魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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続きが全く思いつかず現在スランプ中……。

しかも来週も休日出勤で投稿できない……。



064 神速のスキル

 ――長谷川千雨は預かった。返してほしくば、指定の場所へ来い。

 

 ある種古典的ともいえる呼び出しを受け、コウ、レーカ、キッドの三人は世界樹近くのステージへと向かっていた。

 

 そもそもなぜ、こんなにも簡単にチウだけが浚われることになったのか?その理由は、エヴァンジェリンの別荘にある。実は別荘から出る際、コウ、レーカ、キッドの三人は、修行の成果を見たいと言われ、エヴァに強制的に残されたのである。魔法使用可能の真祖の吸血鬼に。結果、三人とも氷結地獄を見る羽目になった。

 

 チウだけは、どうしても外せない用事(実際はHPの更新)があると言って、上手く抜け出したのだ。その結果捕まっているから、彼女の幸運値のステータスは相当低いのだろう。

 

 そして、チウの逃走・捕縛から一時間後、事態に気付いた三人が向かうことになったのだ。

 

 ――だが、その道中、新たな火種が生まれようとしていた。

 

「………………」

 

「~~♫ ~~~~♪」

 

「は、ははは……」

 

 三人がいる場所は、空中。地面から近づくことで奇襲を受ける可能性もあったため、空から全員で強襲することになったのだ。その判断は間違っていない。確かに間違っていない。

 

 問題なのは、全員がアバター姿で、キッドがコウに抱き着いていることだ。

 理由としては、キッドのアバターだけがGGO時代の物で、その背中に妖精の翅が付いていないためだが、現状の打破にはつながらない。

 

 さっきからその光景を横目で眺めて、レーカの機嫌がどんどん悪くなっていた。

 

「ねえねえ、コウ~。ドキドキする? ドキドキするかにゃ?」

 

「……動悸、息切れ、冷や汗が止まらない、かな」

 

 視線が痛過ぎる状況で、コウの反応はある種当然と言えるだろう。少しでも選択肢を誤れば、津波直撃のフラグしか立たない。

 

「ん~、じゃあこうしたら?」

 

「ちょ?!」

 

 ……ここで、キッドの体勢を詳しく説明しておこう。彼女は今コウに横抱きにされており、いわゆる『お姫様抱っこ』の状態だったわけだが、その状態からわざわざ彼女は上半身を起こして、両手を首に回してきた。そして、ギュッと抱き着いた格好なわけだが、そうなると色々先程までとは状況が変わるわけである。具体的には――――最近、中学生級を逸脱し始めた胸部が接触したりとか。

 

「コウ…………」

 

「違うからね!? キッドが抱き着いてきてるんだからね!」

 

「今度、私のムネも触る?」

 

「何口走ってんの?!!」

 

 VR組で、実は彼女が一番積極的(アグレッシブ)なのかも知れなかった。

 

 そんな感じで空中コントが繰り広げられていたが、やがて目的地のステージが見え始めた。それと同時に上空から接近する別の一団も。

 

「あれ……ネギ先生?」

 

「向こうも浚われたみたいだな」

 

「まあ、どういう敵かはともかく魔法関係ならネギ先生も関わってくるよね~。……お、先制攻撃するみたい」

 

 視界の奥で杖に乗るネギ先生の周囲に魔力が集まり、≪魔法の射手≫が発射された。

 

「レーカ、高度を下げて! ネギ先生を囮に別方向から強襲する!」

 

「了解!」

 

 ネギ先生が来ているということは、十中八九向こうも仲間が浚われたということで、メンバーはチウやレーカのクラスメートだろうけど、一緒に敵側が用意しているであろう罠に嵌る理由もない。むしろ向こうが気を引いているうちに、人質を全員助けた方が効率的だ。

 

「このままステージの裏手から近づこう。向こうにはヒゲの外人と半透明な子供が何人か向かったみたいだから、上手くやれば気付かれず――」

 

 

「残念ながら、そうはいかないなあ?」

 

 

 粘つくような声が、会話を割ったのはその時だった。その声に反射的に回避行動をとると、レーカとコウの間の空間を、巨大な光線が横切って行った。

 

「攻撃!?」

 

「レーカ! 森の中へ! 遮蔽物で身を隠すんだ!」

 

 その言葉とともに三人そろって森の灌木の中へと降りていく。そのまま地面に着くと、周りの灌木や木の幹を隠れ蓑に、発射地点と思われる広場へと近づく。

 

 月明かりがスポットライトのように照らす、開けた場所。そこに二人の男がいた。一人は金髪に白い肌と西欧人種特有の特徴を兼ね備えながら、どこか違和感がぬぐえない男。そしてもう一人は、細い体に軍隊用のグレーの迷彩服と戦闘(コンバット)用ジャケットを纏った未だ幼さが残る少年だった。

 

「くくっ、さっさと出てきたらどうだい? そこにいるのは分かってるよ?」

 

 金髪の男が、灌木を透かし見るように、こちらに視線を投げかける。見た目弱そうなのに、こっちの位置は正確にわかるのか。わずかに舌打ちしながら、三人は灌木から抜け出した。

 

「――ほう! 報告にあったALOでの妖精姿じゃないか。どうだい、その身体は? あの茅場晶彦が作り出した出来損ないなんかより、素晴らしいだろう!」

 

「……随分、茅場に敵愾心があるんだな」

 

「当たり前だろう? あんなVR技術をたかだかゲームの技術に貶めるような、モノの価値が分からない人間に。あんな達観しているように装う偏屈に。敬意など払う必要はない! 僕より優れていることなどない! それが――どうして誰も分からないんだ!」

 

「………………」

 

 その口調と内容に、キリトさんから聞いていた人物像が一致する。直接会ったことはなかったが……

 

「アンタが須郷か……」

 

「オイオイ、君は口の利き方を知らないガキだなぁ……僕は≪笑う棺桶≫で生まれ変わったんだ。今君の目の前にいるのは、真の妖精の覇者、≪妖精王オベイロン≫だ。ひれ伏したまえ。それが君たち愚者のすべきことだろう?」

 

「…………」

 

 ……付き合い切れないと、早々に会話をあきらめる。ゲスの極みみたいな奴と聞いていたし、手加減抜きで病院と牢獄にブチ込むため足を広げ、突撃の準備をする。その視界に、不意に横合いから人影が割り込んだ。

 

「恭二さん……いや、シュピーゲル」

 

「…………」

 

 シュピーゲルは、ほんのわずかに唇を噛みしめながら肩に下げていたガンベルトの固定を外す。……グリップに刻まれているのは、黒い星。≪黒星(ヘイシン)≫だ。

 

「……≪死銃≫か~。コウ、シュピーゲルの相手は私がやるよ」

 

 そう言って前に出るのはキッド。その両手にはすでに愛用の≪デザートイーグル≫と≪七色の銃(イリス・トルメントゥム)≫がある。ガンマンとはいえ今のキッドはある程度なら自分に障壁も張れるようになった。相性としても申し分ない。

 

「――分かった。その間にオレ達は、速攻でオベイロンの身柄を抑える」

 

「うん♪ それじゃ――――――!?」

 

 相性だとかなんだとか、それらすべての認識が、『間違いだった』と気付いたのは一瞬だった。突然キッドの額が前後にブレ、遅れて響いた発射音とガシャン!という収納音で、シュピーゲルがキッドを撃ったのだと認識した。

 

「あ、くう……!」

 

「キッド!」

 

「キッド、だいじょ――!」

 

 慌てて駆け寄ろうとした二人の身体が、衝撃と痛みで吹っ飛ぶ。障壁のおかげで怪我はないが、またガシャン!という収納音がするまで何が起きたか認識もできない。

 

(早撃ち?! 認識も出来ないって、何だよソレ!)

 

 やがて聞こえてくる、ガサガサという草を踏みしめる音。それは死神の靴音にも聞こえた。

 

「ごめんね、コウ君……」

 

 そう言いつつ、シュピーゲルはその手に持ったリボルバーを向ける。

 

「僕のユニークスキルは、(ホルスター)から抜いて戻すまでの全ての動作に≪オーバー・アシスト≫がかかる。それが『最速』のユニークスキル、≪抜刀術≫の特性だよ」

 

 それは、かつてのアインクラッドで、『勇者』である≪黒の剣士≫すら破れなかった『最速』。迷いながらも、今この場においては最悪の障壁が、立ちふさがっていた。

 




これが、『魔改造シュピーゲル』……!AGI型の地平線の向こうまで行ってしまいました♪コンセプトの『銃で抜刀』を思いつかせたのは、皮肉にも原作の銃・剣二刀流行ったキリトですwソレのせいで彼の性能は極悪仕様ww

本来≪オーバー・アシスト≫の性質上、一番近いのは『アクセルワールド』の≪フィジカルフルバースト≫です。つまりデメリットも……

次回投稿の予定は依然不明です。スランプから中々調子が戻らない……
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