わひゃあっ!? ア、アスナさん……?」
いきなりアスナさんが翼を鷲づかみにしたと思ったら、撫で回され、匂いを嗅がれ、散々弄繰り回された後、背中をパアンッ!と張られた。
「なーに、言ってんのよ、刹那さん。こんなん背中から生えてくるなんてカッコイイじゃん」
「つーか、横にロボだの吸血鬼だのいる状況で何言ってんだ。あのクラスなら、むしろいつもの
「それに、このかがこれくらいの事で『大事な親友』を嫌いになったりするわけ無いでしょ? ホント、バカなんだから」
「…………!」
そのアスナさんの言葉で私の心は軽くなった。文字通り、『鳥の羽のように』。
私は涙を振り払い、前を見据える。助けるべき人の待つ、その一点を。
「いかせると思うのかい?」
今にも飛び出そうとしていた私達の前に、先ほど吹き飛ばされた白髪の少年が立ちはだかった。
「先ほどの君の技……『茅場晶彦』の≪ソードスキル≫だね? 彼自身かラフコフの人たち以外に使い手はいないと思っていたけれど、意外に多いものだね」
「……そう思うんなら、表情くらい変えたらどうだ? 何かテメエ、仕草が全部『人形』じみてるんだけどよ。今時のVRRPGでテメエみたいな敵キャラが出たら、クレームの嵐だろうな」
白髪の少年は、長谷川さんに警戒していた。この少年は、長谷川さんの技について知っているのか?
いや、今は何よりも、このちゃんを助けないと!!
私がそこまでの思考を展開していた間に、前に飛び出していた影がいた。
「行ってください、刹那さん!」
前に飛び出した影は、ネギ先生だった。無警戒だった方向からいきなり飛び掛られたことで、白髪の少年は反応が一瞬遅れた。その一瞬でネギ先生は、少年の足にしがみつき、地面に転がした。
「僕じゃ、まだコイツに勝てないかもしれない! けれど、足止めくらいできます!! だから行って下さい!」
「そーよ、刹那さん! 私だって加勢するから、このかをパパッっと助けてやって! あのデカイのは、エヴァちゃんだって、長谷川だっているんだから!!」
「ククククク、ぼーや。中々意地を見せるじゃないか。それに神楽坂明日奈、私をアゴで使おうとは、いい度胸だ!」
「いーから、行きな、桜咲。デカブツも、ネギ先生のほうも、私がフォローしといてやる」
「…………ッ、ハイッ!!」
こんなにも、受け入れてくれる人たちが、いる。私は目からあふれ出す涙を拭いもせず、一番最初の、一番大事な親友の元へと飛び立った。
――――背中を押してくれた、皆の存在を感じながら。
SIDE OUT
刹那・覚醒、の回でした。
原作と展開が微妙に違いますが、刹那の心情描写入れたかったので……それにチウが介入しちゃってるしなw
今回のテーマは、ノロイと願い。刹那のほうもそうですが、裏テーマはコウです。死ぬと分かっていて、スキルをSAOで発動させ続けたコウ……何の願い(ノロイ)を背負っているのか?悪魔襲来編のときにやろうかな、と考えています。