読む方は、覚悟して読んでください。
砂糖を抱いて溺死しろ……
甘ぁぁぁぁぁ!
目の前にいる、圧倒的なナニカ。それはその存在そのものが許されぬモノ。
「
「キ■ス■■……■■■キス■■■■■オオオ■■■■■ォォォォーーーーーーッ!!!」
乙女の唇を奪うことのみに特化した魔物――つまりは、性獣。
「――とりあえず、カモは後で『オコジョ鍋』だな」
「ホントにごめんね……そのときは、私も協力するから」
そうして頷きあい、神楽坂もアーティファクトを展開。二人がかりで目の前のネギ先生とコウを止めるべく構える。……が、周りの四人が、一向に動かない。
「にゅふふ~、コウとまたキスか~」
「…………キス、か」
「ボク、はじめてなんだよね~」
「ああ…キスだけやのうて、全部奪ってくれたらよろしいのに……いけずやわ~」
「「…………」」
あ、ダメだ、コイツら。ふと見ると、道の向こうにいたネギ先生派の奴らも、キスの期待にもじもじしてる奴、色々葛藤してる奴と半々に分かれていて、動く気配がない。
と、そこで目の前の二体に動きがあった。
「キーースーーーーー」
「■キ■■ス■■■■■■■ゥーーー」
ネギはネギ先生派、コウはこっちと、二体ともが狙いを定めた。……どうやら好意を寄せる相手を、標的にするくらいの理性は残っているようだ。
「「キッ!!」」
二体が、駆け出す。正確にはコウの瞬動が辛うじて感知できた程度で、ネギ先生は気が付いたときにはすでに上空。そこから一気に雷の速度で回り込み、既にその手の中に宮崎を収めていた。
「ね、ネギせn(ぐっ…)ふむ?!(ちゅっちゅちゅ)ふ、ふあ…(ぴちゃ!)んむ!?(ぴちゃくちゃくちゅ)ん、んー!(ぺろぺちゃぺろ)ん、んん、んーーーーーーッ!!」
……オイオイ。宮崎の足、ガクガクになってるぞ。コウの攻撃を防ぎながら、横目でそれを確認する。そうしていると、宮崎を奪い返さんと、新たな影が割り込む。
「のどかを放すですー! ネギ先生!」
綾瀬が上空から≪白き雷≫を放つが、その着弾を紙一重で避け、次の瞬間には綾瀬の背後にネギ先生がいた。
「くっ、どこに―(ガシッ!グリン!)後ろ!!で、ですが、私は屈したりh(ぷちゅ)ん!(ぺろぺろぺろぺろ)ん、んん、ふ……(ぐいっ)ふむぐ?!(ぴちゃ!くちゃ!ぴちゅ!)んーーーーッ!!」
くっ、綾瀬まで……!雷速とか、ホント厄介だな!
「神楽坂! こっちは私達で何とかするから、先にネギ先生の方を! これ以上犠牲者を出すな!」
「! ……わかったわ。アンタ達も負けんじゃないわよ……これが終わったら、バレンタインらしく皆でチョコフォンデュパーティーよ!」
「ヲイ、それ死亡フラグじゃねえか……?」
不吉なモン残していきやがって。負けられなくなったじゃねえか!
「よし、オメエら加勢しろ!」
「え~、でも~」
「キス、したいし……」
「拒む理由あまりないかな?」
ホントやる気ねえな、コイツら!
「そーですな~……あら?」
「「「「え?」」」」
いつの間にか≪影の槍≫がまるで紐のように伸び、ヤンデレの足に巻き付いていた。そして、引き寄せて――オイ!
「あらら?ごーいんですな~(ちゅっ)ん…(ちゅちゅっ)んん!(ちゅっぴちゃ)んふ!んむぅ!(ぺちゃぴちゅぺろぺろ)んんん!!んむむぅぅぅ!!!」
あのアマ、すげー棒読みで、むしろノリノリじゃねえか……。空いた手で、背中とか撫で回しまくってるぞ。
「うわ、激し……」
「~~~~ッ」
「でも、ああいう情熱的なキスもいいかも……お?」
「な!」
次はロザリオの足に≪影の槍≫が――……オイ、コラ?
「あ、あはは。ボク初めてだから、できればもうちょいロマンチックに――(くちゅっ)んむ?(くちゅ、くちゅちゅ)!んむ!(かりっ)ふあ?!(ぴちゃ!ぴちゃ!ぺちゃ!)んん、んはあっ!?」
あっという間に、ロザリオの力が抜ける。地面にはヤンデレが痙攣しながら、横たわってるし……。
「う……、さすがに恥ずかしく――(ガシッ)な?」
少し後ずさりし始めた
「え……、ちょ、待(ぴちゅぅ)むぐ!(ちゅちゅ)ん、んん……(くちゃ!)ふぐ?!(ぺろぺろぺろ)んむぅ……!」
犠牲者は、増えていく……なのに、私の方には、最初以外攻撃が来ていない。
「にゃ~、いいな~。お預けされるのは、さすがに――(ギュルン、ガシッ!)よっしゃ!」
男前すぎる掛け声だな、
「へへへ~、忘れられないキスに――(ちゅぅ)ん!(ぴちゃぺろくちゃ)む…ふぐ(かりりっ)あう?!(くちゅ!くちゅちゅっ!)ふあ…ふあああっ!?」
そして、完全に力が抜けた
そーか、そーか。
――大方、自分がこんな状態で、強引にキスされるのは、私が嫌がるとでも思って、無意識に拒否してるんだろうが……それはそれで、傷付くんだよ!
「ムカついた。今すぐ正気に戻してやるぞ、コウ?」
剣により一層の魔力を纏わせ、構える。目を向けると、向こうも上位の実力者が抑えにかかったみたいだし、そろそろ
「や、やめるアル。そんな状態のネギ坊主にキスされても――(ぴちゃ!)ふむぐぅ!(くちゃ!ぺちゃ!ぴちゃ!)む、んむぐぅーーーーッ!」
「ぼ、ぼーや!今すぐ兵装を解いて正気に戻れ!これは師匠めいれ(ぐっ…ぺろ)ん?!(かりっ)ふぁ…(ぴちゅぅくちゃぁ!)ふぁぁぁぁ!!」
………………マクダウェルが、ヤラレタ。強くなりすぎだろ、アイツ!
「――――何やってんのよ」
そこに響き渡る静かな覇気。……やっぱ、この辺りは『お姉ちゃん』だよなあ。
「いい加減に―――」
「とっとと――――」
二人そろって、手の中の剣を振りかぶる。狙いは、今回の騒動を大きくしたアホ二名。
「「正気に戻れ! バカネギ(コウ)!!」」
――こうして、2月14日、降臨したキス・ターミネーターとキス・バーサーカーは討ち取られたのだった。
◇ ◇ ◇
「――全く、情けねえな」
今現在特別に設置されていた救護テントで、コウはベッドに横になっている。何でも薬が完全に抜けるまで、少しばかり微熱が出るらしい。ちなみにさっきの犠牲者たちは、全員ルームメイトやクラスの奴らが担いで寮まで運んで行った。全員を寝かすには、ベッドが足りないしな。それに、全員幸せそうな顔してたから、問題ねえだろう。
――に、しても、だ。
「今回の騒動……私にも原因あんだよな……」
元々、あんな怪しげなモンに頼ろうとしたのが間違い。食ったのはコイツとはいえ、コイツは本来何も悪くない。
…………けどな、私だってときどき不安になるんだぜ?
「――……のど、渇いたろ」
そう言って、部屋に置かれた水差しに手を伸ばし…………口に含んだ。そして、眠るコウの唇に重ねる。
「……ん(ちゅっ)んん(………コクッ)ん…(コクコク)ふ……(ゴクン)ふう…………。今回だけだ。勘違いすんじゃねえぞ?」
そう言って、そこを去り、そのまま外に出る。顔の熱さに、外の風が少しだけ気持ちよかった。
――――Happy Valentine!
後編、投稿!これにて番外終了!
コウ派の人達は千雨以外全員、ネギ先生派はのどか、ゆえ、古、エヴァと犠牲者多数…欄外にも犠牲者はいるはずですが、その四人なのは、完全に作者の趣味!特に古もまた、作者のストライクゾーン……
最後の口移しは、砂糖の海で溺死しながら書ききったぜ……!R15タグつけてて良かった……
これ以降はしばらく、不定期更新になります。年度変わって落ち着くまで、お待ちください。