魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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GGOは、多分次回かその次で終わります。ようやく外でアップしてる方々が……!



060 死銃

 

SIDE:朝倉

 

 ――この二人、相当厄介な星の下に生まれてんじゃない?

 

 SAOに入り、ALOを経て、GGOへと至った記憶を見てきて思ったのはそれだった。師匠はSAOの被害者ではあったけど、その後の事件には関わっていなかったから、ALOとGGOで起きた『事件』については私が独自に調査した。その二つの事件もSAO被害者が一部関係しているのは調べられたけど、まさかこの二人だったとは……

 

『――本来稼ぎに来てたこのGGOで、おかしくなりだしたのは、一つの噂が流れてからだ。ソイツに撃たれると、現実にも死ぬといわれる、≪死銃≫というプレイヤーの噂がな……』

 

『≪死銃≫……? ゲームで実際に死ぬなんて、SAO以外じゃ有り得ないでしょ?』

 

 明日奈の感想は正解よね。けど、この事件は、調べた内容が本当なら、とんでもない狂気と死に満ちた事件なのよ……。

 

『……それが、あるのさ。実際最初に≪死銃≫に遭遇した二人だが、後になってそいつらの自宅から死体になって発見されたよ』

 

『な……!』

 

『もっともそれにゲームが関係してると判明したのは、事件が明るみに出てからだ。少なくとも私もコウもそのときは、全然信じてなんかいなかったのさ』

 

 そして、記憶の映像が移る。そこはどこかの近未来的なホールの中。だけれどその中にはあちこちに銃を持った人が佇み、あまりにも殺伐とした雰囲気を出していた。

 

『その≪死銃≫事件の犯人と、私たちが出くわすことになったのは、その年の年末。GGO内でのナンバー1プレイヤーを決める大会、第三回≪バレット()オブ()バレッツ()≫の中での出来事だった……』

 

 画面の中を見ると、長谷川たちを含めた四人が、黒くて綺麗な長髪をたなびかせたプレイヤーと話し込んでいた。誰かな、アレ?

 

「まさか、お前らがここに来てたとはなぁ……」

 

 ……なんか女の子っぽくないしゃべり方の娘ねえ。あの外見で勿体ない。

 

「そりゃ、こっちのセリフですよ……」

 

「その外見で『オトコ』だなんて、詐欺にもほどがあるわ」

 

「まあ、激レアのアバターだからね……」

 

 ……は?!オトコ!?

 

「性別詐称で訴えられてもおかしくねえぞ――――『キリトさん』」

 

 ――――――あれ~?今おかしなことが聞こえなかった?SAO解放の立役者、現代に生きる英雄、≪黒の剣士≫キリトの名前が聞こえたような……?

 

「あのな! オレだってこんなアバター嫌だったんだぞ?! ALOからコンバートしたら勝手にこうなったんだよ!」

 

「仲間内は皆接続時間が半端じゃないから、レアなアバターになるのは当たり前だろ」

 

「キリトさんって、時々考えなしですよね……」

 

 二人の容赦ない言葉に崩れ落ちる、元英雄。幻想って、こういう時に崩れるんだろうなー。

 

『まあ、あんな感じで、キリトさんも≪死銃≫を追ってGGO内に来てたんで、翌日の決勝で詳しい話を聞く機会があったんだ。それで協力して事件解決に乗り出すことになった』

 

 次の光景は山岳地区。小高い丘の上に陣取った≪ビッカース≫重機関銃使いの≪獅子王リッチー≫と表示されたプレイヤーが、有り得ない存在に追いつめられていた。

 

「何なんだ、何なんだ、お前らあぁぁぁッ!!」

 

 乱射される機関銃の弾丸を、真っ向から斬り捨てながら向かってくる長髪の少女とネコミミをつけた幼女。……まあ、FPSであるはずのこのゲームのプレイヤーにしたら、『悪夢』そのものよね。

 

「くそッ、いったん逃げ――ぐああッ!?」

 

 逃げようとしたそのプレイヤーは、横合いから振り回された巨大な丸太に吹き飛ばされた。行き着く先は、幼女と少女の姿の死神。

 

「「ラアッ!!」」

 

 一瞬で五体をバラバラにされてそのプレイヤーはポリゴンへと還った。ここまで実力に差があると、もはやチートだわ、こりゃ。

 

「……ふう。しかし、中々出くわさないな」

 

「確かにな。新顔のプレイヤーはあんまりいないから、容疑者自体は絞れるんだが……」

 

「その分探すのが難しい……結構広いからね、この島」

 

 そんなことを話しながら、三人は島を探し回る。

 

「≪ペイルライダー≫とは大分離されたな……」

 

「だけど、正直SAOの頃とこのゲームじゃプレイスタイルも違うだろうし、判別は難しいんじゃねえか? どうやって判別すんだよ」

 

「……それは、オレとキリトさんでやるよ。もし幹部以上のプレイヤーなら、絶対に思い出すさ」

 

「…………」

 

 その言葉に、長谷川は沈黙。顔には苦渋が浮かんでる。やっぱ、そうだよね。

 

「……ん? なあ、あれシノンじゃないか?」

 

 その言葉に視線を戻すと、少し行った先の灌木の中にシノンがいた。腹ばいになって狙撃姿勢になっているところを見ると、どうやら道の先の橋に来た人間を撃つつもりなんだろう。全員が注意深く気配を消して、近づく。

 

「……動くな」

 

 代表してキリトさんが彼女に光剣を突き付け、呟く。彼女は何とか反撃しようとしたけど、すぐ近くで佇む長谷川と水原の姿を見て動きを止めた。

 

「アンタ達、グルだったの……!」

 

「「――キリトさんの差し金です」」

 

「即答!? って、違う違う! こっちに敵対の意思はない!」

 

 ……しどろもどろになりながら説得してるけど、言ってる状況がねえ。≪ペイルライダー≫が≪死銃≫か確かめるためとはいえ、華奢な女の子に馬乗りになりながら言うことでもないと思うわ。

 

「――つまり、これからあの橋で始まる戦いを黙って観戦させろ、っていうわけ? 私が断ったらどうする気だったのよ」

 

「……その時は、正々堂々戦うさ。ただ出来るなら、シノンみたいな女の子は斬りたくないけどな」

 

「…………」

 

 ――成程。師匠の言った通り、ナチュラルな女殺しだわ、こりゃ。

 

 それから全員で橋の上で起こったマシンガン使いとショットガン使いの二人の戦いを見ていたけど、事態は最後に思いもよらない展開を迎えた。

 

「えっ……!」

 

「狙撃!? ≪ペイルライダー≫が撃たれた?」

 

 小さく漏らしたシノンの呻きに、長谷川が反応し、辺りに視線を向ける。どこにも狙撃手の姿は見えない。

 

 

 そして、ソレは現れた。

 

幽霊(ゴースト)……?」

 

 

 橋の中央、柱の影から現れたのは、異種異様なプレイヤーだった。まるでぼろ布のようなマントを纏い、その顔には髑髏を模したマスク。その仮面もマントの黒い闇の中に半ば隠れ、赤い眼光だけが爛々と輝いていた。

 

 そのプレイヤーは、ゆらゆらとマントを不気味にはためかせながら、電光が奔り動けないペイルライダーに向けてゆっくりと一丁の拳銃を構え、その胸を撃ち抜いた。撃たれたペイルライダーは一瞬後に硬直から戻り、反撃に移ろうとしたが、突然胸を抑え、苦悶と声にならない呻きをあげ――――――消えた。

 

『――これが≪死銃≫の殺害方法だ』

 

 全てが終わった後、響いた長谷川の声ですべてを理解した。今、私達が見たのは、まぎれもない『殺人現場』だったのだと。その事実に全員が顔を俯けていると、また違う声が響いた。

 

 

「――――妙なコトが出来るねぇ、お兄さん☆」

 

 

 その声に顔を上げると、いつの間にかゆーなが橋の欄干に現れていた。一体どこから?!

 

「何か、お兄さん強そうだし――とりあえず、勝負!」

 

 記憶の中のゆーなが、拳銃を手に走り出す。だけど、勝負は一瞬だった。

 

「目障り、だ……!」

 

「くあッ!?」

 

 突如として、髑髏マスクが片手でライフル銃を持ち、まるで突きのソードスキルを放つようにねじりながら突き出すと、銃口から放たれた弾丸がゆーなの左肩を穿ったのだ。遠距離用のライフルで、中距離戦までこなすっていうの?

 

「ぐっ、ぐぐ……!」

 

 ゆーなにも電光が奔り、動けなくなる。

 

「……貴様、にも、この≪死銃≫の、力と恐、怖を教えてやろうか?」

 

 ゆーなの額に、≪死銃≫の銃口が押し付けられる。私達は、一瞬これが記憶であることを忘れた。

 

「ゆーな!」

 

 そう叫んだとき、私たちの視界に別のものが割り込んだ。

 

「ヴォオオオオオ!」

 

 それはチェーンソーを振り下ろす水原。それを≪死銃≫が躱した一瞬に、水原は未だ動けないゆーなを小脇に抱え、一気に橋の手すりを飛び越えた。

 

「……! 待、て、≪獣騎士≫……!」

 

 その言葉に振り返ることなく、水原とゆーなは、川の中へと姿を消していった。

 

SIDE OUT

 




死銃、参上!そして、ゆーなとコウは愛の逃避行へ……(違)。このときのゆーなは、こうでもしないとフラグ立たない高難易度キャラですw

さて、ここでお知らせ。来週・再来週と、職場の都合で休日完全返上……そのため投稿するのが不可能になりました……体力が限界や……
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